【目次】
・【トマトのパワー】女性がクギづけになる魅力
・【トマトの保管方法】効率よく栄養を摂取
・【トマトの栄養価】たっぷり摂取する方法
【トマトのパワー】女性がクギづけになる魅力
■トマトの栄養素
さっぱりしたものが食べたい暑い時期だけでなく、こってりしたアツアツ料理にも人気のトマト。真っ赤な色に含まれる栄養素や、効果的な食べ方にも注目が集まっています。
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吉田 企世子・松田早苗 監修『正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学』より
≪トマトの栄養素≫
β-カロテン・ビタミンC・ビタミンE・三大抗酸化ビタミンを含み、血液を健康にして動脈硬化やがん・老化防止に役立ちます。さらに赤い色素成分であるリコピン(リコペン)には、強力な抗酸化作用があるといわれています。
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β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、感染症予防に有効! またビタミンCは、たんぱく質と結びついてコラーゲンをつくり出し、皮膚や筋肉・血管・骨を強化するために欠かせない成分です。
■リコピンとは?
植物などに含まれる赤色やオレンジ色の色素成分・カロテノイドのひとつ。トマトの赤い色素もリコピンです。リコピンはカロテノイドの中でも特に抗酸化作用が高く、同じく抗酸化作用を持つビタミンEの100倍以上! リコピンには美容効果や血液サラサラ効果があると言われています。
特に女性に嬉しいのは、ダイエット・美白・日焼け予防などの美容効果です。トマトは本来夏野菜。紫外線が気になる夏も積極的に摂りたい食材ですね。
■目の疲労・睡眠リズムの乱れに
教えてくれたのは… 林田康隆先生
[眼科専門医「医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾」理事長]
目に良い成分というとポリフェノールが知られていますが、トマトのリコピンもおすすめです。
PC・スマホの使用が多い人や睡眠のリズムが乱れている人は、食事に取り入れてみましょう。
■グルタチオン
トマトや納豆に含まれているのが、うま味成分で知られているグルタミン酸。このグルタミン酸は、小腸のバリア機能を高め健康を維持したり、傷の修復に使われたりするのに必要な「Lグルタミン」の前駆体となるほか、抗酸化作用や肝機能において重要な「グルタチオン」の前駆体でもあります。
■肝臓の疲れに
教えてくれたのは… 大木さと子先生
[漢方アドバイザー。国際中医薬膳師]
トマトは薬膳的効能においても、身体にこもった余分な熱を冷まし、渇きを潤すといった作用があります。
また、東洋医学では「肝機能が不調を起こすと熱っぽくなる」という考え方をしますが、その熱冷ましになるので二日酔いにおすすめ。イライラや肌荒れ・赤いニキビや吹き出物にも効果が期待できます。
【トマトの保管方法】効率よく栄養を摂取
【1】はじめにトマトの選び方を確認
トマトのお尻とヘタに注目! 「おしり」の先の部分から上のヘタに向かって、スジが放射線状にはっきりと出ているトマトが、新鮮でおいしいトマトの証拠です。
ヘタは、写真のように「ピン!」と立っています。全体的に鮮やかな赤色で、球形に近い形がよいでしょう。
※すぐに食べない場合は、まだ熟しきってないトマトを選ぶと日持ちします。
【2】トマトの保存方法|基本編
≪青いトマト≫
常温で保存します。
≪赤いトマト≫
ビニール袋に入れてしっかり口をします。ヘタを下にして、他のトマトと重ならないように保管します。
さらに、リコピンを増やすための保存方法も確認しましょう。
【3】トマトは冷蔵庫が苦手?
トマトは「赤」が濃ければ濃いほど、リコピンがたっぷり含まれています! トマトを冷蔵庫に入れっぱなしにすると良くないのはどうしてなのでしょうか?
≪長く冷やさない方がいい理由≫
温かい地域が原産のトマトは、寒いのが大嫌い。冷蔵庫に入れっぱなしにしておくと低温障害を起こしてぶよぶよになり、リコピンが大幅ダウンしてしまいます。
【4】リコピンを増やすトマトの保存方法
一つずつ新聞紙に包み、ヘタを下にしてカゴに入れます。
15~25℃の直射日光が当たらない場所で保管します。熟しきってないトマトはお部屋で追熟させることで、リコピンが最大60%アップ!
※室温が30℃を超えるような夏場は、冷蔵庫で保存しましょう。
出典:『その調理、9割の栄養捨ててます!』/世界文化社
【トマトの栄養価】たっぷり摂取する方法
【1】やっぱり栄養価が高いのは生のトマト?
水煮缶やジュース・ケチャップなど、さまざまなトマト加工品がありますが、生のトマトとの栄養価の違いはあるのでしょうか?
そもそも、トマトの種類が違うため栄養価も異なります。
≪主なトマトの種類≫
1. 生食用トマト… スーパーの野菜コーナーなどに並んでいるトマト
2. 料理用トマト… 加熱すると甘みや旨みが増すトマト
3. 加工用トマト… 果肉が赤く、厚くてかたいトマト
リコピンは果皮に多く含まれている成分。上記3種のトマトの中で、最もリコピンが含まれているのは『加工用トマト』です!
【2】リコピンを効率的に摂取する方法
1. ケチャップやトマトジュースなど、加工用トマトを食べる
2. 油と一緒に食べることで吸収率が高まる
3. 加熱して食べることで吸収率が高まる
【3】リコピンの比率を4倍にする調理法
名古屋大学とカゴメ株式会社の過去の研究にて、新たに「にんにく・たまねぎ」といったユリ科野菜を入れて油で加熱調理することで、成分の「構造変化」が促進され、体内吸収性が高くなることが判明しました。
例えばトマトソース。実際に、にんにく・たまねぎが入ったトマトソースは、生のトマトと比べて、「シス体(※)」のリコピンの比率がおよそ4倍になることが実証されています。
※シス体… 体内吸収性を高めるリコピンの構造。にんにくや玉ねぎを加熱調理するときに発生する香り成分によって、シス体への変化が促されます。
【4】1日に食べるトマトの量
生トマトなら約500g(Lサイズ2個)、トマトジュースなら160g(約1本弱)が1日のリコピン摂取量の目安です。
料理などに上手く取り入れて、トマトの栄養を余すことなく摂取していきたいですね。