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2025.10.10

「仁義を切る」は怖い言葉じゃない! 意味・使い方・ビジネスシーンでの言い換え表現をわかりやすく解説

現代において「仁義を切る」とは、仕事や人間関係を円滑にするため、関係者や先任者にあいさつをしておくことを意味します。本記事では、「仁義を切る」の意味や使い方、背景、注意点、類語表現、例文、よくある疑問と回答を紹介します。

この記事のサマリー

・「仁義を切る」は、現代のビジネスシーンにおいて、「礼を尽くす」「筋を通す」という意味で使われています。
・もともと博徒や香具師の間で交わされた形式的な初対面の挨拶を指します。
・言い換え表現には、「挨拶回り」「根回し」「礼を尽くす」などがあります。

「仁義を切る」という言葉を耳にしたことはありますか? 一見すると映画や時代劇のセリフのようですが、実は現代でも「礼を尽くす」行為を指す言葉として使われることがあります。特に社会人の間では、「取引先に仁義を切る」「部署異動で仁義を切る」といった形で使われることも。

この記事では、辞書に基づく正しい意味と成り立ちを解説しながら、ビジネスでも自然に使える「仁義を切る」の理解と活用法をわかりやすく紹介します。

「仁義を切る」とは? 本来の意味と現代での使われ方

まずは、「仁義を切る」の意味から確認していきましょう。

本来の意味と起源

「仁義を切る」とは、博徒や香具師(やし)、露天商などの仲間内で、初対面のときに独特の形式に基づいた挨拶を交わすことを指します。

この挨拶には一定の形式があり、互いに「仲間として認め合う」ための儀礼的行為とされています。このような形式化されたやりとりは、仲間意識や信頼関係を築くための象徴的な行為でした。

辞書では次のように説明されています。

仁義(じんぎ)を切(き)・る
ばくち打ち・香具師(やし)などの間で、独特の形式に基づいた初対面のあいさつを交わす。また転じて、事をなすにあたって、先任者・関連部署などにひととおりのあいさつをしておく。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

現代ビジネスでの転用

時代が移るにつれ、「仁義を切る」は仕事や人間関係を円滑にするため、関係者や先任者にあいさつをしておくことを意味するようになりました。

例えば新しい部署に配属されたとき、先輩や関連部署へ「挨拶をしておく」こと。あるいは取引先に訪問する前に関係各所へ一言伝えることも「仁義を切る」にあたります。

職場では「事前に礼を尽くす」行為として使われ、礼節と誠意を伝える社会的マナーとして定着しています。

握手をする女性
(c)Shutterstock.com

「仁義」とは何か? 言葉の背景と思想的ルーツ

「仁義」という言葉には、単なる儀礼や挨拶を超えた「人としての筋道」が込められています。ここでは、その二文字が持つ意味と、かつての日本社会でどのように受け継がれてきたのかを見ていきましょう。

「仁」と「義」|儒教における意味

「仁義」の「仁」は「他者への親愛」、「義」は「道徳的規範意識」を意味します。元は、中国の戦国時代の儒者・孟子(もうし)の説でした。これを孔子が継承し、明確化したのです。儒教において、仁と義は人として守るべき徳の基本とされてきました。

「仁義」という言葉の使われ方

日本において、「仁義」は道徳上守るべき筋道や、義理という意味で使われるようになりました。「仁義を通す」「仁義を欠く」といった言葉が「人としての礼節」を示す表現として今も使われています。

「仁義を切る」をビジネスで使うときの注意点

「仁義を切る」は便利な言葉ですが、使う相手や場面を誤ると堅苦しい印象を与えることもあります。言葉の由来と現代でのニュアンスの違いを理解し、場にふさわしい使い方を心がけましょう。

誤解されやすいポイント

「切る」という語が持つ鋭い響きから、「対立する」「関係を断つ」という意味に誤解されることがあります。特に若い世代には馴染みが薄く、「怖い言葉」と受け取られる場合もあるため注意が必要です。

相手が言葉の背景を知らないときは、無理に使わず「ご挨拶をしておきます」などの表現に置き換えるのが無難です。

適切な場面と使い方

社外の取引先を初めて訪問する際や、新しい部署で関係者に挨拶する場面では、内輪で「仁義を切る」を使うことができます。

例えば、社内での打ち合わせにおいて「まず関係各所に仁義を切ってから本件に入りましょう」といった使い方は、礼を尽くす姿勢を伝えられるスマートな表現です。

会議で称賛される女性
(c)Shutterstock.com

「仁義を切る」の類語や言い換え表現

ここでは、同じような意味を持ちながら、より自然に使える言い換え表現を紹介します。

ビジネスでの言い換え3選

相手や状況に応じて以下のような言い換え表現が考えられます。

・挨拶回り:もっとも一般的な言い換え。謝意や敬意を述べて、あちこちに挨拶することを意味します。
・根回し:相手にあらかじめ話を通しておく行為を指します。
・礼を尽くす:敬意を示すことを指します。上品で汎用性が高く、文書でも使いやすいでしょう。

シーン別の使い分け

上司や取引先などフォーマルな関係では「礼を尽くす」や「ご挨拶に伺う」を。同僚や社内のチームに対しては「一言伝えておこう」などが自然です。

また、根回しの場面では「先に一報を入れておく」と表現を変えることで柔らかく伝わります。

相手に圧を感じさせない、自然な言い方を心がけたいですね。

「仁義を切る」を使った例文

意味を理解しても、実際に使うとなると迷う人も多いでしょう。ここでは、会話やビジネスメールでの使い方を例文で紹介します。シーン別にトーンの違いも意識してみてください。

会話シーンの例文

・「新しいプロジェクトを始める前に、関係部署へ仁義を切っておこう」
・「競合との協議に入る前に、先方へ仁義を切っておきます」
・「明日から別チームになるから、みんなに仁義を切らなきゃね」

どの文も、事前の挨拶という意味があります。

ビジネスメール・文章での例文

・「本件に着手する前に、関係部署へご挨拶をしておく予定です」

メールなどでは「仁義を切る」よりも「ご挨拶する」などと置き換える方が自然でしょう。

書類を確認する
(c)Shutterstock.com

「仁義を切る」に関するFAQ

ここでは、「仁義を切る」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1. 「仁義を切る」はどんな場面で使えますか?

A. 事をなすにあたって、事前にひととおりの挨拶をする際に使えます。

Q2. 「仁義を切る」を使うときの注意点は?

A. 「仁義を切る」という言葉は、初めて聞く人には誤解を与えることがあります。相手の理解度に応じて慎重に使いましょう。

Q3. NGな使い方はありますか?

A. 「仁義を切る」を「関係を切る」「断る」といった否定的な意味で使うのは誤用です。

この言葉は「挨拶をする」「礼を尽くす」というポジティブな行為を指します。

最後に

「仁義を切る」という言葉は、古風な印象を持ちながらも、人間関係の基本である「礼を尽くす心」を象徴しています。相手を大切にする姿勢こそが、現代の仁義のあり方。

この言葉の背景を知れば、日常の挨拶やコミュニケーションにも、これまでより少しだけ温かみと知性を添えられるかもしれません。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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