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2024.09.05

「左袒する」とは味方すること|意味や使い方を例文を通してわかりやすく紹介

「左袒する」とはどんな意味でしょうか? 「袒」とは衣を脱いで肩を露わにすることで、本来は「衣を脱いで左肩を見せる」という意味です。日常会話で実際にどのように使うのか、わかりやすく紹介します。

左袒するの意味とは?

「左袒(さたん)する」とは、味方をすることです。「袒」には衣を脱いで肩をあらわにする意味があり、字義通りでは「衣の片肌を脱いで、左肩を見せる」という意味があります。

さ‐たん
[名](スル)《「袒」は衣を脱いで肩をあらわにする意で、中国、前漢の功臣周勃しゅうぼつが呂氏りょしの乱を鎮定しようとした際、呂氏に味方する者は右袒せよ、劉氏りゅうしに味方する者は左袒せよ、と軍中に申し渡したところ全軍が左袒したという「史記」呂后本紀の故事から》味方すること。
「何としても上方の者に―する気にならぬ」〈福沢・福翁自伝〉
[補説]「左担」と書くのは誤り。

出典:小学館 デジタル大辞泉

左袒するの由来は? 史記のエピソードを紹介

「左袒する」は、中国の歴史書である史記に記載されたエピソードを由来とする言葉です。江蘇省出身の劉邦(りゅうほう)は、秦(しん)の都であった咸陽(かんよう)を占領し、紀元前202年の垓下(がいか)の戦いで天下を統一しました。その後、前漢の初代皇帝として帝位につき、一族や功臣を王とします。

劉邦の死後、妻であった呂后は政権を独占し、自らの宗族(父方の一族)を重用し、劉邦の一族や功臣を排除しようとしました。そこで功臣の周勃(しゅうぼつ)や陳平(ちんぺい)は力を合わせ、呂后の死後に呂氏一族の全滅に立ち上がります。なお、この戦いは「呂氏の乱」と呼ばれています。

呂氏の乱を鎮定する際、周勃は兵士たちの意思を把握しようと、「呂氏に味方する者は右袒(右の肩を肌脱ぎ)せよ、劉氏に味方する者は左袒(左の肩を肌脱ぎ)せよ」と呼びかけました。

全軍が左袒したことから、周勃は兵士や民の意思は自分たちの意思と同じだと理解し、呂氏を滅ぼすことを決意したといわれています。

左袒するの使い方・例文

「左袒する」は日常会話でも使われることがあります。使い方を例文を通して確認しましょう。

・彼に左袒する気持ちにはなれない
・社内は社長派と専務派で二分している。君はどちらに左袒する?

左袒する」と類似する意味の言葉

「左袒する」のように味方をする意味で使われる言葉としては、次のものが挙げられます。

・肩を持つ
・贔屓(ひいき)する
・肩を入れる
・助太刀(すけだち)する
・援護する、掩護(えんご)する

「左袒する」とのニュアンスの違いや使い方など、具体的な例文を通して紹介します。

手をあげている人々のイラスト
(c)AdobeStock

肩を持つ

「肩を持つ」とは、対立しているものの一方の味方をすることです。

・お母さんはいつもお兄ちゃんの肩を持つよね
・最初からどちらか一方の肩を持つのは不公平だ。先入観を失くして、どちらが正しいのか見極める必要がある

なお、「左袒する」も味方をする意味で使いますが、対立しているものの一方とは限りません。

たとえば「わたしに左袒してくれる?」と誰かに尋ねる場合、わたしと対立する誰かがいる可能性もありますが、単に「いつでも味方をしてくれる?」の意味で尋ねている可能性もあります。

贔屓(ひいき)する

「贔屓(ひいき)する」とは、気に入った人を特に引き立てることです。

・弟ばかり贔屓しないで
・彼女は担任の先生から贔屓されている

また、後援している相手や引き立てる相手のことを「贔屓(ひいき)」と呼ぶこともあります。

・同郷の力士を贔屓にする
・わたしの贔屓は、次のトップスターといわれているあの人だ

「贔屓する」は特定の人を引き立てますが、必ずしも味方になっているわけではありません。

たとえば、争いごとや対立が起こっている場合、どちらか一方を支持するときには、「左袒する」や「肩を持つ」が適していると考えられます。

しかし、争いごとや対立の仲裁を求められ、物事の善悪ではなく好悪でどちらか一方を支持したときには、「贔屓する」の表現が適しているといえます。

・社長派と専務派に分かれているが、君はどちらを贔屓する?
・君が社長を支持するのは、単に社長を贔屓しているように思える

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肩を入れる

「肩を入れる」は、援助や贔屓する意味で使われます。

・ずいぶんあの新人に肩を入れているんだね
・今まで君に肩を入れてきたが、今回の不祥事で応援する気持ちはなくなった

「左袒する」とは異なり、特定の人物や物事を贔屓する意味で使われる表現です。そのため、贔屓すると同様、公平性に欠くような印象を与えることがあります。また「肩を入れる」は字義通りには、肌脱ぎにした着物の袖に手を通すことです。

・腰ひもをしっかりと締めてから、肩を入れてください。着崩れが減ります
・君は興奮すると片肌を脱ぐね。きちんと肩を入れて直してください

歩いているビジネスパーソンの後ろ姿イラスト
(c)AdobeStock

助太刀(すけだち)する

「助太刀(すけだち)する」とは、字義通りには、仇討ち(あだうち)や果たし合いなどに助力することです。

・「助太刀に来た」「かたじけない」
・助太刀をしたいが、相手に助太刀がいない場合は不公平になるため、遠慮しておこう

現代社会では、仇討ちや果たし合いはあまり一般的ではありません。そのため、ほとんどの場合は、加勢や援助をする意味で「助太刀する」と表現します。

・納期までに注文分の和菓子を作れそうにない。どこかに助太刀を頼むほうがいいだろう
・母に助太刀をしてもらい、ようやく宿題が終わった

援護する、掩護(えんご)する

「援護する」とは、困っている人をかばい助けることです。

・このボランティア団体は、家庭の事情で困っている学生に援護の手を差し伸べることを目的としている
・論文の査読会で教授たちに矢のような質問を浴びせられたが、指導教官は何一つとして援護してくれなかった

「掩護(えんご)する」は、読みは同じですが意味は少々異なります。「掩」は「覆う」という意味を持つ漢字で、「掩護する」とは、味方の行動や拠点を敵の攻撃から守ることです。また、相手をかばって危険から守るという意味でも使われます。

・船団を掩護した
・掩護するのは立派なことだが、それでは彼の自立心が育たない

左袒するの意味とエピソードを知ろう

「左袒する」は、味方をする意味の言葉です。日常会話だけでなく、小説や訓示などにも使われることがあるため、意味を適切に把握しておきましょう。

また、「左袒する」は史記のなかでも有名なエピソードとして知られています。「左袒する」ようになった経緯も把握しておくと、語彙力が高まるはずです。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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