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「隅に置けない」という言葉には、やわらかい響きの中に、ちょっとした敬意や驚きが込められているようです。恋愛の場面でも仕事の場面でも、相手を一目置くようなときにふと口にすることがあるかもしれません。
この記事を通して、「隅に置けない」の意味や使い方をあらためて見直してみましょう。
「隅に置けない」とは? 意味を確認
会社の同僚などから「隅に置けないね」と言われたとき、その言葉に込められたニュアンスが気になることがあるかもしれませんね。この表現は、褒め言葉にもなり得る一方で、状況によって受け止め方が少し変わることもあります。まずは、意味から確認していきましょう。
「隅に置けない」の意味とは?
まずは辞書で意味を確認します。
隅(すみ)に置(お)け◦ない
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
その人が意外に経験豊かであったり、才能・知識などがあったりして、あなどれない。
「隅に置けない」は、「侮れない」「意外とやる」といったニュアンスを含んでいます。外見や第一印象からは読み取れなかった意外な一面に、驚きや評価が加わるような場面で使われることが多いようです。

「隅に置けない人」とはどんな人物?
何気ない雰囲気の中で、意外に知識があったり、実力を発揮したりする人に対して使われることが多いでしょう。人前に出るタイプでなくても、ふとしたときに「実はすごい!」と思わせる力のある人を指す言葉です。
恋愛トークで使うときの「隅に置けない」ってどういうこと?
恋愛をテーマにした会話の中で「隅に置けないね」と言われたら、少しドキッとするかもしれません。褒め言葉なのか、からかいなのか、その真意を知っておきたいところです。
恋愛における「隅に置けない」の意味
恋愛の場面では、「なかなかやる」「意外と抜け目がない」といったニュアンスで使われることが多いでしょう。例えば、一見控えめな人が実は人気者と交際していたときや、さりげない言動で相手の心をつかむような人に対して使われることがあります。
驚きとともに、相手を認めるような気持ちが込められることが多いようです。
「隅に置けない女」「隅に置けない男」はどう見られている?
「隅に置けない」と評される人は、自己主張が強すぎないのに、どこか印象に残る存在として映るようです。
例えば、話の引き出しが多かったり、気配り上手だったりすることで、さりげなく好印象を与えるようなタイプです。恋愛においても、派手さではなく自然体で魅力を発揮していることが、そう形容される理由の一つかもしれません。

「隅に置けない」を使った具体的な例文と解説を紹介
意味を知っていても、実際にどう使えばいいのか迷うことってありますよね。具体的な例文を紹介しますので、場面に応じた表現の感覚をつかんでみてください。
「彼女って、本当に隅に置けないよね」
この一言には、意外性のある魅力への驚きが込められていることが多いでしょう。決して派手なわけではないけれど、目を引く何かを持っていることが伝えられます。
「隅に置けない存在だって、実はみんなが気づいている」
この表現では、すでにその人の価値がまわりに伝わっている様子が感じられます。控えめながらも存在感のある人に対して、そっと敬意を示す言い回しです。
「隅に置けない」の類語や言い換え表現は?
「隅に置けない」という表現は、少し独特な響きを持っています。類語を知っていれば、状況に合わせて、わかりやすく置き換えられますよ。

侮れない(あなどれない)
「侮れない」は、「軽く見てはいけない」という意味です。何気ない言動や存在の中に、実力や魅力が潜んでいると感じたときに使われることがあります。ただし、少し堅めの印象を与えることもあるため、文脈に応じてトーンを調整するといいでしょう。
見どころがある
「見どころがある」は、今後を期待できる優れた点や将来性があるといった意味で使われます。見込みがあると感じたときに、前向きな評価として用いられることが多いでしょう。
英語ではどう表現する?
「隅に置けない」という表現は、日本語ならではの含みやニュアンスを持っています。そのままぴったり訳すのは難しいかもしれませんが、近い表現を紹介しましょう。
“know a thing or two”
この表現は、何かについて経験や知識があることをやや控えめに、そして好意的に伝えるときに使われます。相手を見くびることができない印象を含む点で、「隅に置けない」と似たニュアンスがあるといえるでしょう。
例文:She knows a thing or two about how to turn heads without trying too hard.
(さりげなく人の目を引くなんて、あの人も隅に置けない。)
最後に
「隅に置けない」という表現には、やさしい敬意と、思わず笑顔になるような驚きがこめられているように思われます。人の魅力を控えめに伝えるこの言葉は、時に相手との距離をやわらかく縮めるきっかけにもなるかもしれません。ちょっとした場面で使ってみると、新しい発見があるかもしれませんよ。
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