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「夫婦喧嘩は犬も食わない」の意味
「夫婦喧嘩は犬も食わない」は、「夫婦の揉めごとは大抵つまらないから放っておくにかぎる」という意味です。
夫婦喧嘩は、ほとんどの場合、他人にとってはどうでもいいこと。「夫婦喧嘩は当人同士でなければどうでもいいことだ」や「そんなつまらない物なんか放っておけ」というニュアンスの言葉として使われています。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」はなぜ「犬」が出てくるの?
それでは、なぜ「夫婦喧嘩」に「犬」という言葉が使われているのでしょうか。雑食性の犬は目の前においしそうな物があればどんな物でも(食べられない物でも)食べてしまうため、“そんな犬でも夫婦喧嘩のようなつまらないものは食べようとしない”という皮肉のようにもとれる言葉なのです。
時代を問わず、犬は日本人にとって身近な生き物。「犬も歩けば棒に当たる」「犬猿の仲」など、犬を使ったことわざも多く、日本人の生活とは切っても切れない縁がある生き物といえるでしょう。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」という言葉も、私たちの生活にごくごく自然な光景である些細な夫婦喧嘩と犬とを交えた、日本語らしいユーモアのある言葉ですね。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」の使い方と類義語を例文でご紹介
ここからは、「夫婦喧嘩は犬も食わない」の正しい使い方と類義語を、例文とともにご紹介します。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」の正しい使い方
「これ以上、旦那さんの愚痴を聞かせるのはやめてよね。ほら、夫婦喧嘩は犬も食わないって言うでしょ」
よほどの噂好きでないかぎり、よその夫婦の愚痴は聞きたくないものです。愚痴を聞かされる側のほうが使う言葉ですね。
類義語は?
「夫婦喧嘩は犬も食わない」によく似た意味の言葉として、次のようなものがあります。
1.夫婦喧嘩と西風は夜に入って治まる
2.夫婦喧嘩と北風は夜凪がする
1と2は「夫婦喧嘩は犬も食わない」とほぼ同じ意味で使われ、「夫婦喧嘩は夜になると自然と静かになる」というニュアンスを表したもの。たいしたことではない、いつものもこと、といった意味のようですね。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」の間違った使い方
「夫婦喧嘩は犬も食わない」という言葉は、間違って使われることもあるので注意したいところ。
<例文>
「新婚なんだからあんまり喧嘩はしないほうがいいよ。ほら、夫婦喧嘩は犬も食わないって言うでしょ?」
「夫婦喧嘩は犬も食わない」は基本的に、喧嘩に巻き込まれる周囲の側が「つまらない喧嘩なんて放っておいたほうが得だよ」というニュアンスで使われます。
上の例文のように、夫婦に対して「喧嘩なんてやめておきなさいよ」というニュアンスで使うのは正しい使い方ではないといえます。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」は英語でなんという?
日本ではお馴染みの言葉ですが、同じようなニュアンスの表現は外国にもあるのでしょうか?
英語で「夫婦喧嘩は犬も食わない」とまったく同じ表現はないようですが、直訳に近い表現があるのでご紹介します。
<例文>
・Even the dog does not interfere in a couple’s fight.
interfereは「干渉する」という意味。直訳すると、「カップルの闘い(喧嘩)は犬でさえも干渉しない」という意味になり、「夫婦喧嘩は犬も食わない」にとてもよく似たニュアンスですね。「dog(犬)」が入っているところも似ています!
上記よりももっと日常会話に近い言い回しもあります。
・It is not wise to interfere in a couple’s fight.
「is not wise to~」は「~するのは賢くない、得策ではない」という意味。直訳すると、「カップル(夫婦)の喧嘩に干渉するのは賢くない」という文になり、夫婦喧嘩は他人にとってはどうでもいいことだという意味が伝わりますね。
ほかにも、「夫婦喧嘩は犬も食わない」に似た表現は各国にあるかもしれません。いろいろ探してみてくださいね!
まとめ
「夫婦喧嘩は犬も食わない」という言葉、意味こそ「些細なこと」「他人にとってはつまらないこと」というニュアンスですが、調べていくと奥が深くて面白い言葉でした。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」なんて言われてしまわないように、夫婦喧嘩や夫婦の愚痴を人に言うのはほどほどにしておいたほうが良さそうですね。
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コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。