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「不承不承」は何て読む?
「不承不承」の読み方は、「ふしょうぶしょう」。
あまり普段聞くことのない言葉かもしれませんが、正しい意味を理解しておくと意味がわからなくて慌てることもありませんし、意味や使い方を含めて一般教養として覚えておくと良いでしょう。
「不承不承」とは「やむを得ず承知すること」
「不承不承」の意味は、やむを得ず承知すること。「いやいやながら」「しぶしぶ」といったニュアンスで使われる言葉で、字面を見るだけでも「やむを得ず承知する」感がある言葉ですよね。
「不承」という言葉だけでも「いやいやながら承知する」という意味になるそうですが、「不承」を二つ重ねることでより強調した言葉になるようです。
「不承不承」の使い方
では、「不承不承」はどのような場面で使う言葉なのでしょうか。例文も含めてご紹介します。
正しい使い方
納得がいかず本当は承知したくはないが、仕方なく受け入れる、といったときに使う「不承不承」は、不本意な気持ちのときや受け入れざるを得ない場合に使用します。
少しネガティブな印象のある言葉なので、「不承不承」という言葉を使うときは、相手やその場の雰囲気などに十分に注意したいですね。
「不承不承」を使った例文
1.担当外の仕事を不承不承ながらも手伝ってみたら、思いのほか楽しく取り組めた。
2.父は自分の間違いを不承不承ながら認めた。
「不承不承」に似た言葉は?類語と例文をご紹介
「不承不承」の類義語や同義語、言い換えなどを例文と合わせてご紹介します。
やむを得ず
「やむを得ず」とは、「仕方がなく、しようがない」という意味で、「不承不承
に非常に近い意味の言葉です。
<例文>
1.押しが強い営業マンだったので、やむを得ず契約してしまった
2.家庭の都合で、やむを得ず退職する
心ならず
「心ならず」とは、自分の意志に反しているといった意味の言葉です。
思い通りにすることができない、自由にはできない、本意ではないが……というようなニュアンスの言葉なので、「不承不承」と同じような使い方ができます。
<例文>
1.私は心ならずも母の提案を受け入れた
2.お祝いなので、心ならずも同僚たちを招待した
不本意ながら
「不本意ながら」の「不本意」とは、「自分の望みとは違っていること」を意味します。
ビジネスの場では、自分の望みとは異なっているとストレートにいうよりも、「不本意ながら」や「不本意ですが」といった言葉でマイルドな表現にすることがあります。
同じ「意に反する」といった意味では「不承不承」と同じですが、いやいやながらに……と少しネガティブな意味合いが強い「不承不承」に比べると、残念だけど……といったニュアンスが強く感じられますね。
<例文>
1.不本意ながら、年内で契約を終了することになりました
2.スポンサーが集まらず、不本意ながら番組は終了になります
「不承不承」の反対の言葉は?対義語と例文を紹介
「不承不承」の対義語には、「唯々諾々」があります。
「唯々諾々」とは中国の法家韓非の著書『韓非子』にある言葉で、読み方は「いいだくだく」と読み、「物事の良し悪しは別としてなんでも受け入れる」という意味です。「唯唯諾諾」と書かれることもあります。
「唯」という言葉には「ただ」「ひたすら」という意味のほかに、即座に「はい」と返事をするといった意味があり、「唯々」と重ねることで「はいはい」とすぐさまに返事をすることを表しているそうです。
なんだか面白い言葉ですが、あまり日常で使われる言葉とはいえないので、知識として覚えておくといいかもしれません。
<例文>
1.部長から指示がでると、メンバーは唯々諾々と指示に従う
2.母にお願いをしたら、唯々諾々と引き受けてくれた
まとめ
「不承不承」という言葉は一般的に馴染みのあるものではないので、「不承不承」に似た意味や反対語などと一緒に覚えておくと良いかもしれません。
特にビジネスの場面では納得のいってない状況でも「はい」と言わなければならない場面がありますが、できるだけ前向きに対処しきたいものですね。
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コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。