目次Contents
イライラ・しんどい、ダイエット中の心がスッと落ち着く! ストレッチの効果
みなさんは、どのようなときにストレッチをおこなっていますか? 「1日の疲れがドッと押し寄せてくる夜」「起床後すぐ、体がガチガチな朝に」「デスクワークの最中に、椅子に座ったまま」など、おこなうタイミングはそれぞれかと思いますが、ストレッチには、疲れが溜まった心身のリラクゼーションに役立つというイメージを抱いている方が多いようです。
30分程度にわたり全身の筋を順番に伸ばしていくようなストレッチングの前後で脳波や自律神経活動を調べてみると、副交感神経活動を優位に変化させることができる(※)ということが明らかになっています。
副交感神経は、リラックスしているときに活発に働くため、緊張状態が緩和されたり、イライラが静まったりといった感覚を得られるでしょう。ダイエット中というのは、何かと制限・我慢を強いられることが多いですから、ストレスも溜まりがち。ストレッチは、そんな心のケアにも役立ってくれるのです。
また、ストレッチによって、さらにリラックス効果を高めたいというときは、“吐く息”に意識を集中させ、いつもよりゆっくりと長い呼吸をおこなうことがポイントになります。それと、目線を上げて、無理のない範囲で胸を開くこと。こうすることで、マイナスな感情の解放につながると言われています。では、体におけるストレッチの効果は?
ダイエット効果を高める! 体のベース作りにもなるのがストレッチ
「ストレッチをしたところで、痩せない」「ストレッチにはダイエット効果はない」と思われがち。ですが、ストレッチをすることで、同じ姿勢で凝り固まった筋肉を伸ばしたり、関節可動域を広くしたりもできるため、姿勢の改善、血行促進、代謝UPなどに期待できます。
それに加えて、ストレッチによって副交感神経が高まった状態というのは、腸のぜん動運動も活発になるため、お腹をスッキリさせる効果も狙えるのです。
頑張ってトレーニングをおこなったり、食事制限をしたりしていても、日頃の姿勢がよくなかったり、体を動かすときの可動域が適正範囲よりも狭かったり、冷えていたり、便秘気味だったりしては、なかなか効果が出にくいもの。ストレッチそのものによって、短期間で劇的なダイエット効果を狙うというよりは、ダイエット中の心身のベース作り・サポートとして取り入れることをオススメします。
ヨガ講師がダイエット中に取り入れるなら? 心も体も軽くなるストレッチ4つ
1. 座ったままおこなう胸を開く&お腹まわりが引き伸ばされるストレッチ
STEP 1:あぐらの姿勢で座る。両手の指を、後頭部で組む。
▲両ひじをしっかりと外側に開き、左右の肩甲骨を中央に寄せて、胸を開きます。腰が反りやすくなる姿勢なので、尾骨(お尻のとがった骨)を引き下げて、骨盤を立てて座りましょう。
STEP 2:右ひじを天井方向に持ち上げる。
▲ひじが内側に入らないように、しっかりと胸を開いたまま、呼吸を5回繰り返します。目線は、右ひじのほうに向け、腹部の心地よい伸びを感じましょう。反対側も同様におこないます。
2. 足を高く持ち上げる&グーンと伸ばして、下半身の血行を促すヨガ「サギのポーズ」
STEP 1:両足を伸ばして座ったら、左ひざを曲げてかかとをお尻の横につける。右ひざを立て、両手で足の裏を持つ。
▲右の太ももを腹部に近づけるようにします。
STEP 2:息を吐きながら、右ひざを伸ばす。
▲ひざは、息を吐きながら少しずつ伸ばしていきます。伸ばしきるのがツラい場合は、軽く曲げた状態でキープしてもOK。足の裏にタオルをかけて、両端を手で持ってもよいです。呼吸を5回繰り返したら、反対側も同様におこないましょう。
3. 股関節をストレッチして、歩幅を広く! 足の可動域を広げるストレッチ
STEP 1:四つ這いになり、左足を前に踏みこむ。右ひざはややうしろに下げて、足の甲を寝かせる。
▲左足は、左手の横あたりにつくとgood! 背中が丸まらないように、目線を上げましょう。まずは、この姿勢で呼吸を5回。
STEP 2:息を吐きながら、左ひざを外側に倒す。
▲左足は小指側面を床について、股関節を外旋します。無理のない範囲でひざを倒したら、呼吸を5回繰り返しましょう。STEP 1~STEP 2ともに、反対側も同様におこないます。
4. 自律神経のバランスにも関係大! 寝たままおこなう背骨周辺のストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。すねが床に対して平行になる位置まで、足を持ち上げる。
▲腰が反りやすい場合は、丸めたタオルやクッションなどを下に置きましょう。両手は体の横について、リラックスします。
STEP 2:息を吐きながら、両足を右側に倒す~息を吸いながら、中央に戻す~息を吐きながら、左側に倒す。
▲呼吸に合わせて、ひざを倒したり、起こしたりする動きを5回を目安におこないましょう。ひざは、無理なく倒せるところまででOK。多くの神経が集まる背骨周辺の動きを意識しながらおこないます。
夜にストレッチをおこなうときの注意点
最後に、“夜に”ストレッチをおこなうときの注意点をお伝えします。ストレッチは、夜におこなう方が多いと思うのですが、方法によっては眠りに影響を与えることもあるので、ポイントを押さえておきましょう。
1. 夜ご飯を食べた後は、消化不良に注意。2時間ほどストレッチ・ヨガを控える、もしくは腹部をねじる動きを避ける。
2. アップテンポな音楽を流したり、スマホで動画を見たりしていると、眠気が遠ざかってしまうので、ゆったりとした音楽を流したり、照明を落としたりした部屋でストレッチをおこなう。
3. 痛みは脳や体を覚醒させてしまうので、強すぎるストレッチはおこなわない。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。