「目標」と「目的」の違いとは?
「目標」と「目的」は、「もく」と読む同じ漢字が用いられており、似た場面で使われることが多い言葉です。それぞれの違いを知っていますか? それぞれの違いを押さえることは、仕事で結果を残していくうえで重要なポイントになります。
そこで、本記事では「目標」と「目的」の意味や違い、目標や目的を持つことの重要性などについて、一緒に見ていきましょう。また、上手な目標を立てることは、自身の仕事などのパフォーマンスを挙げることにもつながります。この機会に、目標を立てる習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
「目標」の意味
まずは、「目標」の意味からおさらいしていきましょう。「目標」には、大きく3つの意味があります。1つ目は、「達成できるように目印とするもの」。2つ目は、「行動を進めるうえで、実現を目指す水準」。そして3つ目が、「射撃や攻撃の対象」です。
日常生活やビジネスシーンなどでよく使われるのは、1つ目と2つ目の意味になります。
「目的」の意味
「目的」の意味も見ていきましょう。「目的」は2つの意味を含んでいます。1つ目は、「実現しようと目指す事柄」です。2つ目は、おもに倫理学で用いられ、「理性や意思が行動よりも先に行動を決定し、方向を定めるもの」という意味になります。
「目標」では、1つ目と2つ目の意味が、「目的」では1つ目の意味がそれぞれに通っていて、混同しやすいです。
「目標」と「目的」の違い【まとめ】
それぞれの意味を確認したところで、違いについて深堀していきましょう! ポイントは、どこに重点を置いているか、です。「目標」は、具体的な地点や数値に重点を置き、具体性があります。
例えば、「来年度までに、売り上げを10パーセントのばすことが目標だ」「目標は、〇月までに3キロ体重を落とすことだ」のように、達成するための具体的手段を表す言葉です。
一方、「目的」は、内容に重点を置いています。「目標」よりも長期的かつ抽象的なイメージです。最終的なゴールと捉えてもいいかもしれません。
例えば、「利益を拡大し、新しい店舗をオープンさせる」「入らなかった服を着られるようになる」などが挙げられます。
これらを達成するための具体的な手段が、「目標」となるのです。「利益を拡大し、新店舗をオープンするために、来年度までに売り上げを10パーセントのばす」「入らなかった服を着るために、〇月までに3キロ体重を落とす」ということになります。
つまり、目的を達成するための目標という構図があるのです。
目標や目的を持つことの重要性
少しややこしかったですが、それぞれの関係性は整理できましたか? ここからはさらに具体的に見ていきましょう。とくにビジネスシーンにおいては、目標や目的を持つことが重要だと言われています。
しかし、ただやみくもに目標と目的を設定しても意味がありません。なぜ必要なのか、どのような効果があるのかを理解したうえで、ふさわしい目標や目的を設定しましょう。
1:自分の能力を高めるため
目的は「こうなりたい」という理想のすがたでもあります。目指す理想をつくることで、今の自分よりもさらに高次の自分に至るビジョンが見えてくるのです。すると、自分がこれから何をすれば良いのかという目標も立てられます。
それはきっと、何もしない日々よりも刺激的で記憶に残る日々になるはずです。
2:毎日のモチベーションになる
重要性1でも述べましたが、「なりたい像」を明確化することで、至るまでの道が分かりやすくなります。分かりやすいと、努力できるだけでなく、自分の成長のほども感じやすくなるのです。
「自分はこんなに変われるんだ」「努力できるんだ」というポジティブな気持ちは、毎日のモチベーションにつながります。
3:客観視できるようになる
目標や目的は、現状を把握することで新しく立てることができます。今の状況が分からないのに、「売り上げを10パーセントのばす」と言っても意味がありませんよね。目標や目的を立てることは、「今がどういう状況で、どのくらいの結果が出ているのか、そして次のステップに進むためにはどうしたら良いのか」を考えるきっかけになるのです。
上手な目標の立て方を紹介
最後に、目標の立て方について一緒に考えていきましょう。目的はいわゆる最終的なゴールなのでやや漠然としていても大丈夫です。より重要なのは、目的を達成するプロセス、つまり細かな目標になります。
1:簡単な目標から立てていく
ポイントは、「達成感」。いきなりハードルの高い目標を設定するのはリスクが大きいです。途中で挫折してしまう可能性があります。はじめはハードルを低めに設定し、達成感を得られるようにしましょう。継続できなければ、意味がないからです。
2:具体的な数値を目標にする
目標はなるべく数値化したり、目に見えるかたちにしたりするのがおすすめ。これは達成感とも繋がってきますが、数値化すれば達成できたか否か一目で判断できるからです。
3:期限を決める
だらだらと続けるのは、あまりよくありません。モチベーションの維持が難しくなり、中だるみしてしまう可能性があります。終わりが分からない挑戦よりも、終わりが見える挑戦のほうが取り組みやすいです。
最後に
本記事では、「目標」と「目的」の違いについて紹介しました。とくにビジネスシーンでは、両者をバランスよく応用することで、業績につながります。ぜひ、本記事をひとつの参考にしてみてくださいね。
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