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「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という表現は、現代でもたびたび引用されることがあります。この言葉を正しく理解することで、表現力を豊かにすることができるかもしれません。この記事では、意味や成り立ち、使い方を紹介していきます。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」とは? 読み方と意味をわかりやすく解説
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の意味と語源を知ることで、より深い理解が得られるでしょう。

意味と読み方
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」は「えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや」と読みます。辞書で言葉の定義を確認しましょう。
燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志(こころざし)を知(し)らんや
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「史記」陳渉世家から》ツバメやスズメのような小さな鳥には、オオトリやコウノトリのような大きな鳥の志すところは理解できない。小人物には大人物の考えや志がわからない、というたとえ。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」は「小人物には大人物の大志を理解することができない」というたとえとして使われます。
語源と成り立ち
ツバメやスズメのような小さな鳥には、オオトリやコウノトリのような大きな鳥の志はわからないという『史記‐陳渉世家』の語句に由来するものです。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の具体的な例文と使い方
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という言葉は、志を持つ人が周囲に理解されずにいる状況や、他者が理解できない大きな目標を持つことを表現する際に使われます。日常生活やビジネスシーンでも、自分の信念を貫く姿勢を示す表現として活用できますよ。
周囲の反対を受けても、彼は「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」とばかりに自分の目標を貫いた。
この例文は、大きな目標を持つ人物が、他者からの理解を得られず反対されても、信念を曲げずに前進し続ける様子を表現しています。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という言葉を用いることで、周囲の意見に惑わされず、志を持ち続ける強い意志が感じられますね。ビジネスや自己実現を目指す人の姿勢を表現するのに適しています。

新しい挑戦を笑われても、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という言葉を信じ、自分を奮い立たせた。
この例文は、何か新しいことに挑戦しようとする人物が、周囲から理解されず軽んじられる状況を描写しています。「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という言葉が、自分の信念を支える力として機能していることを示していますよ。
何かを成し遂げるために、他人の評価に左右されず、自分を奮い立たせる姿勢を表現していますよ。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の類語や言い換え表現は?
この表現と似た意味を持つ言葉もいくつか存在します。状況に応じて使い分けることで、表現の幅を広げることができるでしょう。志を持つ人が、小さな視点にとらわれずに自分の目標を貫く姿を強調したいときに有効です。

猫は虎の心を知らず
「猫のような小さい動物には、虎のような大きい動物の心は理解できない」という意味です。「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」と同じく小人物には大人物の考えることは分からないというたとえとして使われます。
薫蕕器を同じゅうせず(くんゆううつわをおなじゅうせず)
高潔な人とつまらない人は、相容れないという意味を持つ表現です。香りのよい草(薫)と悪臭を放つ草(蕕)は同じ器に入れられないという比喩で、品格や考え方が異なる者同士は理解し合えないことを示しています。
最後に
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という表現は、志を持つ人にとって勇気を与える言葉でもあります。日常生活においても、この言葉を知っていることで自分の意志を見直したり、他者の考えを尊重したりするきっかけになるかもしれませんね。
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