天佑神助とは偶然によって助けられること
「天佑神助」は「てんゆうしんじょ」と読み、偶然によって助けられることを表す四字熟語です。天や神の加護など、人の力ではない何かによって助けられる、ラッキーな状況を意味します。「天祐神助」と表記されることもあります。
てん-ゆう【天×佑/天×祐】
出典:小学館 デジタル大辞泉
天の加護。天のたすけ。天助。「—神助」
しん-じょ【神助】
出典:小学館 デジタル大辞泉
神の助け。「天佑神助」
「佑」も「助」も助けるという意味
天佑神助の「佑」は、助けるという意味があります。つまり「佑」も「助」も同じ助けるという意味の漢字です。同じ意味の言葉を重ねることで、意味合いを強調していると考えられます。
スピーチに用いられることも
天佑神助は、ビジネスシーンで頻繁に使われる言葉ではないでしょう。しかし、ビジネスにおける結果が運に左右されることも珍しくありません。そのため、「最善を尽くせば、必ず天佑神助がある」というように、スピーチなどで使われることもあります。
類似表現は「神佑天助」
天佑神助の類似表現には、「神佑天助」が挙げられます。読み方は「しんゆうてんじょ」で、天や神の助け、あるいは思いがけない幸運に見舞われることを意味する四字熟語です。「神佑」は神の助けであり、「天助」は天の助けです。
【例文付き】天佑神助の使い方
天佑神助は、日常的によく耳にする言葉ではないため、使い方がよくわからないという方もいるかもしれません。天佑神助を使った例文は下記の通りです。
・これだけ努力をしたのだから、あとは天佑神助があると信じるのみだ
・懸念事項が1つずつ解消されていったときは、思わず「これは天佑神助」とつぶやいた
・負け戦は確実だったが、心のどこかで天佑神助を期待していた
天佑神助のように「天」「神」が入る四字熟語
天佑神助と同じように、「天」や「神」といった文字が入る四字熟語には、「倶不戴天」「神機妙算」などがあります。天佑神助を覚える際に、まとめて関連した四字熟語をインプットすることで、効率的に語彙力を高められるでしょう。
それぞれの四字熟語の意味や使い方を解説します。
倶不戴天
倶不戴天は「ぐふたいてん」と読み、お互い強く憎み合っているほど険悪な間柄であることを意味する四字熟語です。「倶(とも)に天を載(いだ)かず」となり、倶不戴天は「ともに生きられない」という意味になります。
ここから転じて、相手とは一緒に生きられない、つまり生かしておけないと思うほどの強い恨みを抱いている状況にあるいえます。
非常に強い意味であるため、ビジネスシーンで使おうとする際には注意が必要です。
【例文】
・親子3代にわたっての倶不戴天の相手との関係性を見直すのは、容易ではない
・長い間の確執が原因となって、彼ら2人は倶不戴天の仲に変わってしまったと聞く
・顔も見たこともない相手なのに、例の件以降は倶不戴天の憎しみを抱えるようになった
・その2人の戦国武将は、倶不戴天の敵として何度も戦ってきたが、決着はつかないままだった
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神機妙算
神機妙算は「しんきみょうさん」と読み、人間の知恵では思いつかないような計略を意味します。「神機」は神が考えるようなはかりごとを、「妙算」も巧みで優れたはかりごとを意味する言葉です。
【例文】
・彼は神機妙算の達人だ
・利益が増え続けるような神機妙算があれば、ぜひ教えてほしい
・その辺の人が考えつくような作戦であれば、神機妙算とはいわないはずだ
・こんなにうまくいくなんて、これこそまさに神機妙算だ
天佑神助の意味を把握して使いこなそう
天佑神助は、天や神の加護などの人の力を超えた何かによって助けられることを表す四字熟語です。自分の努力によるものではない、予期しなかった幸運が舞い降りるイメージです。
天佑神助の「佑」の文字は、「祐」でも問題ありません。「佑」と「祐」のいずれも助けるという意味があり、「天や神の助け」を表します。また、天佑神助の類似表現としては、「神佑天助」が挙げられます。天佑神助との違いは、先にくるのが天か神かという点のみであり、意味は同じです。
天佑神助と同じように「天」「神」のいずれかの文字が入る四字熟語には、倶不戴天や神機妙算などがあります。天佑神助とあわせて関連した四字熟語を覚えられれば、語彙力は格段にアップしていくはずです。
天佑神助は、漢字を見ただけで意味を正確に予測することは難しい四字熟語の1つといえるかもしれません。この機会に意味を正しく理解して、スムーズに使いこなせるようにしましょう。
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