籠手(こて)とは
籠手には、次のような意味があります。
- 弓を射るときに使用する防具
- 鎧の付属具
- 剣道で使用する防具
- 剣道の技
それぞれの意味を見ていきましょう。
意味1. 弓を射るときに使用する防具
弓を射るとき、左の肘を保護するためにかける革製の覆いを「籠手」と呼びます。弓の際に使うため「弓籠手(ゆごて)」、また、手に纏(まと)う覆いと記載して「手纏(たまき)」と呼ぶこともあります。
意味2. 鎧の付属具
鎧(よろい)の付属具の一つで、肩先から腕を覆うものを「籠手」と呼びます。袋状の布地に鉄金具や鎖を縫いこみ、攻撃から腕を守る強度を確保します。
鎧は本来、胴から大腿部を被護する防具です。そのまま着用すると腕や脚部などがむき出しとなってしまうため、腕を守る籠手や頭部を守る兜(かぶと)などの付属具を組み合わせ、防御力を高めます。
意味3. 剣道で使用する防具
剣道の防具の一つで、指先から肘のあたりまでを覆うものも「籠手」と呼びます。「小手」や「甲手」と表記することもあります。
籠手は、ある程度の厚みがなければ手の甲や腕を保護できませんが、あまりにも厚いと竹刀を握りにくくなってしまうため注意が必要です。防御力と握りやすさを両立するためにも、手にはめたときのフィット感や手首部分のゆとりなどを細かくチェックして選ぶのがよいといわれています。
意味4. 剣道の技
剣道で、相手の手首のあたりを打つ技を「籠手(小手)」と呼びます。また、技を決めることを「籠手(小手)を取る」と表現します。

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籠手の種類
剣道で使われる防具としての籠手は、手首から肘を覆う手袋状のもの。一方、弓道で使われる防具としての籠手は、肩から手首を覆う着る形状のものです。おもな種類と特徴を紹介します。
弓籠手(ゆごて)・手纏き(たまき)・射籠手(いごて)
弓を引く際に使用する、肩から手首を覆う布を「弓籠手(ゆごて)」と呼びます。「手纏き(たまき)」や「射籠手(いごて)」とも呼ばれます。防御性のある革製のものを使用することもありますが、競技として弓を引くときはポリエステルやシルクなどの軽量の布を使用することも多いようです。
中世の騎射戦では、弓を射る武士は左手のみに籠手(片籠手)をつけ、馬に乗らない兵士たちは両袖のある籠手(諸籠手)を着用したといわれています。しかし、戦闘が熾烈になり、馬上の武士も太刀で襲われる恐れが生じると、弓を射る兵士も両袖のある諸籠手を着用するようになったのだとか。
弓籠手はL字を回転させたような形状で、脇腹に触れる部分に付属する紐を用い、胴回りから離れないように固定して使用します。また、袖口にあたる部分にも輪状の紐がついており、指にひっかけて固定します。
籠手と類似する腕・手を守る防具
手首や腕を守る防具は、籠手だけではありません。さまざまな場所や場面で腕・手を守る防具を紹介します。

ガントレット
ガントレット(英語:gauntlet)とは、甲冑の籠手や長手袋のこと。西洋式の鎧につける腕・手の覆いはガントレット、日本式の鎧につける腕・手の覆いは籠手と呼び分ける傾向にあるようです。
「gauntlet」という英単語には、籠手や長手袋以外にも「試練」や「困難な状況」といった意味もあります。これは軍隊の刑罰から派生した意味のようです。
手甲(てこう、てっこう)
手甲(てこう、てっこう)は、紺色の布や革でつくられた、手の甲や手首を覆うもののことです。「手っ甲」と表記されることもあります。かつては屋外労働や旅行の際に装着したり、武具として用いられたりしていたそう。
また、仏式の死装束にも手甲は用いられることもあるのだとか。伝統的とされる死装束は西方浄土へと旅をする修行僧になぞらえて経帷子を身につけ、脚は脚絆と白足袋、手は手甲で覆うことが多いようです。
アームガード・エルボーガード・リストガード
手首や腕を損傷するリスクのあるスポーツでは、籠手のような防具を装着することがあります。たとえば、野球では肘回りを覆うアームガードやエルボーガード、手首を覆うリストガードなど。おもに打者が装着するもので、ボールが当たったときの衝撃を緩和し、怪我を防ぐ目的で使用されることが一般的です。
また、アーチェリーでは行射の際にストリングが腕に当たることがあります。腕が傷つくこともあるため、アームガードを巻いて防御することも多い傾向がみられます。初心者は腕よりも大きめのサイズを選んで防御範囲を広くしますが、慣れてきたらストリングが腕に当たることが減るため、小さめのサイズに変更する方もいるようです。
スポーツ用アームカバー
野球やアーチェリーのように腕を損傷するリスクがないスポーツをするときでも、腕や手首を覆うアームカバーを装着することがあります。目的は個人によって異なりますが、紫外線対策や暑さ・寒さ対策、筋肉のブレを抑えるなどの効果が期待できるといえるでしょう。
防具の名前を覚えよう
スポーツは楽しい半面、怪我のリスクもあります。適切な防具を装着し、体を守るようにしましょう。また、競技によって防具が異なるため、名称を確認しておくことも大切です。競技に合った防具を正しく身につけてから、スポーツを楽しみましょう。
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