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「好きと愛してるの違い」とは?
「愛してる」と「好き」の意味はとても近いものですが、両者には違いがあります。
「愛する」とは、「可愛がる」「慈しむ」という意味です。一方、「好き」は「気にいること」「心が惹かれること」を指します。違いが少しわかりにくいですね。
【愛する】
[動サ変][文]あい・す[サ変]
(1)かわいがり、いつくしむ。愛情を注ぐ。「我が子を―・する」
(2)異性を慕う。恋する。「―・する人と結ばれる」
(3)とりわけ好み、それに親しむ。「音楽を―・する」
(4)かけがえのないものとして、それを心から大切にする。「祖国を―・する」
(5)機嫌をとる。あやす。「よしよし、しばし―・せよ」〈平家・九〉
(6)気に入って執着する。「六趣に輪廻(りんゑ)することは、ただ一塵のたくはへをむさぼり―・するゆゑなり」〈今昔・五・一五〉【好き】
[名・形動]
(1)心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。「―な人」「―な道に進む」嫌い。
(2)片寄ってそのことを好むさま。物好き。また、特に、好色。色好み。「幹事を買って出るなんて、君も―だねえ」「―者」
(3)自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。「―なだけ遊ぶ」「どうとも―にしなさい」
(4)すき(数寄)
好きこそ物の上手なれ
(小学館 デジタル大辞泉 より)
そこで、「好きと愛してるの違い」について具体的に説明したいと思います。
ありのままを肯定できるのが愛
「愛してる」は無償の愛情です。「好き」は見返りを求めますが、「愛してる」は見返りを求めません。
恋愛に置き換えてみると、「好き」な相手には、もっとこうしてほしい、こうあってほしいとお互いに自分の理想を求めます。一方、「愛している」相手には見返りなどは求めず、そのままでいいよとありのまま受け入れることができるのです。
対象を絞ることができるのが愛
「好き」な人は複数いる場合もありますが、「愛している」相手は基本的にひとりだけです。
恋人と結婚相手の違いと言えばわかりやすいかもしれません。極端な言い方をすれば、恋人は何人でもつくることができますが、結婚相手はひとりだけ。「愛している」相手はほかのだれにも代えられない特別な相手なのです。
「好き」や「愛してる」を英語で表現するには?
英語で「好き」は「like」、「愛してる」は「love」だと思っていませんか? もちろん、それも正しいのですが、他にもいろいろな言い方があります。
I adore you.
「溺愛する」「熱愛する」というニュアンスでの「あなたを愛しています」という言い方です。
I am crazy about you.
「僕は君に夢中さ」といった具合でしょうか。「Crazy」は熱中する、夢中になっているという意味です。
I cherish you.
「Cherish」は大事にする、かわいがるという意味ですから、「君を大切に思っている」という雰囲気になります。
I wanna be with you.
よく歌詞などで耳にするするフレーズなのではないでしょうか。「あなたと一緒にいたい」「君といたい」、そんな愛情を伝える表現です。
I didn’t choose you. My heart did.
「僕が君を選んだんじゃない。僕のハートが君を選んだんだ」。欧米人らしい愛情表現です。
「好きと愛してるの違い」に関する名言を紹介
「好きと愛してるの違い」とは、「恋」と「愛」との違いとも言えます。これらを比較した名言をご紹介しましょう。
「恋とは自分本位なもの、愛とは相手本位なもの」美輪明宏
恋と愛について、自分と相手のどちらに中心があるのかを美輪明宏さんがこんな言葉で言い表しています。シンプルながら核心をついた言葉です。
「愛とは相手に変わることを要求せず、相手をありのままに受け入れることだ」ディエゴ・ファブリ
この言葉は、20世紀中期に活躍したイタリアの劇作家、ディエゴ・ファブリの言葉。お互いがありのままの姿を受け入れてこそ、そこに本当の愛が生まれるという名言です。
「強い愛は、別け隔てをせず、ただ与えるものです」マザーテレサ
貧しい人々のために生涯をかけて尽くしたマザー・テレサの力強い言葉です。愛はただ与えるもの。見返りなどは決して求めないというテレサの強い愛が感じられます。
「愛することは、ほとんど信じることである」ユゴー
フランスのロマン主義作家・ヴィクトル・ユゴーの言葉です。信じることで神の愛を得ることができるというキリスト教の愛について語られた言葉になります。この言葉は、男女間の愛にも言えることです。
「愛とは、お互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」サン=テグジュペリ
「星の王子様」で有名なサン=テグジュベリの言葉です。男女が見つめ合っているのが「恋」、同じ方向を向いて歩いていくのが「愛」。結婚を前に、今一度噛み締めたい言葉です。
「愛してる」と言ってくれない彼の本心とは?
長年付き合っている彼から、なぜか一度も「愛してる」という言葉を聞いたことがない人もいるかもしれません。「愛してる」と言わない男性の心理としては以下のような理由が考えられるようです。
「責任が持てない」と感じている
「愛してる」という言葉は誰にでも言える言葉ではありません。唯一無二の存在である人だけに言う特別な言葉です。そのため、責任感が強い男性ほど、その言葉をなかなか言えないようです。
結婚やそれに近い覚悟・準備が整わないうちには「愛してる」とは言わない場合も。反対に、すべての準備と覚悟ができたら、最高の「愛してる」を言ってくれるのです。
「恥ずかしい」と思っている
このタイプの男性は多いのではないでしょうか。要するにシャイなのです。言いたいけれど、恥ずかしくて言えない…。そんなふうに思っている間に長い年月が経ってしまっただけかもしれません。
しかし、女性からすると、やはり言葉にしてほしいものです。あまり長い間何も言ってくれないと不安になってしまいます。そんなときに「愛してる」と言ってくれる別の男性が現れたら…? 女心が揺れてしまいそうです。
言ったつもりになっている
「愛してる」と言う言葉ではないにしても、好きだという気持ちは普段からきちんと伝えてある。こんなふうに思っている男性は意外に多いものです。一方、女性のほうは、はっきり言われていない間は「愛してるって言われていない」と思っています。
「言わなくてもわかるだろう」とか、「言わなくてもわかりあえるのが最高の間柄」という考え方もありますが、こういう考えの持ち主の男性なら、「言わなくてもわかるだろう」とたかを括っているかもしれません。
「愛してる」と言わせるには?
「愛してる」と言わせたいときには、あなたから言ってみるのはどうでしょう。「愛してる」と言われれば、ちょっと恥ずかしいなとか、まだその時期ではないと思っている男性でも、その胸の内を話してくれるかもしれません。
ゆっくり「愛」を育んで
「好き」と「愛してる」の違いや名言を紹介しました。「好き」と「愛してる」の違いとしてもうひとつあげるとすると、「時間」ではないでしょうか。「恋」の始まりは一瞬かもしれませんが、それが「愛」となるまでは長い時間がかかります。
彼が「愛してる」と言ってくれない間は不安かもしれませんが、二人の「愛」を育てている期間だと思えば、必要な時間だと思うこともできます。ゆっくり、ていねいに二人の「愛」を育てていけるといいですね。
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