効果的な日焼け対策方法
日焼け止めをしっかり塗る
日焼け対策のひとつとして有効な「日焼け止め」。そんなのは当然だと思うかもしれませんが、効果的に活用できていない人がいるのが実情です。
そもそも日焼け止め、みなさんはどう選んでいますか? 菌ケア専門家の下川穣さん曰く、日焼け止め選びの基本的なポイントは以下の3点。
・保湿成分が充実していること
・SPF30以上であること
・PA+++以上であること
「日焼け止めを使うシーンにもよるので、SPFやPAは、異なるものを使い分けてもいいですね。米国皮膚学科会でも、保湿力があるSPF30以上の日焼け止めを勧めています。まずは肌に必要な潤いを守りつつ、日常的な紫外線がきちんとカットできる、といったことを最低条件に選びましょう」(下川さん)
植物由来の保湿成分:ホホバオイル、オリーブオイル、ヒマワリ種子油、ホホバ種子油、クロヨナ種子油、ミツロウなど
日焼け止めってどう選べばいい? ニキビ肌さんが日焼け止めを選ぶときの注意点は〈菌ケア専門家が解説〉
飲む日焼け止めも併用する
日焼け対策には、まず何はなくとも日焼け止めですが、肌に直接塗る日焼け止めと併用して、飲む日焼け止めも取り入れるのが効果的です。
「飲む日焼け止めには主に抗酸化効果のある植物エキスが入っていて、体の中から紫外線ダメージによる老化を防いでくれます。肌のダイレクトなダメージを防ぐのは日焼け止め。両方取り入れるのが効果的です」(シロノクリニック恵比寿院 大野由実先生)
2つの役割は異なるため、塗る日焼け止めだけ、飲む日焼け止めだけ、とそれぞれ単体で活用するのではなく、両方取り入れることで効果がアップします。
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目の日焼けも防ぐ
実は、目からも日焼けするという事実、ご存じですか?
眼科医の杉本由佳さんによると、目に入る紫外線も日焼けの一因になると言います。
「目に強い紫外線が入ると、脳は体内に“メラニン色素”を作るように命令します。この“メラニン色素”は、紫外線による皮膚の細胞破壊などを防ぎますが、過剰に作られると、シミやソバカスの原因に。顔や体の紫外線対策を頑張っていても、目を無防備にさらしていると、せっかくの努力が台無しになってしまいます」(杉本さん)
さらに杉本さん曰く、日本人は欧米人と比べ、1.66倍も目から紫外線を浴びていることがわかったそうです。
「最近の研究で、日本人は欧米人の1.66倍の紫外線を浴びているということが明らかに。彫りの深くない骨格の日本人は、さまざまな角度から光が侵入しやすいため、紫外線の影響を受けやすいのです」(杉本さん)
目から紫外線を浴びすぎると失明の可能性も高まるそうなので、目の日焼け対策も徹底していきたいところ。具体的には、日常的にUVカットが施されたサングラスかけることが有効だそう。
他にもダメージ修復を促す活性型ビタミンB2や、うるおいを与えて保護するコンドロイチンが含まれている目薬をさすのもおすすめと教えてくれました。
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紫外線に効果的な食材を取り入れる
国際中医薬膳師・漢方アドバイザーの大木さと子さんに、漢方の視点で紫外線ケアに有効な食材について伺いました!
