ニキビとメイクの関係
一歩外に出ると気になる紫外線。一年中ふりそそぐこの日差し、絶対お肌に悪いけど、ニキビ肌に日焼け止めって塗ってもいいの? 主張してくるニキビたち、メイクで隠してしまって大丈夫? 今回はこんな疑問にお答えします!
ニキビは皮脂がうまく排出されずに毛穴がつまることから始まり、つまりが大きくなると白ニキビ、炎症を起こすと赤ニキビ、進行して膿がたまると黄ニキビと名前を変えます。
日焼け止めは必須? 気になるSPFとPAの数値は…
実は紫外線とニキビの悪化には深い関係があります。どんな毛穴にも常在菌であるアクネ菌が潜んでおり、ポルフィリンと呼ばれる代謝物を産生します。
このポルフィリンが紫外線と反応すると活性酸素を発生させ、皮脂を酸化させることで炎症を引き起こすと言われており、ニキビの悪化を招きます。
そのため、ニキビ肌には日焼け止めは必須。そして気になる日焼け止めの性能表示ですが、外回りの営業などでもSPF10~20程度、PA++++で十分。
しかし、気を付けなければならないのは塗る量と回数。顔全体でパール玉2個分を3時間に1回程度塗り直しすることが推奨されています。
ニキビ肌にメイクは悪化しそうなイメージ?
また、しっかりとケアをしていてもできることがあるニキビですが、そんなときに迷ってしまうのがメイク。さらにニキビを増やしてしまうのではと不安になりがちですが、メイクはニキビ治療の妨げにはならず、QOL(生活の質)を向上させるという研究報告があり、適切なコスメを使えば特に問題ないと考えられています。
コスメの開発段階で製品を塗布してニキビの始まりとなるコメドが現れるかどうかをテストし、一定基準をクリアした、ニキビを作りにくい『ノンコメドジェニック』のものを使用するのが安心です。
ただし、ニキビができないというわけではないのでお肌に合った低刺激のものを探しましょう。日焼け止めもノンコメドジェニックなものがおすすめです。
そして一日の終わりにはしっかりとメイクを落とし、適切なスキンケアを行って過酷な紫外線ダメージからお肌を守っていきましょう。
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田場医院 院長 田場史子(たば・ふみこ)
兵庫県三田市にある形成外科・皮膚科・美容皮膚科を併設する「田場医院」院長 形成外科専門医。
1982年生まれ。高知大学医学部医学科2007年卒。淀川キリスト教病院での研修後、神戸大学大学院医学研究科形成外科学へ入局。2018年田場医院に形成外科・皮膚科・美容皮膚科を開設。クリニックにはお肌で悩む多くの患者さんが訪れる。