この記事のサマリー
・「水魚の交わり」は、水と魚のように切り離せないほど親密な関係を表す言葉です。
・由来は劉備と諸葛亮の故事で、欠かせない存在を魚と水にたとえた表現です。
・類語には「金蘭の交わり」、「刎頸の交わり」、「断琴の交わり」などの表現があります。
「水魚の交わり」という言葉を見聞きして、読み方や使いどころに迷ったことはありませんか? 親しい関係を表す言葉だと知っていても、どの程度の間柄に対して使うのか…。由来まで含めると意外に奥行きがある言葉です。
人との距離感を表す言葉だからこそ、意味を曖昧にしたまま使うと、少し大げさに響いてしまうこともあるでしょう。この記事では、「水魚の交わり」の意味や使い方について確認していきます。
「水魚の交わり」とは?
まずは意味から確認していきましょう。
意味
「水魚の交わり」の読み方は、「すいぎょのまじわり」です。
「水魚の交わり」とは、水と魚のように、切り離せないほど親密な関係を表す言葉です。簡単にいうと、「互いに欠かせないほど、深く信頼し合っている間柄」のこと。
魚にとって水が欠かせないように、相手の存在が自分にとって大きい関係をたとえています。
辞書では次のように説明されていますよ。
水魚(すいぎょ)の交(まじ)わり
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「蜀志」諸葛亮伝から。劉備が諸葛孔明と自分との間柄をたとえた言葉》水と魚との切り離せない関係のような、非常に親密な交友。
ちなみに、「水魚の交わり」は、「水魚之交」と表記されることもあります。意味はいずれも、水と魚のように切り離せないほど親密な関係を表します。
参考:『新選漢和辞典 Web版』(小学館)

由来
「水魚の交わり」は、中国の歴史書『三国志』の「蜀志」諸葛亮伝に由来する故事成語です。蜀漢(しょっかん)の劉備(りゅうび)が、諸葛亮(しょかつりょう)との関係を「猶魚の水有るが如し」(魚にとって水があるようなもの)とたとえたことから、切り離せないほど親密な関係を表す言葉として使われるようになりました。
参考:『デジタル大辞泉』、『故事俗信ことわざ大辞典』(ともに小学館)
使い方を例文でチェック!
「水魚の交わり」の由来となった故事では、劉備と諸葛亮という君臣の深い信頼関係を表していました。現在では、友人同士や夫婦、仕事上のパートナーなど、互いに欠かせないほど親密な関係にも使われます。日常生活での使い方を見ていきましょう。
彼とは長年試合で1位を争うライバルだったが、今では実力を認め合い、水魚の交わりと呼べる関係になっている。
かつては競い合う相手だったとしても、長い時間をかけて互いを認め、深く信頼し合う関係になることがあります。「水魚の交わり」は、単に仲がいいだけでなく、切り離しがたいほど親密な関係を表すときに使う言葉です。
夫は結婚式のスピーチで、「水魚の交わりのような夫婦になりたい」と話していた。
「水魚の交わり」は、人生を共にするパートナー同士にも使うことがあります。夫婦の文脈では、互いを深く信頼し、相手の存在を欠かせないものとして大切にする関係を表すときに自然です。

共同プロジェクトを通して、両社はまるで水魚の交わりのような信頼関係で結ばれた。
「水魚の交わり」は、ビジネスシーンでも使われることがあります。互いの強みを理解し、深い信頼関係を築いた相手に対して用いると自然です。ただし、単なる取引先や一時的な協力関係ではなく、切り離しがたいほど結びつきが強い関係に使うのが適切です。
使うときの注意点
「水魚の交わり」は、単に仲がいい相手に使うよりも、互いに深く信頼し、切り離しがたい関係にある相手へ使うのが自然です。したがって、軽い友人関係や、まだ関係が浅い相手に使うと、少し大げさに聞こえることがあります。
相手との結びつきの深さを見極めて使うと、言葉の重みが伝わりやすくなりますよ。
類語や言い換え表現は?
「水魚の交わり」のほかにも、親密な関係を表す「〜の交わり」という慣用句があります。ここでは、意味が近い表現を3つ紹介します。
金蘭の交わり
「金蘭の交わり」は「きんらんのまじわり」と読みます。「金蘭の契り」ともいいます。
「金蘭の交わり」は、心を同じくする親友同士の固い交わりを表す言葉です。金をも断ち切るほど強く、蘭のように美しい友情という意味を持ちます。
「水魚の交わり」が、互いに欠かせないほど親密な関係を表すのに対し、「金蘭の交わり」は、志や心が通じ合う親友同士の固い友情を表すときに使いやすい表現です。
刎頸の交わり
「刎頸の交わり」は、「ふんけいのまじわり」と読みます。友のためならたとえ首を切られても悔いないほどの、深い交際を表す言葉です。
「水魚の交わり」が、互いに欠かせないほど親密な関係を表すのに対し、「刎頸の交わり」は、相手のために大きな犠牲を払うこともいとわないほどの友情を表します。重みのある表現なので、日常の軽い友人関係には使いにくい言葉です。

断琴の交わり
「断琴の交わり」は、「だんきんのまじわり」と読みます。非常に親密な友情や交際を表す言葉です。
中国の春秋時代、琴の名手であった伯牙(はくが)が、自分の琴の音を深く理解した鍾子期(しょうしき)を唯一の友とし、その死後、琴の弦を断って二度と弾かなかったという故事に由来します。
「水魚の交わり」が、互いに欠かせないほど親密な関係を表すのに対し、「断琴の交わり」は、唯一無二の理解者との深い友情を表す言葉です。
参考:『デジタル大辞泉』、『故事俗信ことわざ大辞典』(ともに小学館)
「水魚の交わり」に関するFAQ
ここでは、「水魚の交わり」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「水魚の交わり」とは、どんな意味ですか?
A. 水と魚のように、切り離せないほど親密な関係を表す言葉です。
Q2. 「水魚の交わり」の由来は何ですか?
A. 中国の歴史書『三国志』の「蜀志」諸葛亮伝に由来します。
Q3. 「水魚の交わり」は夫婦にも使えますか?
A. 使えます。夫婦の間で使う場合は、互いを深く信頼し、相手の存在を欠かせないものとして大切にしている関係を表します。
最後に
「水魚の交わり」は、人と人との深い結びつきを、美しく伝えてくれる言葉ですね。由来や意味を知ると、ただ親しいだけではない、相手を大切に思う気持ちまで見えてきます。
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