「焼けちゃった! と感じたら、まずはクールダウンから。トマト、きゅうり、アスパラ、ズッキーニ、セロリ、アロエなどの初夏〜夏が旬の野菜、果物は体の余分な熱を冷まします。ビタミンが豊富なことからも、紫外線対策には納得ですよね」(大木さん)
さらに血の巡りを良くする食材も効果的だそう。
「漢方では、シミ=『瘀血』の状態、つまり血の巡りが滞っている状態と考えます。血の巡りを良くする食材は、イワシやサンマ・サバなどの青魚、赤貝、野菜はニラ・セロリ・パセリ・玉ねぎ・エシャロットなど。納豆、甘酒、酒粕、酢もオススメ。いずれも『血をサラサラにする』と言われている食材ですよね。顔全体のくすみ改善にも適しています」(大木さん)
また、日焼けによる肌のザラつきや乾燥には、うるおいをためてくれる食材が◎。
「松の実や白きくらげ、アスパラガス、オクラ、ほうれん草、ハマグリ、イカなどがオススメです」(大木さん)
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日常的に美白美容液を取り入れる
仮に今シミがなくても、日常的に美白美容液をスキンケアに取り入れるのもおすすめです。
「日焼けしている肌の内側にはたくさんのシミ予備軍があります。今は見えていなくても、予防の意味で美白美容液を取り入れましょう。ビタミンC誘導体など抗酸化成分が入ったものを選び、肌のダメージを防いで」(ウォブクリニック中目黒 総院長 髙瀬先生)
朝はこれから浴びる紫外線から肌を守るため、夜は紫外線を浴びた肌のダメージケアのために、顔全体にしっかり塗りましょう。
酵素洗顔でメラニンを追い出す
酵素洗顔も実は有効です。酵素洗顔によって代謝を上げれば、メラニンを速やかに追い出すことが可能。
「メラニンを含んだ古い角質を追い出して肌の透明感を引き出すには、代謝を上げることが大切。酵素洗顔料を週に数回取り入れたり、湯船に浸かって体を温めることも効果的です」(髙瀬先生)
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絶対焼かない日焼け止めの塗り方
惜しみなくたっぷり使うことが基本
どんなに高機能な日焼け止めでも、塗り方を間違えていてはその効果は得られません。
日焼けしないためにもっとも大切なことは、日焼け止めの「塗る量」。仮にSPF値20の日焼け止めを塗っても、量が足りていなければSPF値10程度の効果しか得られません。
日焼け止め化粧品のSPF値は、実際に人の皮膚を使用し測定しますが、その際使われる日焼け止めの量は、皮膚1平方cmあたり日焼け止め化粧品2mg。
ところが実際に世の中の女性が使っている日焼け止めの量は、平均的にこの約4分の1と言われています。その場合、日焼け止めの効果はなんと約20分の1にまで下がるそう。
どうしてもベタついてイヤだという人は、せめて紫外線を浴びやすい部分(頬骨など)を厚めに塗るなどの対策を。
ほとんどができてない!【日焼け止め】はアレをしないと効果なし!?
日焼け止めのこまめな塗り直しは基本
塗り直しで推奨されている回数は、3時間に1回程度。顔全体でパール玉2個分を使うことがおすすめされています。
朝塗って家を出たらランチの前や後に塗り直し、さらに夕方前の外出前にもう一度、というふうに、こまめな塗り直しを行いましょう。
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パウダーファンデーションを重ねると最強
より確実な紫外線カットには、日焼け止めを塗った後パウダーファンデーションを重ねるのが効果的。
実はパウダーファンデーションの色粉は、紫外線散乱剤と似ています。たとえば肌のレーザー治療をする際、ファンデーションが少しでも残っているとレーザー光が跳ね返されてしまうほど。
日焼け止め効果をうたったものでなくてもUV効果は期待できるので、お顔はベースメイクの仕上げにぜひパウダーファンデーションを活用してみてください。
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日焼けしてしまったときのアフターケア方法
まずはとにかく肌を鎮静させる
もしもうっかり日焼けし、肌に赤みやほてり、痛みが出てしまったときは、まずはとにかく鎮静させることを優先しましょう。
氷や保冷剤をタオルにくるんだら、肌に当ててクールダウン。その日は湯船には浸からず、シャワーがベターです。水圧は弱めに、温度もぬるめに設定しましょう。
水分補給で肌をうるおす
乾燥やくすみ、かさつきなどの症状が出たら、顔・体ともにしっかりと保湿しましょう。
とは言え肌は敏感な状態。化粧水は低刺激タイプまたは抗炎症成分が配合されたものをセレクトしましょう。セラミド化粧品もおすすめです。
美白ケアはこの後。肌が落ち着いてから始めるのが得策です。