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2024.08.23

「勝って兜の緒を締めよ」の正しい意味とは? 由来や使い方をわかりやすく解説

「勝って兜の緒を締めよ」は、戦国時代に北条氏綱が遺したとされる言葉で「戦いに勝ったからといって、油断してはいけない」という意味が込められています。本記事では、「勝って兜の緒を締めよ」の正しい意味を紹介。言い換え表現も含め、ビジネスシーンでの使い方なども参考にしてください。

「勝って兜の緒を締めよ」の意味や由来

「勝って兜の緒を締めよ」は、歴史上の人物・北条氏綱(ほうじょう うじつな)にまつわるとされる格言です。耳慣れない表現かもしれませんが、日常生活やビジネスシーンでも活用できます。

語句への理解を深めるため、まずは「勝って兜の緒を締めよ」の正しい意味について紹介します。北条氏綱の人物背景も含め、言葉の由来について確認しましょう。

「勝って兜の緒を締めよ」の正しい意味

「勝って兜の緒を締めよ」は、戦いに勝っても油断してはいけないという意味が込められた言葉です。また現れるかもしれない敵に備え、兜の緒をきちんと締めておくようにという忠告にあたります。

現代では「成功したからといって気を抜いてはいけない」という意味で用いられるのが一般的です。物事が順調に進んでいるときこそ気を引き締めるべき、というひとつの教訓といえるでしょう。

勝かって兜かぶとの緒おを締しめよ
敵に勝っても油断しないで、心を引き締めよ、というたとえ。

出典:小学館 デジタル大辞泉

「勝って兜の緒を締めよ」は北条氏綱の遺言とされる

「勝って兜の緒を締めよ」は、戦国時代を生き抜いた北条氏綱の遺言が由来とされています。氏綱はどのような人物で、「勝って兜の緒を締めよ」という言葉はどのような形で遺されたのでしょうか。歴史を振り返りながら、その背景を簡単に見ていきましょう。

武将のイメージイラスト
(c)AdobeStock

北条氏綱とは

北条氏綱は、戦国時代に小田原城を本拠に関東を支配した、北条家2代目にあたる人物です。初代・早雲没後に小田原城に入り、北条家の基盤を整備しました。

また、領国を現在の東京から埼玉、千葉の一部にまで広げるなど北条の地位を確立した当主でもあります。氏綱亡きあと、その精神は息子である氏康(うじやす)に受け継がれ、北条家は5代目の氏直(うじなお)まで続きました。

「五か条の訓戒」とは

「五か条の訓戒」は、病にかかった氏綱が息子・氏康に家督を継がせる際に遺したとされる言葉です。関東一の戦国大名にまで上りつめ、鎌倉鶴岡八幡宮の造営を行なった後のことでした。主に、以下5つを中心に訓戒が記されています。

一、義を重んじること
一、家臣や領民を慈しむこと
一、驕らず(おごらず)、へつらわず、己の分限を守ること
一、無駄を省き節約を重んじること
一、勝ちが続いても驕らないこと、勝って兜の緒を締めよ

いずれも氏綱の家を守る心や、領国統治に対する考え方などが反映された言葉です。「勝って兜の緒を締めよ」は、5番目の「勝ちが続いても驕らないこと」に関係しています。厳しい戦国時代を生き抜き、北条家の基盤を築いた氏綱ならではの言葉といえるでしょう。

大将だけでなく領民までを慈しみ、勝っても決して驕らず新たな戦に備えるというその精神は、その後の北条家の躍進に大きく影響したと考えられています。

「勝って兜の緒を締めよ」の使い方

戦国時代から受け継がれてきた「勝って兜の緒を締めよ」は、以下のように現代の生活やビジネスでも活用できます。

大事な契約や勝負事など調子のよいときこそ「勝って兜の緒を締めよ」の精神が重要だといえるでしょう。

・ようやく先方との契約に至ったがまだまだ気を抜けない。今こそ「勝って兜の緒を締めよ」の精神で臨みたい
・素晴らしい試合内容だったが、あくまで初戦を勝ち進んだに過ぎない。「勝って兜の緒を締めよ」という気持ちで明日からの練習に励もう

「勝って兜の緒を締める」の言い換え表現

自分自身で「勝って兜の緒を締める」ことは、以下のような言葉でも表現されます。

・褌を締めてかかる
・ネジを巻き直す

「勝って兜の緒を締める」が堅苦しく感じるときや、シーンに合っていないと思われるときは言葉の使い分けが必要になることも。それぞれの正しい意味を知り、表現の幅を広げていきましょう。

剣道
(c)AdobeStock

褌を締めてかかる

「褌を締めてかかる」とは、緊張感をもって物事に取り組むことです。「褌」は「ふんどし」と読み、男性の下半身をおおう布や、女性の腰巻を意味します。また、相撲で力士が付ける化粧回しを指す言葉です。

それらが緩んでいては、思い切って物事に取り組むことはできません。兜の緒を締めて再び緊張感を取り戻すのと同じように、褌を締め直すことで気持ちを新たにするさまを表しています。

また、会話のなかでは以下のように「褌を締めてかかる」と用いられることもあります。

・プロジェクトがひと段落したことに安堵せず、褌を締めてかかるつもりで引き続き取り組みたい
・支店オープンに向け、褌を締めてかからねばならない

ネジを巻き直す

「ネジを巻き直す」は「褌を締めてかかる」と同様、気持ちを新たにすることを意味します。

そもそも「ネジを巻く」とは、だらしない態度や行動を叱ったり、励ましたりすることです。反対に、だらしない様子は「ネジが緩む」と表現されます。

他者から巻かれるのではなく、自分自身でネジを巻き直すことは、自らを律し緊張感をもつことへとつながります。物事の区切りや自分の気が緩んでいるときなどは、以下のように使用しましょう。

・入社から半年たち仕事に慣れてきたのを実感する毎日だ。今後も気を緩めることなく、ネジを巻き直して仕事に取り組みたいと思う
・彼の最近の態度を見ていると、ネジを巻き直す必要を感じるよ
・他者から指摘される前に、自らネジを巻き直す意識をもってもらいたい

ガッツポーズ
(c) Adobe Stock

「勝って兜の緒を締めよ」をビジネスで正しく使おう

「勝って兜の緒を締めよ」は、戦国武将・北条氏綱の遺言に由来する言葉です。物事が順調に進んでいるときこそ、兜の緒をギュッと締め直し心づもりを新たにするようにという意味が込められています。

氏綱が遺した教訓は、現代社会にも通ずるものです。とくに、ビジネスの重要なシーンや勝負事では、勢いに乗っているときこそ調子に乗らず気を引き締める必要があります。

また「勝って兜の緒を締めよ」には、「褌を締めてかかる」のように似た表現があります。それぞれの意味を理解しながら、その場に適した語句を正しく活用できるとよいでしょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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