出産祝いのお金を贈る準備は
出産祝いにお金を贈る際、お金を入れる熨斗袋(のしぶくろ)が必要になりますが、熨斗袋の書き方がわからないと、戸惑いますよね。慌てて間違った書き方をしてしまい、相手に失礼なことをしてしまったというようなことは避けたいもの。新しい命の誕生を喜ぶ大切なお祝いだからこそ、マナーをきちんと押さえておきましょう。
熨斗袋の書き方にはいくつかのマナーがありますが、いずれも難しくはありません。まずは熨斗袋を書くときに用意するものから見ていきましょう。
出産祝い用熨斗袋を書くとき、用意するもの
出産祝い用熨斗袋を書く場合は、以下のものを用意しましょう。
・筆ペン、毛筆、太めの黒色サインペンのいずれか
・出産祝い用熨斗袋
・連名で人数が多い場合は、白紙(A4サイズ。コピー用紙や便せん、和紙など)
・お金は全て新札(新しいお札)を用意
個人で出産祝いのお金を贈る場合、白紙は必要ありません。
出産祝い用熨斗袋の選び方
出産祝い用に熨斗袋を用意する場合は、以下のポイントを押さえましょう。
熨斗袋は水引の本数と結び方に注意
特に注意してほしいのが、水引です。水引とは、熨斗袋正面にある紐状の飾りのこといい、さまざまな色や形があります。
・水引の色
出産祝いなどのお祝い事では、紅白の水引のものを選びましょう。贈る相手が親しい間柄であれば、水色やピンクの水引を選ぶのもいいでしょう。
・水引の本数
出産祝いの場合、水引の本数は3本もしくは5本のものを選びます。奇数はおめでたい数字と認識されているため、出産祝いに適しています。
・水引の結び方
水引の結び方は複数ありますが、それぞれに込められている意味があります。お祝い事であっても、選ぶ水引を間違えるとマナー違反になりますから、その点を意識しましょう。出産祝いに適しているのは「蝶結び」と呼ばれるリボンの形に似た形状のものです。蝶結びは何度も結び直せることから、何度あっても喜ばしい出産祝いに適しているとされています。
熨斗袋の色やデザインの選び方
出産祝い用熨斗袋の色やデザインはどのようなものを選べばよいか、見ていきましょう。
熨斗袋の色は、基本的には白のものを選ぶのが無難ですが、贈る相手が気心の知れた間柄であれば、おしゃれなものやカジュアルなデザインのものでもいいですね。
今は、かわいい絵や柄付きのもの、リボンを使ったものなど、見ているだけで楽しくなるデザインの熨斗袋がたくさん発売されています。出産祝いを贈る相手の好みに合わせて選ぶと喜ばれるかもしれません。
出産祝いのお金を入れる熨斗袋の書き方
熨斗袋の書き方を見ていきましょう。熨斗袋には「表書き・中袋」があります。使うのは筆ペンや毛筆にしましょう。濃い黒色のもので、大きく字を書きます。毛筆に近い太めのサインペンでもいいですが、サインペンも色は黒です。
表書きの書き方
表書きには以下のことを書きます。
・名目
水引の上部中央には、お祝いのお金を贈る目的を書きます。出産祝いの場合は、「御出産御祝」「ご出産御祝」などが適しているでしょう。
・記名
水引の下部中央は、贈り主の名前をフルネームで書きましょう。名目よりも、少し小さめに書くのがいいとされています。名目とのバランスを見ながら、違和感が生じないように書きます。
中袋の書き方
中袋とは、出産祝いに贈るお金を入れる袋のことです。中袋にも書き方のマナーがあります。
・お金の額の書き方は、金額欄もしくは上部中央に
中袋には、お金の額を記入する欄があるタイプのものと、そうでないものがあります。金額欄がないものは、中袋表上部中央に金額を書きましょう。一般的なお金の額の書き方は、「漢数字もしくは大字を使い、縦書きで大きめ」ですが、横書きであれば普段使っているアラビア数字を使ってもいいとされています。
・お金の額を漢数字もしくは大字で書く場合の例
5,000円:金 伍阡圓
10,000円:金 壱萬圓
30,000円:金 参萬圓
50,000円:金 伍萬圓(五でも可)
100,000円:金 壱拾萬圓
お金の額は合計金額を書きましょう。「圓」は「円」を使っても大丈夫です。金額の最後に「也」をつける例もありますが、なくてもいいとされています。
・裏には贈り主の情報を
中袋の裏面下部左側には、贈り主の「郵便番号・住所・名前」を書きます。出産内祝いを贈られた人は、この中袋を見て内祝いの準備をすることが多いので、住所は番地や部屋番号までしっかりと書いてください。
出産祝いでお金を贈るとき、注意したいこと
出産祝いをお金で贈るときは、以下のことに気をつけましょう。
熨斗袋を書くときに注意したいこと
毛筆や筆ペン、サインペンの黒色が薄かったり、かすれていたりしないか注意しましょう。薄い黒は弔事の時に使います。また、細いサインペンも避けましょう。
表書きの名目は、可能であれば4文字を避けます。偶数は不吉と捉えることがあるためで、5文字にする、漢字と漢字の間を一文字開けるなどをおすすめします。
また、お金の額を漢数字で書く場合は、「一」「二」「三」などを避けましょう。略式の印象を与える可能性があるからです。
贈り主が複数人になる場合、注意したいこと
出産祝いを複数人で贈る場合、名入れは以下のようにするといいでしょう。
<夫婦や家族で贈る場合>
中央に代表となる人のフルネームを書き、左にその他の家族の名前を書きます。人数が多い場合は、代表者の横に「家族一同」と書きましょう。名字が異なる場合は、それぞれのフルネームで書きます。
<3名で贈る場合>
全員フルネームとし、右から五十音順または目上の人順で名前を書きます。
<4名以上になる場合>
中央に代表となる人のフルネーム、その左側に「他一同」と書きます。
<職場単位で贈る場合>
「○○部一同」「○○課一同」と書くといいでしょう。
複数人で贈ると、中袋の裏に贈り主の住所を書ききれないことがあります。その場合は、表書きと同様に名前を書き、全員の住所や名前は別途A4サイズの白紙に書いて同封するといいでしょう。職場単位で贈る場合は、全員の住所を書く必要はありません。
中袋に出産祝いのお金を入れるときに、注意したいこと
出産祝いのお金は全て新札で用意します。中袋へ入れる際は、お札の人物画を表にし、中袋の表面と揃えて入れましょう。中袋からお札を出す時、人物画から出るのが正解です。中袋を糊付けする必要はないとされますが、封止め用シールがあれば、使うといいでしょう。
なお、出産祝いのお金を直接渡す場合は、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。袱紗の色は、慶事に使う暖色系を選びましょう。
最後に
出産祝いでお金を贈るとき熨斗袋を使いますが、熨斗袋をどう書けばいいか迷いますよね。熨斗袋の書き方で注意したいのは、太くて濃い黒の毛筆や筆ペンなどを使うこと、漢数字を使うことなどです。また、お金の入れ方や贈り方にもマナーがあります。出産祝いのお金を贈る準備は早めにしておきましょう。
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