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「ハードルが高い」って何を意味しているの?
「ハードルが高い」は、主に「達成が難しい」や「条件が厳しい」といった意味で使われています。
ただし実際に使われている場面では必ずしも客観的な難易度を示しているとは限らず、口にする人の主観的な印象で用いられることがほとんどです。
なお「失敗したくない」「自分には無理」などの心理が働いていて、なおかつ評価が下がるリスクを取りたくない気持ちや期待に応えられないことへの恐怖があるときに「ハードルが高い」と表現する人も少なくない実態です。
【例文付き】ビジネスシーンで「ハードルが高い」が使われるのは、こんなとき!

ビジネスの現場では、「ハードルが高い」という言葉がある種の“クッション”としても使われています。
ただし使い方次第では、成長の機会を自ら遠ざけてしまうきっかけにもなるだけに、軽々しく口にしないほうが良い場合も…。
ビジネスシーンで「ハードルが高い」がよく用いられている場面を見ていきましょう。
♦︎新しい業務や役割を任されたとき
ビジネスの現場で「できないと思われたくない」「失敗したら評価が下がる」といった防衛心理が強く働くときには、特によく使われがち。
例文:
「リーダー業務は、ハードルが高いです」
「未経験なので…、ハードルが高くて少し厳しいかもしれません」
多くの仕事では、最初から完璧を求められているわけではありません。
それでもハードルが高く感じてしまうのは「最初から結果を出さなければならない」という思い込みが影響している場合も多々あります。
♦︎上司や取引先に提案・交渉をするとき
自分から提案や交渉をするときに、相手の反応を過剰にネガティブに想像してしまうとハードルが高く感じる原因に。
例文:
「単価を上げてほしいけれど、ハードルが高いから言いにくくて…」
「業務フローの見直しを提案したいけれど、先輩に伝えるのはハードルが高い!」
実際には相手はそこまで深く考えていない場合や提案自体を歓迎しているケースも多いはずですが、提案をする側からすると「言いにくい」と感じてしまいがちなのも確かです。
「ハードルが高い」と感じやすい人には共通点がある

同じ状況でも、ハードルを高く感じる人と、そうではない人がいます。
その理由は能力の差ではなく、考え方や物事の捉え方の違いにあるもの。
ハードルが高いと感じやすい人の共通点をまとめました。
♦︎共通点1:真面目で責任感が強すぎる
真面目で責任感がある性格は、一見すると長所。
ですが実は、これらの気質が強い人ほど「引き受けた以上は、完璧にやらなければならない」といった思い込みを抱えやすい傾向もあります。
本来ビジネスは、途中で軌道修正をしたり周囲に助けを求めたりできるのが前提ですが、責任感が強い人ほど最初から“完成形”を想像してしまいがち。
その結果として「そこまでやれないなら、最初からやらない方がいい」と判断し、自らハードルを高く設定してしまうのです。
♦︎共通点2:「失敗」イコール「評価が下がる」と考えている
失敗を“一時的な出来事”ではなく“自分の価値そのもの”と結びつける人ほど、物事へのハードルは高くなります。
ビジネスシーンでありがちなのは「うまくいかなかったら、無能だと思われる」「失敗したら、次のチャンスがなくなってしまう」といった最悪のシナリオを想定してしまうパターンです。
現実には、何も挑戦をしない人よりも失敗しながらも挑戦を続ける人がビジネスで評価されるもの。しかし「失敗は致命傷」という思考が強い人は、行動をする前の時点でハードルが跳ね上がってしまうのです。
♦︎共通点3:他人の期待を過剰に背負ってしまう
相手が実際に求めている以上の期待を自分のなかで勝手に膨らませる癖があると、「〜に違いない」といった思い込みのせいで、物事へのハードルは上がります。
「上司は私に、もっと高い成果を期待しているはず」「取引先は、完璧な提案を求めているに違いない」などの思考は、自分で自分を追い詰めてしまうもの。
実際のところ、相手がどこまで求めているのかは分かりにくいのも事実ですが、実はハードルの大半は自分の“想像”によって作り出されているパターンも珍しくありません。
♦︎共通点4:「傷つきたくない気持ち」が強い
「ハードルが高い」と感じやすい人には、否定を恐れ“できない自分”を直視したくないタイプも多い傾向に。
いわゆる自信過剰なプライドタイプではなく、傷つきたくない気持ちが強いタイプです。
自己防衛の心理が強まってしまうほど「最初から手を出さなければ、できなかった事実も生まれない」といった心理に陥りやすく、これが「ハードルが高い」と感じる正体でもあります。
♦︎共通点5:過去の経験を一般化しすぎている
一度の失敗や苦い経験を「自分は、こういうことが苦手な人間だ」と決めつけてしまうのも、ハードルを高くする要因のひとつ。
このタイプの人ほど、たとえば、ずっと昔にプレゼンで失敗した経験や提案を断られた過去があるなどの背景があると「きっと今回も同じ結果になる」と失敗を前提に考えてしまうのです。
「今回は状況が違うかもしれない」と切り分けて考えることができず、結果として、現実よりもずっと高いハードルを想定してしまいます。
もう怖くない! ハードルを下げる考え方のポイント

ハードルを感じることそのものは決して悪いことではないけれど、大切なのは、そのハードルの高さを“現実的な位置”に戻す視点を持つこと。
ハードルを下げる考え方のポイントを解説します。
♦︎考え方のポイント1:最初のゴールは「成功」ではなく「着手」だと考える
最初から結果を求めてしまうと、ハードルは一気に跳ね上がります。
まずは「やってみる」や「話してみる」だけでOKと、自分のなかで定義を変えましょう。
最初のゴールは「成功」ではなく「着手」だと考えると、ハードルを下げやすくなります◎。
♦︎考え方のポイント2:他人の基準ではなく自分の基準を大切にする
「あの人ならできるんだろうな」や「普通はできるけど自分は…」という“比較”の思考は、物事へのハードルを不必要に高めます。
もしも、物事を判断するときに他人が関係する基準を設定する癖があるならば、すぐにでも発想を変えていきましょう◎。
物事を判断するときに、他人と比較する必要は一切ありません。
「自分」を軸にして、自信をもって!
♦︎考え方のポイント3:冷静に一歩下がって考えてみる
難しいことこそ正解だと思い込んでしまうと、不要な苦労を招きがちに。
一見すると自分の能力では対応できないような難しい事柄だと感じたときほど、まずは一歩下がって考える癖をつけてみましょう。
実は、最初に「ハードルが高い」と感じた事柄でも実はそれほど大した話ではなく、本当にやるべきことからはズレていたり案外と簡単な話だったりする場合も多々。「ハードルが高いな」と最初に感じたときほど、冷静な自分を忘れないよう意識してみて◎。
物事へのハードルを高める癖がある人にも、おすすめの考え方です。
ハードルは心のなかで生まれている
「ハードルが高い」と感じる理由には、自分を守ろうとする心も影響しています。
しかしビジネスシーンでは、“ハードル”をまたいでいく心がけも求められます。成長や関係性の変化とハードルは、切っても切れない関係です。
「完璧でなければならない」「失敗してはいけない」という思い込みを手放すだけでも、ハードルはグッと下がります。
考え方を変えるだけでも、これまでは「高すぎる」と感じていたハードルの多くを軽くまたげるようになっていくかもしれません。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



