目次Contents
この記事のサマリー
・「白湯」とは水を沸騰させただけの湯を指し、飲むときの温度ではなく加熱の工程が基準です。
・「お湯」は水を加熱した状態の総称で、沸騰の有無や温度に関わらず広く使う言葉です。
・ウォーターサーバーのお湯は一般に沸騰していないため定義上の「白湯」には該当しません。
どちらも温めた水のように思える「白湯」と「お湯」ですが、明確な違いがあります。また、「ポットやウォーターサーバーのお湯は白湯なのか?」「湯冷ましやぬるま湯とは何が違うのか?」といった疑問を持つ人も多いようです。
この記事では、辞書に基づく定義をもとに、それぞれの違いと判断のポイントを整理します。
「白湯」と「お湯」の違いを整理
「白湯」と「お湯」の違いは、飲むときの温度ではなく、「加熱の工程」にあります。水をどのように処理したかが重要な分かれ目です。
「白湯」とは何か?
「白湯(さゆ)」は、水を沸騰させただけの湯を指します。
さ‐ゆ【▽白湯/▽素湯】
真水を沸かしただけの湯。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「白湯」は、温かい水ではなく、「一度しっかり沸騰させた水」であることです。飲むときに冷ましている場合でも、温度ではなく「沸騰したかどうか」が白湯かどうかの判断基準になります。
参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』、『日本大百科全書(ニッポニカ)』(すべて小学館)
「お湯」「湯冷まし」「ぬるま湯」との違い
「お湯」「湯冷まし」「ぬるま湯」も、それぞれの定義は異なります。
まず「お湯」とは、水を加熱した状態を指す言葉であり、沸騰しているかどうかは問いません。
一般的には40℃程度から90℃台まで、幅広い温度の水が「お湯」として扱います。
「湯冷まし」は、『日本大百科全書』(小学館)の記述によると「白湯を冷ましたもの」です。つまり、一度沸騰させた水を冷ました後の水が「湯冷まし」にあたります。
「ぬるま湯」は、30〜40℃前後のお湯を指す表現です。沸騰の有無には関係がなく、単に「ぬるい」という温度帯を示しています。
そのため、「白湯」を冷ますことで「ぬるま湯」の温度になることはありますが、意味としては別のものになります。

ポット・ウォーターサーバーのお湯は白湯になる?
「ポットのお湯は白湯になる?」「ウォーターサーバーで代用できる?」といった疑問には、加熱の工程から判断することができます。
電気ポット・ケトルの「お湯」の場合
「白湯」かどうかを判断する基準は「沸騰したかどうか」です。そのため、電気ポットやケトルで真水を一度しっかり沸騰させたお湯は、「白湯」に当たります。
ウォーターサーバーのお湯の場合
ウォーターサーバーの場合、加熱方式がポイントです。「白湯」は「水を沸騰させた湯」と定義され、100℃に達している必要があります。
一般的な機種の温度は80〜90℃前後であることが多く、定義上の「白湯」には該当しないことがあります。ただ、「再加熱機能」や「高温設定」ができるタイプの機種であれば、白湯に近い状態を作ることは可能でしょう。
また、水道水の場合は、塩素などを除去する意味でも、しっかり沸騰させることが推奨されています。
さらに、白湯の味にこだわるなら、使用する器具にも目を向けたいところです。『日本大百科全書』(小学館)によれば、南部鉄など鉄分の溶けにくい茶釜や鉄瓶で沸かした白湯は、味がいいとされています。
毎日の習慣として白湯を楽しみたい場合には、器具選びもひとつの工夫になるでしょう。
参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』、『日本大百科全書(ニッポニカ)』(すべて小学館)

「白湯」を飲むメリットを整理
ここでは、「白湯」を生活習慣の中で取り入れる際のメリットと、注意したいポイントを整理します。
「白湯」のメリットとしてよく挙げられる点
「白湯」は、日常生活で無理なく水分補給ができる手段のひとつです。カフェインや添加物を含まないため、胃腸への刺激が少なく、朝最初の一杯や寝る前の水分補給として取り入れる人もいます。
睡眠中は体内の水分が失われやすく、起床時は軽い脱水状態になることもあります。そのため、朝起きてすぐの水分補給は、体を目覚めさせる習慣として理にかなっていますよ。
また、「白湯」は薬を服用する際の飲み水としても適しています。お茶に含まれるタンニンは薬の成分と反応することがあるため、白湯で飲むことで影響を避けることができるそうですよ。
「白湯」を取り入れる際の注意点
白湯を飲んだからといって、すぐに体調の変化を感じるとは限りません。
効果の有無にこだわりすぎず、自分にとって無理なく続けやすいかどうかを基準に、まずは気軽に取り入れてみましょう。
参考:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)

「白湯とお湯の違い」に関するFAQ
ここでは、「白湯とお湯の違い」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. ポットで沸かしたお湯は、「白湯」と呼べますか?
A. 呼べます。 「白湯」の定義は「水を沸騰させただけの湯」です。電気ポットやケトルで一度沸騰させた水であれば、白湯に該当します。
Q2. 「白湯」を飲むメリットは医学的に証明されていますか?
A. 「白湯」は胃腸への刺激が少なく水分補給に適していますが、特定の病気の治療や予防など医学的な効果は、今のところ証明されているとはいえません。
Q3. 冷ました「白湯」は「湯冷まし」と呼びますか?
A. はい。 「湯冷まし」は「白湯」を冷ましたものを指します。一度真水を沸騰させる工程を経ていることが定義のポイントです。
最後に
この記事で、「白湯」は水を沸騰させた工程を経たもの、「お湯」は加熱された状態の総称という明確な違いを理解できたはずです。これらの定義や、ウォーターサーバーでの代用といった知識を活かし、「白湯」による水分補給の習慣を取り入れてみてください。
TOP画像/(c) Adobe Stock

監修:木村吏江(きむらりえ)さん
・デトックスアロマリンパマッサージ Lieru オーナーセラピスト
・オンラインスクール【Lieru式リンパセラピスト養成講座】講師
・ファスティングマイスター学院京都下鴨支部長
・プロフェッショナルファスティングマイスター
・健康美容食育指導士
・フランス式アロマライフスタイルテラピスト
・タカラジェンヌ、アスリートの施術やファスティングサポートも多数



