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2024.10.17

我武者羅(がむしゃら)とは後先を考えないで強引に事をなすこと|意味を例文で紹介

我武者羅(がむしゃら)とはどのような場面で使うのか、具体的な例文を通して紹介。また、類似する意味を持つ言葉についても解説します。

我武者羅の意味とは?

我武者羅(がむしゃら)とは、後先を考えないで強引に何かをすることや、その様子を指します。漢字で書くこともありますが、平仮名で表記することも少なくありません。

・彼女は何ごとにも我武者羅に取り組んでいるだけのように見える。失敗しようと、かえって状態が悪くなろうと、おかまいなしだ

・友人は我武者羅に働き、異例の若さで出世した

我武者羅と一文字違いの言葉に、我武者(がむしゃ)があります。我武者とは、見境がなく乱暴なことや向こう見ずなこと、また、そのような人や様子を指す言葉です。

・彼は我武者で、付き合いにくい

・甥っ子は幼いときには我武者だったが、いつの間にか冷静で分別のある若者に成長していた

我武者羅には向こう見ずや強引といったネガティブなニュアンスがありますが、一生懸命さや熱心さといったポジティブな意味もあります。

しかし、我武者はあまりポジティブな意味では使われず、粗暴で無計画な意味合いで受け取られやすいといえるでしょう。「羅」をつけるかどうかでニュアンスが変わってしまうため、適切な言葉を選ぶようにしてください。

飛び越える
(c) Adobe Stock

「武者」のつく言葉を紹介

「武者」とは、武芸に携わることを任務とする人や、その集団のことです。「むしゃ」と発音しますが、「むさ」と読むこともあります。

我武者羅や我武者のように「武者」がつく言葉は少なくありません。いくつか紹介します。

端武者、葉武者

「端武者(はむしゃ)」とは、身分の低い、取るに足りない武者のことです。「葉武者」と表記したり、「木端武者(こっぱむしゃ)」と表現したりすることもあります。

・役者としてはじめての仕事は端武者だった。他の大勢と一緒に出て、一瞬で切られた

・彼はいうなれば、まだ端武者です。これから実力を身につけていくと思われます

猪武者

「猪武者(いのししむしゃ)」とは、向こう見ずに敵中に突進する武士のことです。また、状況を考えないで、我武者羅に物事を行う人にも使われます。

・どこの猪武者かと思ったら、我がチームのルーキーだ。あっという間に突進し、中央突破でトライしていた

・彼女はまるで猪武者のような営業をする。獲得案件も多いが、反感も多いらしい

武者震い

「武者震い(むしゃぶるい)」とは、戦いや重大な場面に臨んで、興奮のために身体が震えることです。「武者振るい」と表記することもあります。

・スタートラインに立って、思わず武者震いをした

・緊張して震えているのではありません。武者震いをしているのです

我武者羅と類似する意味を持つ言葉

我武者羅のように後先を考えずに進んでいく意味を持つ言葉としては、次のものが挙げられます。

・しゃかりき
・命知らず
・夢中
・一心不乱
・専念
・傾注

それぞれの使い方やニュアンスの違いを、例文を通して紹介します。

ランニング
(c) Adobe Stock

しゃかりき

「しゃかりき」とは、夢中になって何かに取り組むことです。一生懸命に何かをするという点では我武者羅と似ていますが、後先を考えないというニュアンスは含まれません。

・今の状態から抜け出そうと、しゃかりきになって働いた

・しゃかりきに取り組めば、きっといつかは道は開けるはずだ

命知らず

「命知らず(いのちしらず)」とは、生命の危険を考えずに振る舞うことや、そのような人・様子のことです。

・命知らずの冒険に参加した仲間たちとの交流は、いまだに続いている

・このグループには、いわゆる命知らずが集まっている。皆、何ごとにも熱く、後先を考えない

我武者羅のように「強引」というニュアンスはありませんが、後先を考えない無謀さが含まれる点は類似しているといえるでしょう。また命知らずは、丈夫で長持ちすることや、そのものについても使われることがあります。

・祖父から譲り受けた紬の着物は命知らずで、ほころびの一つも見えない

・納戸に置いているミシンは命知らず

夢中

「夢中(むちゅう)」とは、物事に熱中して我を忘れることや、その様子のことです。一生懸命に何かに取り組むという点では我武者羅と同じですが、我武者羅には「我を忘れる」といったニュアンスはありません。

・面白くて夢中で最後まで読んでしまった

・彼は趣味に夢中になっているようだ

また、漢字そのままの意味で、夢を見ている間や夢の中を指すこともあります。

・夢中ではわたしは一国の王だった

・まるで夢中のように、ふわふわとした気持ちになった

握手
(c) Adobe Stock

一心不乱

「一心不乱(いっしんふらん)」とは、心を一つの事柄に集中して、他の事柄に気を取られないことやその様子を指す言葉です。

何か特定のことに取り組む点では我武者羅と類似していますが、我武者羅のように「後先を考えない」というニュアンスはないため、他人の様子を指して「一心不乱」と表現しても失礼にはなりにくいでしょう。

・日照りが50日も続いている。巫女は雨雲を求めて一心不乱に祈った

・一心不乱に研究に取り組んだ結果、学内の優秀研究に選ばれた

専念

「専念(せんねん)」とは、一つのことに心を集中することや、そのことだけに熱心になることです。一心不乱と似たニュアンスで使います。我武者羅のように「後先を考えない」というニュアンスはないため、計画的に物事を進めていくときにも使える言葉です。

・とりあえず今は研究に専念しようと思っている

・療養に専念して、早く元気になってください

傾注

「傾注(けいちゅう)」とは、精神や力を一つの事柄に集中することです。専念と同じように使われます。

・全精力を傾注して、仕事に取り組んだ

・今は仕事に傾注しているが、飽きっぽいのでいつまで続くかわからない

状況に合う言葉を選ぼう

我武者羅と類似する意味の言葉は、多数あります。いずれも一生懸命何かに取り組むときに使いますが、言葉によっては「後先を考えない」や「向こう見ず」のように少しネガティブな意味が含まれる場合も。

特に他社に対して使うときは、ニュアンスに注目して適切な言葉を選ぶようにしましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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