紫電一閃の意味とは?
紫電一閃は、「しでんいっせん」と読みます。日常生活ではあまり使われない傾向にある言葉ですが、ゲームでみかけたという方は多いのではないでしょうか。
ここでは、紫電一閃の意味を解説します。
事態が非常に切迫していることを表す
紫電一閃は、よく研ぎ澄まされた刀を振り下ろすときにみられる鋭い光をたとえにして、事態が非常に切迫している様子を表す言葉です。急激な変化や、あっという間の出来事、鋭い眼光を指す場合もあります。
きらめく一瞬の光のような速さのように目の前の出来事が勢いよく変わる様子や、火急を要することを表すこともあるでしょう。
研ぎ澄ました刀をひと振りするときにひらめく鋭い光。転じて、事の火急なこと。
出典:小学館 デジタル大辞泉
「紫電」と「一閃」の意味
「紫電」とは紫色の稲妻や、よく研ぎ澄まされた刀剣が反射することを指します。「一閃」は、その刀の一瞬のきらめきのことです。
ゲームでも使われる言葉
紫電一閃は、ゲームでもよく使われる言葉です。スペシャルステージやスキル、伝承奥義の名称として用いられています。
紫電一閃の使い方・例文
紫電一閃の例文をいくつか紹介します。文脈を通して、紫電一閃の意味を理解しましょう。
・あわや大事故かと思われる状況だったが、紫電一閃、衝突をまぬがれることができた
・経営者が変わったことで経営戦略が大幅に変わり、事業の進め方が一変した。まさに紫電一閃といえる
・これまで平穏な生活だったのに、紫電一閃、変化の連続に見舞われている
・窮地に立たされていたが、紫電一閃、救いの神のように援助者が現れた
紫電一閃の類義語
紫電一閃には、次のような類義語があります。
・電光石火(でんこうせっか)
・疾風迅雷(しっぷうじんらい)
・脱兎の勢い(だっとのいきおい)
いずれも素早いこと、激しい様子を表す言葉で、紫電一閃と共通している言葉といえるでしょう。
ここでは、それぞれの意味や使い方を解説します。
電光石火
電光石火は、動きが非常に素早いという意味です。稲妻の光や、石を打ったとき出る火をたとえにしています。また、非常に短い時間という意味もあります。
「電光」は稲妻の光を表し、「石火」は火打ち石などを打つときに出る火のことです。
非常に速い、急激に起こるという点で、紫電一閃と似た言葉です。
(例文)
・彼は周囲の期待に応え、電光石火の速さで作品を仕上げた
・その車は電光石火のように、目にも止まらぬ速さで駆け抜けていった
疾風迅雷
疾風迅雷とは、速い風と激しい雷をたとえに、素早く激しい様子を表す言葉です。「疾風」とは激しく速い風のことで、「迅雷」は激しく鳴る雷を指します。
速さを強調するときや急激に事態が変わったときのほか、天候が悪いときにも使われる表現です。
なお、「疾風」は風力の段階を表す言葉としても使われ、毎秒風速8.0から10.7メートルで風力階級5の風を「疾風」と呼びます。
(例文)
・彼は疾風迅雷の如く現れて猛然と仕事をこなし、何事もなかったかのように帰っていった
・その噂は疾風迅雷のようなスピードで、瞬く間に広がっていった
脱兎の勢い
脱兎の勢いとは、非常に速いことを表す言葉です。素早く逃げるウサギをたとえにしています「脱兎の勢い」のほか、「脱兎の如く逃げ出す」といった使い方をすることもあります。
(例文)
・定刻になると、彼女は脱兎の勢いで机の上を片付け、パーティ会場に駆けつけた
・校庭で騒いでいた子どもたちは、こちらに向かっている先生の姿をみて、脱兎の勢いで逃げ出した
紫電一閃の対義語
紫電一閃には、次のような対義語があります。
・遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)
・意気阻喪(いきそそう)
・悠々閑々(ゆうゆうかんかん)
遅疑逡巡とは、いつまでも疑い、決断せずにためらうという意味です。「遅疑」はいつまでも疑って決心できないという意味で、「逡巡」はためらいを表します。
一瞬の光のような速さで出来事が急変する様子を表す紫電一閃とは、対照的な言葉といえるでしょう。
(例文)
・彼はいつも物事をすぐに決められず、遅疑逡巡としていて決断力がない
・営業は即断即決が大切で、遅疑逡巡していては目標を達成できない
意気阻喪は、やる気をなくして元気がなく、意気込みがくじけるという意味です。勢いを失うという意味合いがあり、紫電一閃の対照表現といえます。
(例文)
・チームは試合に敗れ、メンバー全員が意気阻喪の状態になってしまった
・先制攻撃を受けた相手は、意気阻喪の様子をしていた
悠々閑々とは、ゆったりと落ち着いている様子を表します。急激な変化という意味の紫電一閃とは、反対の意味になる言葉です。
(例文)
・彼は定年を迎え、悠々閑々とした毎日を送っている
・試験を目前にしているのに、彼女は悠々閑々と構えていた
紫電一閃は事態の急激な変化を表す言葉
紫電一閃は、事態が急激に変化したり、切迫した状況になったりした状態を指す言葉です。類義語には電光石火や疾風迅雷、脱兎の勢いという言葉があり、一緒に覚えておけば、シーンに応じて使い分けができます。
対義語には、遅疑逡巡や意気阻喪などがあげられます。こちらもあわせて覚えておくと、紫電一閃について理解が深まるでしょう。紫電一閃の意味を理解し、正しく使用してください。
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