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2023.08.20

泣きっ面に蜂の意味や類語を解説! 似たことわざには何がある?

「泣きっ面に蜂」とは、災難が立て続けに降りかかること。悲しいことや辛いことがあって泣いているところを蜂に刺されるという状況から、このような意味で使われるようになりました。本記事では、「泣きっ面に蜂」の意味や類語、使い方や対義語まで解説していきます。

「泣きっ面に蜂」の意味や由来とは?

不幸が連続した時などに使われる「泣きっ面に蜂」は「なきっつらにはち」と読みます。元々は「泣き面に蜂」でしたが、話し言葉では「泣きっ面に蜂」と「っ」を入れる形が広まり、今ではどちらの表現も見られるようになりました。まずは泣きっ面に蜂の意味と由来を確認していきましょう。

泣きっ面に蜂
(c)Adobe Stock

「泣きっ面に蜂」とは、泣いた顔をさらに蜂に刺されることから、不運や不幸が重なることを言います。辛いことや悲しいことがあった後、立て続けに不幸が起こった時に使うことわざですね。悪いことが終わって、安堵しているところに不幸がやってくるという状況を表すこともできます。

江戸時代からすでに「泣きっ面を蜂が刺す」や「泣く面を蜂が刺す」という表現が使われており、「江戸いろはかるた」では「な」の札に「泣く面を蜂が刺す」が採用されていました。しかし、明治後期あたりからは「泣きっ面に蜂」が優勢となり、広まっていったとされています。

使い方を例文でチェック!

「泣きっ面に蜂」は、日常生活でも使いやすいことわざです。さっそく例文で使い方を確認していきましょう。

泣きっ面に蜂
(c)Adobe Stock

1:大雨でずぶ濡れになった上に、転んでスマホの画面を割ってしまうなんて泣きっ面に蜂だ。

今から帰ろうという時に急な大雨が降ると、なんだかテンションが下がりますよね。傘も持っておらず、濡れながら走っていたらスマホを落として画面が割れてしまったという不幸が重なった状況を表しています。雨の時は足元が悪く、怪我をしやすいので皆さんも気をつけてくださいね。

2:体調を崩して定期試験が受けられず、部活の大会にも出られなかった。まさに泣きっ面に蜂だ。

体調管理はとても大切です。体が健康でなければ、学業や仕事にも集中できませんよね。心の余裕は、体調によって左右されることも多いもの。体調を崩して「泣きっ面に蜂」の状態にならないよう、日頃から生活リズムを整えておきましょう。

3:風邪が治ったと思ったら、姉のインフルエンザがうつってまた寝込むことになり、泣きっ面に蜂という状況だった。

泣きっ面に蜂は、「一度悪いことが終わってからまた何か不幸が起きる」という意味でも使います。風邪が治って元気になったのにも関わらず、また寝込むことになってしまったという状況は、まさに泣きっ面に蜂だと言えるでしょう。

似たことわざや類語には何がある?

「泣きっ面に蜂」の類語表現には以下のようなものがあります。こちらも合わせて覚えておくと良いでしょう。

泣きっ面に蜂
(c)Adobe Stock

1:弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)

意味は「泣きっ面に蜂」と同じで、困っている状況でさらに追い打ちをかけるように不幸が重なること。「弱り目」は弱っている状態を、「祟り目」は災いに遭うことを意味していて、2つの語呂を合わせたものが「弱り目に祟り目」となります。

困難が重なると、そうでなくとも何かに祟られているように感じてしまいますよね。「落ち目に祟り目(おちめにたたりめ)」ということわざがありますが、これも同じ意味で使うことができるでしょう。

2:傷口に塩(きずぐちにしお)

痛んでいる傷口に塩を塗ると、さらに痛みが増しますよね。つまり、辛かったり困っている状況の上に、さらなる災難が降りかかるという意味です。「切り目の塩」や「傷口に塩を塗る」と言ったりもします。

3:踏んだり蹴ったり(ふんだりけったり)

こちらはよく見聞きする表現なのではないでしょうか? ひどい目に遭った上にさらに痛めつけられること、また何度も辛い目に合わせられることを意味します。他にも「踏んだり蹴ったり」は、取引相場で売買どちらも思惑が外れて損をした時に使うこともありますよ。

4:一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

意味は、1つの災難が過ぎ去って、ほっとするまもなくまた別の災難が降りかかってくること。災難が次々と襲いかかってくるというニュアンスも含みます。仕事や人間関係でトラブルが続いた時などに使うことが多いでしょう。

泣きっ面に蜂の対義語は?

次は対義語を紹介していきます。「泣きっ面に蜂」の対義語には、「盆と正月が一緒に来たよう」「鴨が葱を背負ってくる」「棚から牡丹餅」などが挙げられるでしょう。それぞれのことわざについて見ていきます。

1:盆と正月が一緒に来たよう(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)

嬉しい出来事が重なることを意味します。お盆とお正月は日本の二大年中行事とも言えるでしょう。普段は離れて暮らしている家族や親戚と、久しぶりにゆっくり会える時期であることから、めでたいことの比喩表現として使われることがあります。

2:鴨が葱を背負ってくる(かもがねぎをしょってくる)

意味は、良いことが重なって好都合であること。鴨肉と葱は相性が良く、鴨鍋の具材として一緒に用意されることが多いです。鴨が自分で具材の葱を持ってくるという好都合な状況を喩えて、嬉しいことが重なるという意味を表しています。

3:棚から牡丹餅(たなからぼたもち)

自ら努力せずに、思いがけない幸運を得ることを「棚から牡丹餅」と言います。「たなぼた」と略して使われることも多く、このことわざを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? 反対に、努力しなければ何の利益も得られないという意味で「棚から牡丹餅は落ちてこない」ということわざもあります。

最後に

「泣きっ面に蜂」について解説しました。一度困難なことに直面して気分が落ち込んでしまうと、次に起こったささいな不運ですら大きな障害に思えてしまうことがあります。そんな時は、一度冷静になって気持ちを落ち着かせてみましょう。気持ちを切り替えてから臨むことで、大きな困難だと思っていたことも案外ちっぽけなことに思えるかもしれません。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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