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「見送らせていただきます」の意味や使い方は?
「見送らせていただきます」という言葉は、ビジネス、プライベート問わずよく耳にしたり、使ったりしますよね。しかし、意味の把握が曖昧なまま使っていませんか? 本記事では、様々なシーンでの使い方や、正しい意味について紐解きます。
意味
「見送らせていただきます」には、「見送る」と「させていただく」というふたつの言葉が使われています。「見送る」の意味は、この場合「差し控える」、「ことを進めるのは不利だと考え、そのままにしておく」の主にふたつ。「させていただく」は、相手に対して遠慮しながら依頼する時の言葉です。
したがって、「見送らせていただきます」は、「差し控える」ことを、相手を敬いながら伝える言葉になります。
ビジネスでの使い方
「見送らせていただきます」をビジネスで使う場合、主に目上の人物や他社からの依頼や提案に対して、お断りをする時に使うことが多い言葉です。
ビジネスで使う時の注意点
業務進行の上で「見送らせていただきます」を使用するのは先述した通り、お断りするときです。したがって、端的に「見送らせていただきます」と言ってしまうと、冷たい感じがしますし、相手の気分を害しかねません。
取引先や関係者は、あなたに依頼や提案をするにあたって、時間を要していることを忘れないようにしましょう。そのことに敬意を払い、「見送らせていただく」理由については、誠意を持って伝えるのがベターです。
今後の関係も考慮するなら、「今回は見送らせていただきますが、別の機会では是非ご一緒できるよう期待しております」など、未来を見据えた言葉を添えた返事をすることをお勧めします。
「見送らせていただきます」のメール例文
「見送らせていただきます」の具体的な使い方や例文を、場面ごとに見ていきましょう。
「本件につきましては、見送らせていただきます。大変恐縮ではございますが、何卒ご了承くださいませ」
上記は、ビジネス上のメールで「見送らせていただきます」を使う場合の例文です。「見送らせていただきます」だけで終わりにせず、「申し訳ない」と詫びる気持ちを続けています。
先述したようにこの例文だけで終わりにせず、具体的な理由も説明しましょう。その方が相手も腑に落ちますし、次の企画や提案にも繋がるのではないでしょうか? 円満な関係を維持するためにも大切なことです。
「お客様との条件が合わなかった為、大変申し訳ないのですが今回のお取引は見送らせていただきます」
メルカリなどのフリマアプリサービスで「見送らせていただきます」を使う場合の例文になります。顔も人柄も知らない相手とのやり取りを行うフリマアプリサービスなどでは、文章でのやり取りをメインに取引・交渉が行われますよね。
当然、お互いの条件が合わなかった場合などは、交渉不成立となります。そのような時に、例文のような文言が便利です。「申し訳ないのですが」と一言付け加えて、相手への配慮の気持ちを表しましょう。
「誠に残念ではございますが、今回の採用は見送らせていただきます」
面接で「見送らせていただきます」を使う場合の例文です。冒頭で「誠に残念ではございますが」といい、受け取る相手の気持ちを慮っています。
「見送らせていただきます」の類語や言い換え表現は、どのようなものがある?
続いて、類語や言い換え表現を紹介します。断るときは、心苦しさもあるものです。ボキャブラリーが多いと、いざという時安心です。
遠慮させていただきます
「遠慮」とは、辞するという意味。「見送らせていただきます」と同じように「させていただきます」を加えて、丁寧に伝えています。目上の方などからお誘いを受けたけれど、お断りする場合に使います。
辞退します
「辞退」とは、勧めに対して遠慮して断ることです。「そのお役目については辞退します」というように、特に地位や権利に対して断るときに使うことが多いでしょう。
またの機会とさせていただきます
こちらは、次があることのニュアンスを持たせながら、お断りするときに使う言葉です。角を立てずに伝えられますが、「次の機会」はないのに発言したとしたら、相手をぬか喜びさせる分、不誠実ではないでしょうか。
できるならば、「次の機会」があるときに、使うようにしましょう。
「見送らせていただきます」の英語表現とは?
英語で「見送らせていただきます」と伝えたいときはどうしたらいいのでしょうか? 日本語と違って、英語には敬語表現はありません。したがって、「断る」という意味で考えると「decline」が使えます。
「decline」は丁寧に断るときに使う動詞です。「He delined the offer with thanks」(彼は申し訳ないと言いながら、その申し出を断った)というように使います。
ちなみに、断るという英単語を考えたとき、「refuse」を思い出した方もいらっしゃるかもしれません。「refuse」は「拒絶する」という強い意味を持っているので、丁重に断りたい場合には使わない方がいいでしょう。
最後に
最近では、フリマアプリのサービスの普及もあり、「見送らせていただきます」という言葉をビジネスシーン以外でも使う方もいらっしゃるのではないでしょうか。主にお断りするときに使う言葉であるだけに、伝えられた相手を気落ちさせてしまうことも。
そのことに配慮した言葉や、断る理由を誠意を持って説明することで、相手の受け止め方は大きく変わります。円滑な関係を続けたいのであれば、相手への気遣いも忘れずに付け加えてくださいね。
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