「気疲れ」とは?
まずは、「気疲れ」の言葉の意味について、おさらいしてみましょう。親しくない相手と会話をしたり、目上の立場の人と長時間会話をしたりすると、疲労感に苛まれることがあります。この疲労感は、「気疲れ」ということができるでしょう。
「気疲れ」の意味
「気疲れ」とは、言葉の通り、「気を遣って疲れてしまうこと」という意味があります。「気」という漢字が使われているように、肉体的な疲労ではなく精神的に疲労した際に使われることが多いです。
先に挙げた、「親しくない相手との会話」や「上司との会話」の場面では、相手に気を遣うことが多々あるため、精神的に疲れてしまうといえるでしょう。
「気疲れ」の類語
「気疲れ」と似たようなニュアンスを持っている言葉を紹介します。「気疲れ」はややカジュアルな表現です。場面にあった表現を使い分けることで、品性のある人に近づけるのではないでしょうか。
1:心労(しんろう)
「気疲れ」の類語には、「心労(しんろう)」という二字熟語が挙げられます。「気疲れ」よりもやや硬めの表現といえるのではないでしょうか。「心労が絶えません」という表現がよく用いられますが、「心労」とは、「さまざまなことを心配して心が疲れること」という意味です。
2:気苦労(きぐろう)
「心労」と同じ意味で使われる言葉に「気苦労(きぐろう)」があります。「気苦労」も「心労」と同様に、「気苦労が絶えません」と使うことができます。
3:くたびれる
「心労」や「気苦労」はやや硬めの表現ですが、「くたびれる」は、「気疲れ」のようにカジュアルな場面や友人と話すときなどによく使われる表現といえるでしょう。一般的に、精神的に疲れた場合に使われますが、着古された洋服を指して「くたびれたシャツだ」という表現をすることもあります。
「気疲れ」する人の特徴とは?
「気疲れ」の意味をおさらいしたところで、続いては「気疲れ」する人の特徴について迫っていきましょう。一般的に、繊細で優しい人ほど「気疲れ」しやすいといわれています。
1:心配性
心配性の人は、「相手が嫌な気持ちになっていないか」、「もし何かあったらどうしよう」などネガティブな方向にあらゆる可能性を考えがち。杞憂してしまうため、他の人よりも精神的に疲れてしまいます。
2:責任感が強く真面目な性格
責任感が強く、何事にも真面目に取り組むタイプの人は、ひとりで背負い込んでしまう傾向になります。人に相談できなかったり、ストレスやプレッシャーに耐えようとする一面があるため、「気疲れ」しやすいのです。
3:完璧主義
失敗なんて許せない、ミスをしたら恥ずかしいという気持が強い「完璧主義」なタイプの人は、気疲れしやすいです。なぜなら、失敗をしないように常に気を張っているから。自分の至らないところを見せないように、時には自分を取り繕ったり誤魔化したりすることで、他者とのコミュニケーションに「気疲れ」してしまいます。
4:優しすぎる
「気疲れ」する人は、他者に対して非常に優しい人が多いです。もちろん、良いことでもあるのですが自分よりも相手のメリットを優先させたり、過剰に気を遣ってしまったりすることで「気疲れ」しやすくなるのです。
5:感受性が豊か
映画やドラマを見て泣きやすかったり、美術作品の感動したりするような感受性が豊かな人は、「気疲れ」しやすいといえるでしょう。感受性が豊かな人は、周りの人よりもアンテナが敏感で観察力があるため、他人の一つ一つの動作を気にしてしまうのです。
また、他者に対して深く共感してしまう傾向があるため、感情に左右されやすく精神的に影響を受けやすいことも原因かもしれませんね。
「気疲れ」への効果的な対処法とは?
「気疲れ」しやすい人は、世界の小さな変化に気付くことができる反面、その敏感さによって対人関係ではストレスを感じやすいという苦痛も。そこで、最後に「気疲れ」への効果的な対処法について、考えてみましょう。
1:距離を置く
特定の相手に対して「気疲れ」してしまう人は、その相手と一定の距離を保つことが効果的といえるでしょう。過剰に気を遣ってしまう相手とは、相手も同じように思っていることが多いです。
「気疲れ」してしまう相手とは、一度お互いの距離感を推し量ってみるといいかもしれませんね。
2:自分に自信をつける
「気疲れ」してしまう人の中には、「私なんかと話していて楽しいかな」「楽しませるために頑張らなきゃ」という強迫観念を持っている人がいます。それは、自分に自信がないことが大きな原因なのではないでしょうか。「私なんか」という気持ちを払拭するためにも、様々なことに挑戦して成功体験を積んだり、自分磨きをしたりして自分に自信をつける努力をしてみてください。
3:リフレッシュできる趣味を見つける
他者と関わるうえで、相手への気配りは欠かせません。つまり、誰もが「気疲れ」をしているといえます。「気疲れ」しにくい人は、自分なりのリフレッシュ方法を持っている人も多いです。
例えば読書や料理など家の中でもできる趣味や、ハイキングや魚釣りなどのアウトドアな趣味など、自分に合った趣味を探してみてはいかがでしょうか。
4:休息をとる
先述した、「リフレッシュできる趣味」と似ていますが、十分な休息も大切です。アロマを焚いたり、ゆっくりお風呂に浸かったり、身体をしっかりと休ませてあげることで体力的にも精神的にも疲れにくくなります。
5:過去にとらわれ過ぎない
「気疲れ」しやすい人は、後から「言って傷つけたのではないか」などと後悔する人が多い傾向にあります。心配事の多くは杞憂で、相手は全く気にしていない場合が多いので、過剰に心配しなくても大丈夫。
過ぎてしまったことは仕方がないので、これからどうするかに目を向けるように心がけると、気持ちが楽になるのではないでしょうか。
最後に
「気疲れ」とは、「気を遣って疲れてしまうこと」。周りへ細やかに気を配れることは素晴らしいことです。しかし、それゆえに自分が疲弊してしまうことも少なくありません。相手と自分の気持ちを同じように大切にしながら、関係を育んでいきたいですね。
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