妊娠をした際、「職場にいつ報告したらいいの?」と、お悩みの方は、多いのではないでしょうか? 人によっては、「安定期に入るまでに報告するのは、早すぎる」という意見もあるでしょう。一方、「報告が遅すぎたかも。もっと早く言えば良かったと思う」という声もあるようです。これは、なかなか難しい問題ですよね。
そこで、この記事では、妊娠報告のタイミングや、注意点、失敗パターンなどを解説します。妊娠後に安心して働くためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。
妊娠報告が早すぎる人ってどうなの?
妊娠報告は、いつするべきか悩む方が多いのではないでしょうか? 結論から言うと、タイミングは人によって様々です。一般的には、病院でお腹の赤ちゃんの心拍を確認したあとが多いようですよ。
一方で、安定期に入るまでは報告しないという人も。「何かあった時に辛いので、安定してから言いたい」という人もいらっしゃるようですね。ただ、安定期に入るまでに、つわりなどがしんどいという人も。個人差はありますが、少なからず何か体調に変化がある可能性は、高いですよね。
もし体調不良などがある場合、無理をしないためにも、早めに伝えた方が良いかもしれません。妊娠中は、残業や休日出勤、深夜の仕事をしないことを請求することもできます。早めに共有することで、そういった配慮をしてもらいやすくなりますよ。
とはいえ、報告する時、どのような言い方をするか悩みますよね。次のような例文を参考にしてみてください。
例文:「おつかれさまです。突然のご報告で恐れ入りますが、先日病院で検査をしたところ、妊娠していることが分かりました。現在妊娠〇か月で、出産予定日は〇月〇日です。なるべく仕事に支障が出ないようにしますが、ご迷惑をおかけしてしまうことがあるかもしれません。そのため、安定期ではないのですが、早めにご報告させていただきました。つきましては、必要な対応について、相談のお時間をいただけますでしょうか?」
なお、通常は上司に直接伝えることが多いですが、完全在宅勤務の会社などでは、それが難しい場合もあるかもしれませんね。その場合は、電話やメールで連絡し、その後の話の進め方は、上司に相談するようにしましょう。また、「まだ職場全体に知られたくない」という人は、その旨も合わせて、相談するのが良いですね。
中には、「安定期に入ってから言うべき」という方も、いらっしゃるかもしれません。ですが、つわりや急な体調不良があることを想定して、早めに同僚にも伝えた方が、何かと配慮してもらいやすくなるでしょう。もし、「早すぎじゃないの?」と言われそうな場合は、「早すぎるかと悩んだのですが、何かあってからでは迷惑をかけるかと思い、早めにご報告しました」と経緯を先に説明するのも手ですよ。
チャットでの連絡の注意点
最近では、メールや電話以外に、チャットで連絡をするのが習慣になっている会社もあるでしょう。その場合、チームチャットなど、複数人が見ることができる形で連絡するのは、避けた方が良いでしょう。というのも、出産のために休む期間、誰がどの業務を引き継ぐかなど、上司が「今後のことを考える時間がほしい」ということが多いからです。
引継ぎなどが決まっていない段階で、職場に知らせてしまうと、「あの業務は誰がやるの?」や、「うちの部署は、これから大丈夫なの?」など、周囲が不安になってしまうということも。「先に今後の体制を決めてから部署内に報告したいので、少し待っていてほしい」という上司の事情もあるでしょう。ですので、まずは上司にダイレクトに相談した方が、安心ですね。
妊娠報告の失敗パターン
妊娠報告は、勢いで言ってしまうと、失敗する可能性もあります。特に、報告の順番は気を付けたいところ。仲良しの同期に話してしまい、会社中で噂が広まってしまったということもあるようですよ。後から聞いた上司からすると、「なぜ先に自分に言ってくれないの?」と思ってしまうでしょう。まずは、上司に相談の上、いつ職場の人たちに言うかを、慎重に考えていくのをおすすめします。
また、人によっては、妊娠を望んでいるのに、子供を授かれずに悩んでいることもありますよね。実際に、「後輩が妊娠して、心から祝福してあげたいけれど、複雑な気持ちになる」という声も聞きます。
また、「子供の名前をどうするか、洋服はどうするかなどを楽しそうに話しているのを見て、辛い気持ちになってしまった」という人もいらっしゃるようですね。職場では、妊娠報告は簡潔にして、詳しい話を自分から積極的にするのは、控えた方が良いかもしれません。
遅すぎるとどうなる?
実は、早すぎる報告より、遅すぎる報告の方が、トラブルのもとになることも。というのも、出産にあたり、休業期間の調整や、社会保険の手続きなど、会社がやることは盛りだくさんだからです。産休期間中に、誰が業務を引き継ぐかなどを考える必要も、出てきますよね。仕事内容によっては、追加で人の採用をすることも。多方面へ調整が必要なため、遅すぎると、「もっと早く言ってほしかった」ということになりかねません。
また、つわりがひどくて、仕事を休むこともあるでしょう。その際、妊娠を隠していると、「体調管理ができていない」などと言われることもあり得ます。上司から「仕事のやる気がないのか」と注意されてしまったというケースもあるようですよ。「本当は休みたいのに、注意されたことがショックで、休めなくなってしまった」という人も。体調不良でも言い出せず、無理に働いてしまう人もいらっしゃるようです。
ですが、お腹の子の健康のためにも、無理はしないようにしましょう。できれば、病院で妊娠の確認をした後は、少なくとも、上司の耳には入れておくようにするのが、無難かもしれません。単なる体調不良と、妊娠によるつわりでは、印象がかなり違うものです。早めに共有しておくことで、急に体調が悪くなってしまった時も、対応してもらいやすくなるでしょう。
最後に
この記事では、妊娠報告のタイミングや、注意点、失敗パターンなどを解説しました。妊娠報告の時期は、悩みどころですよね。不安な気持ちの方も、いらっしゃるでしょう。そんな人は、参考にしてみてくださいね。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン