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2025.10.02

意馬心猿は煩悩を表す仏教由来の言葉|使い方や類義語・対義語もチェック

意馬心猿とは、心が落ち着かず欲望や雑念に振り回される状態を表す仏教用語です。現代では、集中力の欠如や心の乱れをたとえる言葉として使われます。本記事では、意馬心猿の由来や使い方・例文を紹介するとともに、類義語・対義語を解説します。

意馬心猿とは?

意馬心猿は「いばしんえん」と読み、心の乱れや迷いを表す言葉です。仏教用語ですが、現代でも使える場面は少なくないでしょう。

ここでは、意馬心猿の意味や現代での使われ方を解説します。

仏教に由来する言葉

意馬心猿は仏教に由来する表現で、人の心の乱れをたとえた言葉です。暴れまわる馬や落ち着きなく騒ぎ立てる猿を制御することが難しいように、心が欲望や煩悩によって乱れるのを抑えるのは容易ではありません。

人は1つのことに集中しようとしても、次々と新しい考えや欲望に心を奪われてしまい、安定した状態を保つことが難しいもの。意馬心猿という言葉は、そうした移ろいやすく不安定な心の状態を端的に表現しているといえます。

いば‐しんえん〔‐シンヱン〕【意馬心猿】
仏語。馬が奔走し猿が騒ぎたてるのを止めがたいように、煩悩・妄念などが起こって心が乱れ、抑えがたいこと。

出典:小学館 デジタル大辞泉
思い悩んでいる人のイラスト
(c)AdobeStock

現代での使われ方

意馬心猿は、もともと仏教で心の乱れをたとえた言葉ですが、現代でも使える言葉です。

たとえば、勉強や仕事中に雑念やスマートフォンに気を取られて集中できない場面や、怒り・不安といった感情に振り回される状況で「心が意馬心猿のようだ」と表現できます。

またビジネスの場面では、心の安定の重要性を示す言葉として引用されることもあるようです。

意馬心猿の例文

意馬心猿は実際にどのように使うのか、例文をみて確認していきましょう。

・会議中に家庭の揉め事が気になってしまい、意馬心猿のごとく心が落ち着かず議論に集中できなかった
・新規プロジェクトのアイデアが次々と浮かんでくるのはよいが、意馬心猿のように方向が定まらず、結局は成果につながらないこともある
・大きな契約を前にして期待と不安が入り混じり、意馬心猿の状態で冷静な判断ができなくなってしまうのは避けたい
・ビジネスリーダーに求められるのは、部下の意馬心猿の心を落ち着かせ、目標に集中させるマネジメント力である
・情報が氾濫する現代社会では誰もが意馬心猿のように心を乱されがちだが、冷静さを保つことが正しい判断につながるだろう
・メールやチャットの通知に振り回され、意馬心猿の心境で集中できなかった
・複数のクライアント対応で意馬心猿になり、優先順位が曖昧になった
・市場の変化に敏感になりすぎて意馬心猿の心境になっていたが、データに基づく分析で冷静さを取り戻した

意馬心猿の類義語・言い換え表現

意馬心猿には、次のような類義語や言い換え表現が挙げられます。

・百八煩悩(ひゃくはちぼんのう)
・軽率短慮(けいそつたんりょ)

いずれも、落ち着きがないという意味で意馬心猿と似ています。

それぞれの言葉の意味や例文をみていきましょう。

カフェテーブルで考えている人のイラスト
(c)AdobeStock

百八煩悩

百八煩悩は、意馬心猿と同じく仏教由来の言葉です。人間の心身を悩まし迷わせる煩悩は数多いということを「百八」という数字で表しています。

日本では、大晦日の「除夜の鐘」を108回撞くのが恒例です。これには百八煩悩を1つずつ払い清め、新しい年を迎えるという意味が込められているとされます。

〈例文〉
・欲望や迷いに振り回されていると感じるとき、自分の中に百八煩悩が潜んでいることを実感する
・ビジネスの世界では利益や評価に心を奪われがちで、百八煩悩に負けない冷静な判断力が求められる

軽率短慮

軽率短慮とは、目先のことだけで行動し、結果や将来を十分に考えられない状態を表す言葉です。「軽率」とは、注意が足りず、よく考えずに軽々しく判断・行動すること。「短慮」は思慮が浅く、先を見通す力に欠けるという意味です。

この2つを合わせた「軽率短慮」は、浅はかな行動や後先を考えない判断を戒める意味で使われます。

〈例文〉
・上司の忠告を聞かずに行動したのは、軽率短慮だったと反省している
・経営判断においては、軽率短慮を避け、長期的な視点で考えることが必要だ

意馬心猿の対義語

意馬心猿には、次のような対義語が挙げられます。

・明鏡止水(めいきょうしすい)
・虚心坦懐(きょしんたんかい)

いずれも心が落ち着いている様子を表し、意馬心猿とは逆の意味合いを持ちます。

ここでは、意馬心猿の対義語について確認していきましょう。

読書
(c) Adobe Stock

明鏡止水

明鏡止水とは、心が澄み切って静かであり、何の迷いもなく落ち着いている状態を表す言葉です。「明鏡」とは澄んで曇りのない鏡のことで、「止水」とは波の立たない静かな水を指します。

この2つを合わせ、心が清らかで静かに保たれ、物事を冷静に見極められる心境を意味します。 禅の教えにも由来し、心を乱す煩悩や迷いを取り除き、平静な状態を理想とする考え方です。

〈例文〉
・会議では明鏡止水の心で、感情に流されず議論に臨むことが大切だ
・明鏡止水の心境で物事を見れば、複雑な問題も冷静に判断できる

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虚心坦懐

虚心坦懐とは、先入観や偏見を持たず、素直に物事を受け入れる態度を表す言葉です。「虚心」とは、心に何のこだわりもないということ。「坦懐」とは、心が穏やかで、少しのわだかまりもないことを指します。

これらを合わせて、心を開いて柔軟に物事を受け入れる状態を意味する言葉です。ビジネスの場では、固定観念にとらわれず冷静に判断したいときに用いられます。

〈例文〉
・新しいプロジェクトに臨むときは、虚心坦懐で他者の意見を聞くようにしている
・虚心坦懐の態度で自己評価を行えば、成長のための改善点が見えてくる

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意馬心猿の意味や由来を覚えよう

意馬心猿とは仏教に由来する言葉で、走り回る馬や騒ぎ立てる猿を抑えられないように、心が欲望や煩悩に引きずられて安定しない状態をたとえたものです。

人間の心は次々に浮かぶ思考や欲望に翻弄されやすく、冷静な判断や集中を妨げることがあります。現代においても、ビジネスや日常生活で複数の情報や課題に追われると、意馬心猿のように心が落ち着かず、優先順位の判断が難しくなる場面が少なくありません。

意馬心猿と似た意味の言葉には「百八煩悩」や「軽率短慮」があり、対義語には「明鏡止水」や「虚心坦懐」があげられます。一緒に覚えておけば、言葉の理解もより深まるでしょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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