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この記事のサマリー
・「ご武運を」は、武運=戦いの勝敗の運命がいいよう相手へ祈る気持ちを伝える言葉です。
・本来は出陣する相手に向け、勝利と幸運が長く続くよう敬意を込めて願う言葉です。
・返事は「ありがとうございます」で十分です。
「ご武運を」と言われたら、なんと返事をしたらいいか、迷ってしまいますよね。中には、「時代錯誤!?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、最近では『キングダム』や『鬼滅の刃』など、人気漫画やアニメでも登場し、若い人や子どもたちにもよく知られる言葉となりました。
そこでこの記事では、「ご武運を」の意味から勝負前の励ましとして使うコツ、避けたい状況、返答方法まで整理して紹介します。
「ご武運を」とは?
アニメを観ていた子どもたちから「『ご武運を』ってどういう意味?」 と聞かれたら、とっさに答えられますか? 改めて考えたことがなかった人も多いのでは? まず初めに、「ご武運を」という言葉の意味から確認しましょう。
意味
「ご武運を」とは、もともと、戦や戦争に出陣する人に対して「勝ってください」「生きて帰ってきてください」という意味で使われていました。そこから、現代では、大きなプロジェクトや商談、試験の前に「頑張ってください」「成功を祈っています」という意味で使われることもあります。
「武運」について、辞書では次のように説明されていますよ。
ぶ‐うん【武運】
戦いの勝ち負けの運命。また、武士・軍人としての運命。「―の長久を祈る」「―つたなく敗退する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
使う際の注意点
現代でも使われているとはいえ、あまり日常生活やビジネスシーンで頻繁に耳にするセリフではありませんよね。使う時には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか? 確認しておきましょう。
読み方に注意
まず、読み方ですが「武運」は「ぶうん」と読みます。「むうん」や「たけうん」ではありません。「武運」には「戦いの勝ち負けの運命」や「武士・軍人としての運命」という意味があります。お金の運命を金運、仕事の運命を仕事運などと言ったりするのと同様ですね。
TPOは適切か?
そもそも戦や戦争に出陣する人に対して贈った言葉ということもあり、「ご武運を」は命の危険や死を連想させてしまうこともあるかもしれません。しかし、現代では武器を持った身体的な「戦い」は身近なものではなくなり、「戦い」といえば、もっぱら議論の場ではないでしょうか?
前述したように、現代では、仕事で大きなプロジェクトや商談、受験などの試験に臨む時にも、「ご武運を」という言葉を使うことが可能です。しかし、ビジネスシーンや日常生活で使う時は、相手との関係性やその場の状況など、「ご武運を」という言葉を使うことが適切か、一度考えてから使うように心がけましょう。

返事の仕方は?
「ご武運を」を言われた場合、どのように返事をするのが適切なのでしょうか? 堅い表現で返すのであれば、「恐悦至極に存じます」という言葉があります。「きょうえつしごくにぞんじます」と読み、意味は、目上の人などに関して、かしこまりつつもこの上なく喜ぶこと。
しかし、「頑張ってください」「成功を祈っています」というニュアンスで「ご武運を」という言葉を贈られたのであれば、素直に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えれば十分です。
相手も、自分と同じタイミングで勝負事を控えている場合は、同じように「ご武運を」と返してもいいでしょう。
使い方を例文でチェック!
「ご武運を」を使った言い方には、他にどのようなものがあるのでしょうか? いくつか紹介します。
「ご武運を祈ります」
「ご武運を」は、後ろに「祈ります」という言葉をつなげることができます。より丁寧に言いたいときは「お祈り申し上げます」とすると、なおいいですね。
「ご武運を願います」
「祈ります」だけではなく「願います」と続けることもできます。「祈ります」と同様、「お願い申し上げます」とすれば、さらに丁寧です。
「どうか、ご武運を」
「ご武運を」の前に「どうか」とつけることもできます。より強く気持ちが伝わりそうですね。
類語や言い換え表現は?
「ご武運を」という言葉を、他の言葉で言い換えることはできるのでしょうか? この機会に、様々な表現を確認しておきましょう!
「ご健闘をお祈りします」
「健闘」とは、困難に屈せずに頑張って闘うことです。「ご武運を」よりも、勝利という結果にこだわらず、いい闘いができるよう過程に重点を置いている印象があります。

「武運長久をお祈りします」
「武運」という言葉はそのままに、「武運長久をお祈りします」という言い方もあります。「長久」とは、長く続くことで、永久や永遠と同義です。平安時代中期の年号になっていたこともあります。
「武運長久をお祈りします」といえば、武運が長く続くことを、つまり、「戦いの中で幸運が長く続きますように」という願いが込められています。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
逆の意味は?
「武運拙く(ぶうんつたなく)」は、武運に恵まれず敗れる、という趣旨の言い方です。「武運拙く敗れる」のように用いられます。
ただし、「ご武運を」のように相手へ贈る挨拶として使う言葉ではありません。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
英語表現は?
最後に、「ご武運を」の英語表現も確認しておきましょう。
good luck
“good luck”(幸運を祈る、うまくいくよう願う)は、相手の成功や無事を願うときの定番表現です。
“Good luck!”(幸運を!)とシンプルに言えますし、“I wish you good luck.”(幸運を祈っています)の形でも伝えられます。
I wish you the best.
“I wish you the best.”(うまくいくことを願っています、成功を祈っています)は、相手にいい結果が訪れるよう願う言い方です。
丁寧でやわらかい響きがあり、幅広い場面で使えます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

『キングダム』や『鬼滅の刃』でも使われた?
漫画を原作とした人気アニメ、『キングダム』と『鬼滅の刃』。この2作品で、物語の中の登場人物が「ご武運を」というセリフを言ったことで、最近若者や子どもたちにも「ご武運を」という古風な言葉が知られるようになったとか。
どんなシーンで使われているか、気になる人は作品をチェックしてみてくださいね。
「ご武運を」に関するFAQ
ここでは、「ご武運を」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「ご武運を」の意味は?
A. 武運(戦いの勝ち負けの運命、また武人としての運命)がいいように、と相手の幸運を祈る言葉です。
Q2. どんな場面で使うのが自然?
A. 勝負に臨む相手へ、成功や無事を願って伝えるのが自然です。
Q3. 返事はどうすればいい?
A. 「ありがとうございます」で十分です。
最後に
「ご武運を」という言葉について意味や使い方、言い換え表現や英語表現を解説しました。古風で堅いイメージもあり、使う時は注意が必要な場面もありますが、人気アニメや漫画でも使われる「かっこいい」セリフでした。
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