“褒め上手”になるための実践Tips
「私はあなたのこういうところがいいと思う」と伝える
「こちらが本心からほめていても、『いや、そんなことは』などと謙遜する人は多いもの。本人は単に照れくさかったりする場合が多いのですが、そんなときは相手ではなく、自分を主語にしてほめる“アイ(Ⅰ)メッセージ”が効きます。たとえば『私は、あなたの仕事へ姿勢をすばらしいと思っている』など。相手を直接ほめるより自分の意見として伝えることで、相手も受け取りやすくなります」(船見さん)
人と比べてほめるのはNG
「『○○さんに引き換え、君はよくできているよ』など人と比較されても、ほめられたほうは素直に喜べず、返答に困ってしまいます」(船見さん)
「『以前に比べてここがよくなった』など、“本人の過去”と比べてほめるのはアリ。相手は自分の成長を感じることができ、自信がついてモチベーションUPにつながります」(原さん)
容姿をほめるのは、もはやタブー
「ハラスメントについてだれもが敏感になっている現代では、外見やジェンダーについて触れることはご法度。よかれと思ってほめた点が、相手がコンプレックスに感じている場合も。傷つけたり、不快に感じさせてしまったりする可能性は否定できません。男女問わず、仕事ぶりや内面のことをほめるようにしましょう」(船見さん)
初対面の人と距離を縮めたいときは、相手が大切にしているポイントを探す
「打ち解けるためにも、“ほめ”は効果的。会って間もなくても相手をよく観察すれば、仕事への向き合い方や話を聞く姿勢、名刺入れやバッグなど仕事道具へのこだわり、読みやすくまとまった資料など、相手が大切にしているポイントが見えてきます。そこをほめると『こんなところまで見てくれているんだ』と、相手はうれしくなって会話が盛り上がり、距離感を一気に近づけることができますよ」(原さん)
教えていただいたのは…
ほめ育グループ代表 原 邦雄さん
はら・くにお/世界18ヶ国に広がる教育メソッド「ほめ育」創始者。「教育立国推進協議会」有識者。世界的スピーチ大会TEDxに2度登壇を果たすなど海外でも活躍。著書は『100点のほめ方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。
心理カウンセラー 船見敏子さん
ふなみ・としこ/青山学院大学卒。出版社に勤務後、フリーライターを経て現職。現在は企業や自治体などでメンタルヘルス支援や講演などを行う。著書に『職場がイキイキと動き出す 課長の「ほめ方」の教科書』(左右社)など。
2022年Oggi5月号「『ほめ方』次第で仕事が回り出す!」より
イラスト/omiso 構成/佐々木 恵・酒井亜希子・島田七瀬(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部