インタビュアー/ライター 宮本恵理子さんの“聞く力の極意”
“聞く力”は、相手との信頼関係を築くことができるもの
〈宮本恵理子さんの極意〉
1. 相手が言ったことを自分なりの言葉に置き換えて問い返す
2. 沈黙を恐れない
3.「ここまでは知っていますよ」と示す
どんな人にも語りたい思いや体験があって、それを『わかってほしい』と思っている
一般の方から著名人まで、これまで累計2万5000人以上の話を聞いて実感するのは、どんな人にも語りたい思いや体験があって、それを『わかってほしい』と思っていること。聞き手の役割は、相手を安心させ、その人が自力では出せない言葉に導くことだと思います。『こういう意味ですか?』と自分の解釈を加えながら問い返すのは、『あなたのことを理解したい』という姿勢を示しながら、話を深めるきっかけにもなるから。解釈が間違っていたら、その場で訂正できるのもメリットです。
質問の後に相手が黙ったら、これまで言葉にできなかったことを慎重に言語化しようとしている証拠。『待ちますので、ゆっくり考えてください』と伝えています。また、話し手は『どこから話せばいいのか』と不安に思っているもの。『先日、こんなことをしていましたね』などと伝えるだけで、一段深いところから話を始められます。
オウム返しや絶妙な相槌は近い将来、AIが正確にやってくれるようになるはず(苦笑)。生身の人間が聞く意味を常に考えています。SNSなどで自分の言葉を受け止めてもらう手ごたえを得にくい今、相手との信頼関係を築ける“聞く力”は、仕事でも友人関係でもきっと役に立つと思いますよ
2022年Oggi4月号「仕事ができる! の近道は『聞く力』だった」より
撮影/鈴木愛子 イラスト/竹田匡志 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
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宮本恵理子
みやもと・えりこ/1978年生まれ。日経ホーム出版(現・日経BP)を経てフリーランスに。インタビュー歴20年以上。著書『行列のできるインタビュアーの聞く技術』(ダイヤモンド社)には具体的なノウハウが満載。