ライバルに“聞く耳”をもつ素直さがBIGBOSSの強み
北海道日本ハムファイターズ監督 新庄剛志さん(50歳)
しんじょう・つよし/阪神タイガース、MLB挑戦ののち、’04年に北海道日本ハムファイターズに入団。昨年、日ハムの監督に電撃就任。
「彼は発信上手なイメージですが、研究熱心で見聞きしていいと思ったことは柔軟に練習に取り入れ、選手にも提案しますよね。また、他球団のコーチに『どうやって練習してるの?』と聞いてしまう素直さも。既成概念にとらわれないオープンさが、彼にとっての聞く力なのだと思います」(魚住さん)
気になったことや良いと思ったことは素直に聞くこと。立場を問わない柔軟さやオープンさも、“聞く力”を高める大きなポイントです。
今なぜ、「聞く力」が求められているのか
〝個〟を尊重する時代では話し上手より聞き上手がキーパーソンに
インターネットやSNSの普及によって、世界にはさまざまな価値観の人がいることが可視化されるようになりました。それぞれの主張を聞き、違いを認め合う必要性が出てきた結果、重要になったのが、相手を知るためのコミュニケーションスキルである“聞く力”。です。
聞き上手になることは、自分にも会社にもメリットが大きい
「聞く力とは、“人を理解する力”ともいえます。話の内容だけでなく、相手の気持ちや感情も含めて、相手を丸ごと感じることです。しかし、世の中の人は自分が話すばかりで、ちゃんと聞けていない人が多いのが現状。『まずは聞いてみよう』という姿勢を持つことが大切」(國武さん)
「ビジネスシーンにおいては、上下関係すらも平等に、互いを尊重する関係を目指す企業が増えています。ひとりひとりの考えを聞き、ビジョンや方向性を全員で決めていく働き方が主流になる中で、聞き上手であることは自分にとっても、会社にとってもメリットは絶大です」(魚住さん)
教えていただいたのは…
エグゼクティブコーチ 國武大紀さん
くにたけ・だいき/大学卒業後、JICA、外交官などを経て現職。現在は40か国以上での組織開発の実績をもとに、コーチングやプロコーチ育成を行う。近著に『その「ひと言」でチームが変わる最高のフィードバック』(大和書房)。
フリーアナウンサー 魚住りえさん
うおずみ・りえ/1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。’04年の独立後はフリーとして活躍するほか、話し方スクールを開校。著書に『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』(東洋経済新報社)など。
2022年Oggi4月号「仕事ができる! の近道は『聞く力』だった」より
イラスト/竹田匡志 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
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