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2024.06.05

「濡れ手で粟」って一体なんのこと?正しい意味や使い方を解説。語源もご紹介!

願っていたことが突然叶った!予期せぬ嬉しい出来事に恵まれた!という場面に巡り合うことって稀にありますよね。そんな思いがけず幸運を手にしたときに使われる「濡れ手で粟」ということわざをご存知でしょうか。今回は「濡れ手で粟」の意味や使い方について詳しくご紹介します。

ライター コマツマヨ

「濡れ手で粟」の意味、説明できる?

なんとなく耳にしたことがあるけれども意味や使い方までは正しく理解できていないかも…という方もいるのではないでしょうか。実際にはどのような場面で使うのか、意味や語源、類義語などとともにご説明します。

ところで、「濡れ手で粟」の「粟」ってなに?

「粟」は「アワ」と読み、原型はエノコログサ(俗名:ネコジャラシ)の交雑種といわれ縄文時代には栽培されていたとされる最古の穀物の一つです。ヒエ・麦・豆(ダイズ・アズキ)・イネと並ぶ日本古来の五穀の一種で粟を主食とした時代もあり、日本では古くから馴染みのある作物です。1粒が直径1.5ミリの粒の集合体で1粒ずつばらしたものを白米と一緒に炊くなど現代でも食卓に並ぶことがあります。

「濡れ手で粟」の意味と語源

濡れ手で粟イメージイラスト
(c)Adobe Stock

「濡れ手で粟」の読み方は「ぬれてであわ」。「濡れ手で粟を掴む(つかむ)」と表現される場合もあります。語源は「濡れた手で細かな粟粒を掴むと無数の粒が手にたくさんくっついてくること」で、わずかな苦労で大量の粟を簡単に手に入れる様子から、「たいした苦労もなしに多くの利益を得ること」を意味します。

例文

(1)数枚の宝くじで2等を引き当て、濡れ手で粟の大金を手に入れた

(2)欲しかったブランドバッグを譲り受けることになり、濡れ手で粟だと喜んだ

(3)少しの宣伝で商品が大ヒットするとは、まさに濡れ手で粟の出来事だ

間違って使われやすい!「濡れ手で粟」の誤用表現

「濡れ手で粟」には、似たような言葉があります。響きが似ているため誤用されるケースが多いので、それぞれの違いを知っておきましょう。

(1)     濡れ手に粟

本体の「濡れ手で粟」という言葉が、「濡れた手には粟がたくさんつく」といった意味があることから「濡れ手に粟」と誤用が広まっているようですね。とはいえ辞書によって「濡れ手に粟」が記載されているケースも。「濡れ手で粟」が正しい言葉となるので覚えておきたいですね。

(2)濡手で泡

こちらも「濡れ手で粟」の誤用表現です。「あわ」が穀物の粟のことを表すと知らない人や、そもそも「粟」のこと自体を知らない人が、あわ=泡だと思って間違って使っているケースのようです。

「濡れ手で粟」の類義語は?

「濡れ手で粟」と同様に、苦労せずに利益を得るという意味で使われる類義語は以下のような表現があります。

漁夫の利

「漁夫の利」とは、「二者が争っている隙に第三者が利益を横取りするたとえ」です。貝の身をついばもうとした鳥の嘴(くちばし)を貝が挟んだ状態で閉じ一進一退の攻防の中で通りがかった漁師が両方を捕まえたという中国の戦国時代の史書「戦国策(燕策)」の故事に由来し、二者が争いを起こしている間に別の第三者が何の苦労もなく利益を得てしまうという状況で使われます。

一攫千金

一攫千金イメージイラスト
(c)Adobe Stock

「一攫千金」とは、一度に、しかも簡単に大きな利益を得るという意味です。「攫」は「つかむこと」を意味し、「千金」は「多額の金銭」の意味があります。少ない元手にもかかわらずたった一つかみで多額の大金を得るという状況を表わすときに使われます。

「濡れ手で粟」と反対の意味を持つ言葉はある?

苦労せず楽に儲けるという意味の「濡れ手で粟」に対し、反対の意味で使われている言葉をご紹介します。

骨折り損のくたびれ儲け

「骨折り損のくたびれ儲け」とは、「どれだけ働いても結果的に何も得られない」というときに使われます。「骨折り」とは「苦労する」という意味で、時間やエネルギーをたくさんかけて苦労をしても実りのある成果に繋がらずただ疲れただけという、労力に対して損を被ったときに使われる表現です。

まとめ

「濡れ手で粟」という言葉や意味合いを含む表現は、日常でもよく使われているのではないでしょうか。類義語や対義語も聞き馴染みのある言葉が多いので、合わせて意味を理解してシーンによって使い分けられると良いかもしれません。ビジネスシーンにおいては「濡れ手で粟」の状況が増えたら嬉しいものですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

コマツマヨ

WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。

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