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「お人好し」の意味
日常生活でもよく使う「お人好し」という言葉。あなたは、いい意味で使っていますか?それとも悪い意味でしょうか?本記事では、「お人好し」について深く考えてみたいと思います。
【お人好し】
[名・形動]何事も善意にとらえる傾向があり、他人に利用されたりだまされたりしやすいこと。また、そのさまや、そういう人物。「頼まれたら嫌と言えない―な性格」
<小学館デジタル大辞泉>
「お人好し」とは、人を信じやすく、騙されやすい人のことをいいます。「お人好し」の人はとてもいい人なのですが、見ていると心配になるときがあります。「少しは人のことを疑わないと、ひどい目にあうよ。本当にお人好しなんだから」などと、ちょっと頼りない人のように使われる場合もあります。
さらに、「お人好し」の人は、他人の意見を受け入れやすいという傾向も。ゆえに、自分の意見がしっかりしていない、すぐに人の言うことに流されるなどと、優柔不断な人のように思われることもあります。
「お人好し」に当てはまる人の特徴とは?
「お人好し」な人はどんな人でしょうか。いくつか特徴をあげてみますので、あなた自身のことや、彼や友達などを診断してみてください。
素直
「お人好し」の人は、素直です。素直すぎるがゆえに騙されやすいともいえるのですが、それでもやはり素直さというのは財産です。仕事では、人の意見を素直に聞くので好感をもたれますし、成長も早いでしょう。
「お人好し」の人は、かわいがられやすいので、男女関係で女性が「お人好し」である場合、彼に愛されやすいということもあるでしょう。
人に信用される
「お人好し」の人は、思いやりの心があるので、人の嫌がることでも率先して取り組みます。残業にも嫌な顔をせず、引き受けた仕事は面倒な仕事でも最後まで丁寧にやり遂げます。そんな姿勢から人の信用を得られます。「お人好し」の人は、人に信頼される人でもあるのです。
やさしい
「お人好し」の人は、人のためになるなら、自分のことを後回しにしてでもやってあげようとします。そんな姿に「やさしさ」を感じる人も多いでしょう。「お人好し」の人のやさしさは、単純に物腰の柔らかさがあるだけでなく、思いやりにあふれていて、触れた人はうれしい気持ちになるのです。
楽天家
「お人好し」の人は、物事をあまり悪いほうに考えません。楽観主義の傾向もあることから、危機管理の面ではちょっと弱いところも。「お人好し」でない人から見れば「甘い!」と叱られてしまうかもしれません。
争いを好まない
「お人好し」の人は、揉めごとが苦手です。もめたり、その場の空気が悪くなるくらいなら、自分がそれを引き受けたほうがよっぽどマシだ、と考える傾向があるのです。献身的だとも言えますが、ことと次第によっては、揉めてでも解決すべき内容もあります。「お人好し」の人が、お人好しだったばっかりに、周囲の成長が妨げられるということも、場合によってはあるかもしれません。
「お人好し」のデメリット
一見、素晴らしく感じられる「お人好し」ですが、見方によってはデメリットもあります。「お人好し」が裏目に出ると、少し困ったことになる場合があります。
騙されやすい
「お人好し」の人は、人を疑わないことから、騙されやすい人ともいえます。思いやりが深いので、自分がだまされてもなお、相手がそれでいいのならと受けいれてしまうことすらあります。こうなると、周囲が困ってしまうことも。
押しつけられやすい
人の嫌がることも率先してやるので、そこに付け込まれることも。「NO」と言わないことをいいことに、面倒な仕事や残業になるような仕事を頼まれてしまいやすいのです。
押しつけられるのは仕事だけではなく、価値観や考え方を押し付けられることもあります。「お人好し」の人は、なかなか強く否定できませんから、知らず知らずのうちに、ストレスを溜めてしまっている場合があります。
妬まれやすい
誰に対してもおしなべて親切に接するので、それを八方美人と取る人も。さらに好かれやすのでやっかみを買う場合もあります。本人は思いやりを持って周囲に接しているだけなのに、「誰にでもいい顔して」「親切ぶっちゃって」と変なやっかみを買うことが、「お人好し」の人には多い傾向があります。
「お人好し」の人が損ばかりしないための改善方法とは?
「お人好し」だと、損をすることも多いのが現実です。本人は、良かれと思ってやっているのに、結果として損をしたり、ひいては嫌われたりするなんて、ちょっと報われません。損ばかりしない方法をお伝えします。
断ってみる
「お人好し」の人は、普段ずっとニコニコして「いいよ、わかった」と、人の頼みを受けいれがちです。その様子を見ている人の中には「あの人なら、絶対断らない」とあえてつけ込んでくる人もいるでしょう。
もし、「あんまりだ…」と思う頼みごとなら、キッパリ「NO」と言いましょう。普段断らないあなたが「NO」と言えばそれだけで威力があります。また意外に相手は深く考えていない場合もあります。自分が断ったら、相手が困るのではないかなどと、深刻に考えているのはあなたのほうで、相手は意外とあっさり別のところへいくのかもしれません。
本音と建て前があることを知る
大人になると、どうしても「建て前」が必要になるシーンがあります。それは、決して悪いことではなく、円滑に物事を運ぶために必要なものでもあるのです。逆に、何でも本音を言えばいいというものではないことは、大人になれば理解するべき事柄かもしれません。
「お人好し」の人は、建て前の裏に悪意があることをあまり考えない傾向がありますが、そういう人がいることも事実です。必要以上に悪く勘繰る必要はありませんが、「世の中には本音と建て前がある」ということは認識しておいたほうが良さそうです。
自分を中心にして考える習慣をつける
「お人好し」の人は、何かにつけて、相手を中心に物事を考える傾向があります。それはとてもいいことですが、同時に自分を中心にした考えも検討してみましょう。その両方を考えた上で、どちらにとってもいいことなら、行動に出てもいいでしょう。
「お人好し」の良さを上手に取り入れて
何かにつけ厳しい現代社会において、「お人好し」の人は貴重な存在かもしれません。「お人好し」の人はそれを利用されないように、また「お人好し」でない人は少し「お人好し」の良いところを取り入れてみるのもいいかもしれません。
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