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「くびれ」がある人、ない人…違いは何?
「くびれ」とは、肋骨と骨盤の間、高さでいうとヘソの少し上あたりのウエスト部分がキュッと引き締まったスタイルのことを指します。くびれがあることで、ウエストはすっきり。さらにはバストやヒップをふっくら見せるという特徴もあり、メリハリのある女性らしいボディラインを作り出せます。
とはいっても、くびれ=簡単に作れるものではない…と思われがち。実際に引き締まったお腹まわりを作るには、脇腹に位置する腹斜筋(ふくしゃきん)、肋骨や骨盤、背中側の筋膜からお腹を包むようにつながっている腹横筋(ふくおうきん)といったインナーマッスルのエクササイズ・トレーニングが必要になってきます。
加えて、もうひとつ重要なのが姿勢。くびれがある人とない人、もとい、できやすい人とできにくい人とでは、普段のちょっとした姿勢に違いがあるんです──。
猫背の姿勢だと「くびれ」ができにくい…どうして?
まずは、おさらい。くびれは、どこにできるでしょうか?
正解は、肋骨と骨盤の間。つまり、この部分にはくびれができるためのスペースが必要になるんです。例えば背中や腰が丸まった猫背の姿勢をしているとき。このときお腹の中央にある筋肉はギュッと縮められて硬くなり、体が縦に潰れた状態になっています。
これではくびれができるスペースがなくなってしまうだけでなく、お腹の肉が横に流れてよりくびれができにくくなってしまう恐れがあるでしょう。日頃から背筋を伸ばした姿勢を意識することが、くびれ作りに大事なポイントです。
そしてここからは、くびれ作りにおすすめのストレッチとトレーニングのやり方をご紹介。ストレッチでは肋骨~骨盤までの長さを引き出し、トレーニングでは腹斜筋・腹横筋を鍛えていきます。しかも今回は、寝ながらできるものだけをピックアップ。ハードな腹筋運動が苦手な女性でも取り入れやすい内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
【うつ伏せ】上体をカーブさせて体側を気持ちよく伸ばすストレッチ
ストレッチの最中は、体側に呼吸を送りながら心地良い伸びを感じましょう。
STEP 1:うつ伏せになる。
▲床にうつ伏せになったら、手を重ねた上に額を乗せます。肩が詰まらないように、手の位置を前後に調整しましょう。脚は腰幅に開き、足の甲を寝かせます。
STEP 2:上体を左にスライドする。
▲手の位置を左に移動させ、右脇腹を中心に体側をストレッチ。骨盤の位置は変えず、上体だけ弓なりにカーブさせましょう。〈回数:5呼吸〉
STEP 3:反対側もおこなう。
▲吸う息で、肋骨から骨盤までの長さをグーンと引き出すイメージ。吐く息では、肩の力を手放します。手の上に額を乗せるのがツラい場合は、あごを乗せてもOK。〈回数:5呼吸〉
【仰向け】ひざを倒して優しくねじるストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲腕は肩の高さで、手のひらを上に向けます。脚は軽く揃え、ひざの下あたりにかかとをセット。尾骨(背骨の一番下、しっぽのような骨)を引き込んで、腰を丸くして床につけます。
STEP 2:【息を吐きながら】両脚を右に倒す。
▲吐く息に合わせて、両脚を丁寧に右に倒します。右ひざの外側を床に近づけて(床につかなくてもOK)、左体側を伸ばします。顔は正面、両腕は横に開いた姿勢をキープ! 〈回数:5呼吸〉
STEP 3:反対側もおこなう。
▲息を吸いながら脚を起こしてきたら、次の吐く息で左に倒しましょう。ポイントは、反動を使わないこと。〈回数:5呼吸〉
【仰向け】脚を浮かせながらねじるトレーニング
ここからは、トレーニングをおこなっていきます。まずは、ねじる動きで腹斜筋を使いましょう。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲仰向けのストレッチと同様に姿勢を整えたら、ここでは手のひらを下向きにします。
STEP 2:【息を吸いながら】足を持ち上げ、すねを床と水平にする。
▲尾骨を引き込み、腰をしっかり床につけたまま両脚を床から持ち上げます。ひざの位置は、股関節の上が目安。すねは床と水平をキープします。
STEP 3:【息を吐きながら】両脚を右に倒す。
▲ここでも、吐く息に合わせて丁寧に脚を倒しましょう。吸う息でSTEP 2に戻り、次の吐く息で左に倒します。反動は使わず、お腹まわりの筋肉を意識しながらゆっくり動きましょう。
手で床をとらえ、上体が大きくぶれないようにします。〈回数:10~20回〉
【横向き】動くのが苦手な人は、エルボーサイドプランクで姿勢を安定させながらトレーニング
お腹をねじったり、筋肉を伸び縮みさせたりする動作をともなわない横向きのプランクですが、腹斜筋や腹横筋を鍛える効果は十分に期待できます。ポイントは、息を吐くときにお腹を大きくへこませることです。
STEP 1:うつ伏せになり、肩の下にひじをつく。
▲肩の下にひじをついたら、前腕(ひじ~手首)と手で床を押し、上体を半分起こします。目線は正面。脚は腰幅に開いておきます。
STEP 2:右手を左ひじのほうに向け、指の先に左手をつく。
▲まず、右手指先を左ひじのほうに向けます。それから、左手の位置を胸の横に下げましょう。
STEP 3:右体側を下にして、横向きになる。
▲右体側を下にして体を横向きにしたら、両脚を重ねます。
STEP 4:腰を持ち上げたら、左腕を真上に伸ばす。
▲腰を床から持ち上げます。体が斜め一直線、もしくは弓なりになるように腰の位置は無理のない範囲で高くしましょう。姿勢が安定したら、左腕を真上に伸ばして目線も上げます。
息を吐くときにお腹を大きくへこませて、腹横筋を使いましょう。反対側もおこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
【番外編:腹筋ローラーの使い方】初心者さんは壁をストッパーにすると安全
最後は、腹筋ローラーの使い方です。腹筋ローラーは、腹直筋(お腹の中心部にある筋肉)や腹斜筋、腹横筋をはじめとする広範囲の腹筋群を鍛えるのに効果的。ただし運動初心者さんが使う場合、前に伸びたときに体を支えきれなくなるなど怪我の原因にもなるので注意が必要です。
自宅に腹筋ローラーがあるけれどあまり使ったことがない人、またはこれから購入してみようと思っている人は、最初はひざをついた姿勢で、腹筋ローラーが前に転がりすぎないように壁をストッパーにしておこなうと安全です。
※ 壁に傷がつくのが心配な人は、使用を控えましょう。
STEP 1:ひざを床につき、腹筋ローラーのグリップを握る。
▲ひざが痛い場合、下にヨガマット等を敷いておこないましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】腹筋ローラーを前に転がす~【息を吐きながら】腹筋ローラーを引き寄せてSTEP 1の姿勢に戻る。
▲初心者さんは、限界まで体を伸ばさないこと。壁から離れすぎない位置でおこなうと安全です。〈回数:30回~〉
以上、くびれの作り方をご紹介しました。ストレッチのキープ時間やトレーニングの回数は、体の様子を見ながら調整しておこなってみてくださいね。
※ 腰を痛めている場合は、無理をしないこと!
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。