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「欠席させていただきます」の基本的な意味
「欠席させていただきます」は 自分が参加する予定だったイベントや会議に参加できないことを、丁寧に伝える表現です。
相手に迷惑をかけることを前提にしている言い回しで、ビジネス会合や社内外の会議、セミナー、習い事、友人との約束などのシチュエーションで幅広く使われています。
単純に「欠席します」と伝えるよりも柔らかく、自分主体ではなく相手に配慮するニュアンスが含まれるフレーズです。
これはNG!「欠席させていただきます」を誤用した体験談

「欠席させていただきます」は、相手に配慮をした使い方をしなければ失礼なムードを醸してしまうこともある点にご用心!
筆者が見聞きした事例から、実際にアラサーが経験した体験談をピックしました。
♦︎これはNG!:理由を書かずに送ってしまった
「参加予定だった勉強会への参加が急に難しくなり、上司に『欠席させていただきます』とだけ送ったら、あとから上司に『理由も書いてほしかった』と指摘されて焦りました。
社内での勉強会だったし、理由を書かなくても仕事が忙しいってわかるだろうという思い込みがいけなかったたですね。上司に指摘をされて、失礼な断り方だったと反省しました」(20代後半)
>>どうすればよかった?
「欠席させていただきます」だけだと理由がわからずに、やや冷たい印象も与えがちです。
ビジネスシーンでは簡単な理由を添えることで誠意が伝わりますから、社内の相手への連絡でも「わかるだろう」と過信はしない心構えが◎。
♦︎これはNG!:友人に飲み会ドタキャンの連絡で使ってしまった
「友人が主催している飲み会に残業になったから行けなくなったとき、仕事に気を取られながらLINE連絡を入れたので『本日の飲み会、欠席させていただきます』って仕事口調で送っていたんです。
送ったあとに『ちょっと変だったかな?』とは思ったのですが『まぁいいか』とそのままにしていたら、後日友人から『いきなり敬語でびっくりしたし、何かに怒っているのが理由で来ないのかと思った』と言われてしまいました。
何も考えずに送ったLINEでしたが、友人関係に悪影響になりそうでヒヤッとしました」(30代前半)
>>どうすればよかった?
「欠席させていただきます」はプライベートではやや堅すぎる表現に感じられることがあるため、避けたほうが無難。
相手との関係性にもよりますが、かしこまった表現だと違和感が生じる可能性がある相手にはフレンドリーな言い方を選ぶほうが誤解は減るでしょう。
アラサーの「欠席させていただきます」をスマート活用術

アラサー世代が「欠席させていただきます」を使う際に、気をつけておきたいポイントを整理しましょう。
上手に使って、スマートなコミュニケーションを♡
♦︎シンプルかつ誠実に理由も添える
「本日は欠席させていただきます」だけだと、どうしても事務的で冷たい印象になりがち。しかし、事実を伝えるのを優先しすぎて詳細すぎる言い訳を添えるのもスマートではありません。
そこで意識したいのは、誠実な印象と簡潔さのバランスです。
たとえば、急にお腹の調子が悪くなって参加を見送る場面ならば「今朝からお腹の調子が悪く3回もトイレに駆け込んでしまったので、欠席させていただきます」ではなく「体調不良のため、欠席させていただきます」などと簡潔に伝えましょう。
♦︎欠席連絡のタイミングは「なるべく早めに」
欠席の連絡は早ければ早いほど、相手の準備や段取りに影響を与えません。
ビジネスシーンでは「朝イチで欠席を伝える」か「前日の夜に分かっていれば、その時点で知らせる」程度のスピードが理想です。
また欠席を伝えるときには、会議ならば資料を事前に共有したり飲み会ならば主催者が人数調整できるよう配慮したりすると、さらにスマートに。やむを得ず欠席をするのですから、相手の立場に立って動けるようにしたいものです。
♦︎「クッション言葉」も添えると丁寧
ただ「欠席させていただきます」と伝えるよりも、前後に一言添えるだけで印象がかなり柔らかくなります。
たとえば「誠に申し訳ございませんが、欠席させていただきます」や「恐れ入りますが、本日は欠席させていただきます」の「誠に申し訳ございませんが」や「恐れ入りますが」がクッション言葉にあたります。
相手に与える印象も洗練されますし、配慮が感じられるひと言です。
【例文付き】「欠席させていただきます」を言い換えるなら?

「欠席させていただきます」は使いやすいフレーズですが、場面によっては堅すぎたり逆に軽すぎたりする印象を醸します。
言い換えのバリエーションも整理しておきましょう。
♦︎「欠席いたします」
シンプルながらもフォーマルで、かしこまった表現です。
社外メールや目上の相手にも使えます。
例文:「誠に恐縮ですが、明日の会議は欠席いたします」
♦︎「参加を辞退させていただきます」
丁寧な表現で、式典や公式イベントなど格式のある場への欠席を伝えるシチュエーションに向いています。
例文:「誠に残念ですが、今回の式典は参加を辞退させていただきます」
♦︎「今回は見送らせていただきます」
イベントや食事会など、ややライトな誘いを断るときに使いやすい言い回しです。
格式よりも柔らかさを優先したいシチュエーションに適しています。
例文:「今回の懇親会は見送らせていただきます。次回はぜひ参加させてください」
「欠席させていただきます」には理由と配慮をセットで
何かをやむを得ず「欠席」するシチュエーションは、社会人には避けて通れない場面です。
しかし、ただ「欠席します」とだけ伝えるのか、それとも“理由や配慮”を意識して伝えるのかによって相手の受け取る印象は大きく変わります。
欠席を伝えたあと、フォローを忘れないことも信頼関係を守るポイントにつながります。会議ならば議事録の確認、飲み会なら「次回はぜひ」と添えるなどの小さな気配りで“大人の余裕”を意識していきましょう◎。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



