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2024.08.29

雉も鳴かずば打たれまいって? ことわざの意味・鳥に関連したその他の表現を解説

雉も鳴かずば打たれまいということわざは、余計なことをしなければ、災いにも巻き込まれないという意味の言葉です。この記事では「雉も鳴かずば打たれまい」ということわざの意味や、鳥に関連した他のことわざについても解説します。

「雉も鳴かずば打たれまい」の意味は?

「雉も鳴かずば打たれまい」ということわざは、雉(キジ)という鳥でも、鳴かずに大人しくしていれば、猟師にうたれることもないという意味です。「鳴かなければ打たれない」とは、どういうことなのでしょう。

本章では、ことわざ「雉も鳴かずば打たれまい」について、言葉の意味やそもそも雉とはどのような鳥なのかを解説します。

ことわざの意味

「雉(キジ)も鳴(な)かずば打(う)たれまい」とは、雉は鳴かずにいれば、猟師にうたれることはないという意味です。ここで言われる「鳴く」というのは、人の余計なひと言を指しています。

余計なことを言わなければ打たれない、つまり「災い」や「面倒ごと」に巻き込まれないという教訓が込められてることわざです。なお辞書に記載されている「雉も鳴かずば打たれまい」の解説文は以下の通り。

よけいなことを言わなければ、災いを招かないですむことのたとえ。

引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より

雉(キジ)ってどんな鳥?

雉(キジ)という鳥をご存じでしょうか。日本昔ばなしに登場する『ももたろう』でおなじみの鳥ですが、日常で目にする機会は少ないかもしれません。

雉とは、キジ目キジ科に分類される鳥であり、全長はオスが80〜100cm、メスが50〜60cmほど。非常に長い尾が特徴です。目の周りは赤、首元は青、翼は茶色くボディは鮮やかな緑色と、カラフルな見た目をしています。

雉のイラスト
(c)AdobeStock

「鳥」に関連したことわざ

日本のことわざには数多くの「動物」が登場し、哺乳類だけでなく鳥類も頻繁に用いられています。本章では、鳥に関連したことわざとして「怠け者の足から鳥が起つ」「飛ぶ鳥跡を濁さず」「鳩を憎み豆を作らぬ」「夜の鶴」「鳶も居ずまいから鷹に見える」「鶴は千年亀は万年」の6つを紹介。「雉も鳴かずば打たれまい」とあわせて押さえましょう。

怠け者の足から鳥が起つ

「怠け者の足から鳥が起つ」とは、普段は怠けている人に限って、事が起こると慌てふためくという意味で用いられる言葉です。急にバタバタと慌てて、足元から鳥が飛び立つ様子が想像できることわざといえるでしょう。

飛ぶ鳥跡を濁さず

「飛ぶ鳥跡を濁さず」とは「立つ鳥跡を濁さず」とも表現される言葉です。その場から立ち去る人は、立ち去った後が見苦しくないようにすべきという意味で用いられます。また引き際が潔い人を表すこともあります。

鳩を憎み豆を作らぬ

「鳩を憎み豆を作らぬ」とは、育てた豆を鳩が食べてしまうことを嫌うあまり、豆自体を作らなくなってしまう様を表した言葉です。些細なことにこだわって、本質的に重要なことを行わないという意味をもつことわざです。結果として、自分や世間に損害を与えるという意味も含まれています。

海と鳥
(c)AdobeStock

夜の鶴

「夜の鶴」とは文字通り「夜に鳴く鶴」のことです。正確には「焼け野の雉夜の鶴(やけののきぎすよるのつる)」と表現される言葉であり、子供を思う、親の愛情の深さをたとえた言葉です。前半は住処である野原を焼かれた雉が、自らの危険を顧みずに子供を救おうとする様子を表しています。そして後半部分(夜の鶴)は、寒い夜に鶴が自らの羽で子供を温める様子を表した言葉です。

鳶も居ずまいから鷹に見える

「鳶も居ずまいから鷹に見える」とは、たとえいやしい者でも、立ち居振る舞い次第では上品に見えるという意味で使われる言葉です。

いやしい者とは、身分や社会的地位の低い人、貧しい人のことです。立ち居振る舞いに気をつけることは、身分や社会的地位とは関係ありません。誰にでもできることなので、実践したいところですね。

鶴は千年亀は万年

「鶴は千年亀は万年」は、鳥を使ったことわざのなかでも、比較的身近な表現かもしれません。長寿であることを表した言葉です。

「鶴は千年亀は万年」は、単に長生きである状態だけでなく、それを祝福する意味も込められています。鶴も亀も、日本では縁起のよい動物という印象がありますよね。これはどちらも長寿であることに由来しているのかもしれません。

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余計な行動が災いを生む戒めは?

「雉も鳴かずば打たれまい」の意味を要約すると、余計な行動が災いを呼ぶというものです。同じように、余計な行動が自らに災いをもたらす「戒め」を表現した言葉はいくつかあります。

本章では「触らぬ神に祟りなし」「藪を突いて蛇を出す」「君子危うきに近寄らず」といった3つのことわざについて解説します。

目を手で覆っている人のイラスト
(c)AdobeStock

触らぬ神に祟りなし

「触らぬ神に祟りなし」とは、神に触ってしまうと祟られる、反対にいえば触らなければ祟られないことをたとえたことわざです。

ここで言われる神とは「厄介なこと」「面倒なこと」の例として使われています。これらへ無闇に手を出すことで、自分に災いを招く可能性があります。

つまり面倒なことには手出ししない方が身のためだという意味が込められた言葉です。

薮を突いて蛇を出す

「藪を突いて蛇を出す」もまた、余計な行動によって災いをもたらす様子を表した言葉です。余計な行動とは「藪を突く行為」であり、災いとは「蛇が出る」ことです。

君子危うきに近寄らず

「君子危うきに近寄らず」とは、自分の身を守れるのは自分の行動であるという、意味が込められたことわざです。

君子とは「地位が高い(偉い)人・賢い人」のことです。賢明な判断ができる人は、危険を感じた場所には近寄りません。つまり危険な場所を察知して、自らの行動によって避けていることをたとえています。

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「雉も鳴かずば打たれまい」を正確に使おう

「雉も鳴かずば打たれまい」とは、見た目が派手な雉であっても、鳴き声をあげなければうたれることはないという意味のことわざです。鳴き声は「余計な行動」を表しており、これを避けることで災いを回避できる、つまり自らの行動が身を助けるという意味で用いられます。

本記事では「雉も鳴かずば打たれまい」の他にも、さまざまなことわざを解説しました。あわせて覚えておきましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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