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2023.02.25

どうやって人を活かすか? 知っておきたい動機づけの基礎知識を解説

「やる気が出ない」「続かない」という経験は誰にでもあるもの。そんなとき、動機づけをすることで集中して物事に取り組めるようになります。この記事では、動機づけの意味や関連する理論などついて解説します。さらに、人の動機づけを高める方法も紹介するので、ぜひ実践してみてください。

動機づけとは?

人が行動を起こす時、そこには意志や意欲の存在がするものです。継続的に行動するには、意欲や意志を調整するための動機づけが重要になります。この記事では、動機づけについて解説しましょう。

そもそも動機づけとは、人が何らかの行動をするための原動力を与えて、目標に向かって維持・調整する過程や機能のことを指します。外発的動機づけと内発的動機づけの2つがあり、外発的動機づけは外部(自分以外)からの要因による動機づけで、内発的動機づけは自己内部からの動機づけです。英語では「motivation」と表現されます。

動機づけは、個人や組織にとって非常に重要です。仕事の点から考えると、適切な動機づけがあることで、人は仕事に対する熱意を持ち、効率的かつ生産的な仕事をするように心がけることができます。

パソコンの前でメモをとる女性
(c)Shutterstock.com

また、メンバーが主体的に仕事に取り組むことで、創造的な力を発揮することができ、仕事に対するやりがいや満足感も高まるもの。そのため、企業などが社員の動機づけに積極的に取り組むことは、労働生産性の向上や会社全体の発展につながると言われています。

外発的動機づけについて

外発的動機づけは、報酬や評価、罰則や賞賛など外的要因によってモチベーションを高めることです。わかりやすく言うと、「このプロジェクトが成功すれば出世して、給料も上がる」「期限までに終わらせないと大変なことになる」といったことが外発的動機づけに該当します。

外発的動機づけは、とりわけ意欲が強くない人に対して行動を促すことができるので、短期間で行動を変えさせたい時は有効です。ただし、外発的動機づけは、結果として求めた水準以上の結果を期待しにくい側面も。

また、刺激を与えられた本人が報酬・罰則になれてしまうと効果が薄れてしまいます。外発的動機づけのやり方次第では、内発的動機づけを低減させてしまう可能性もあるので注意しましょう。

内発的動機づけについて

内発的動機づけは、自己内部からの興味・関心・楽しみなどによってモチベーションを高めることです。これは、行動要因が自己実現感や楽しみ、好奇心や関心などによるものであり、行為そのものが目的となるわけですね。

キャンプをする女性
(c)Shutterstock.com

内発的動機づけを持っている人は、取り組んでいることに対して自発的に行動する傾向があり、それが新たなスキル・能力を獲得する機会につながります。また、内発的動機づけは、外発的報酬による動機づけが不足している場合に、自発的に活動を継続するために役立つことでしょう。

動機づけに関係する理論について

動機づけに関しては、心理学から理論が提唱されています。いくつかの理論を見ていきましょう。

1:欲求5段階説

アメリカの心理学者であるアブラハム・ハロルド・マズローは欲求5段階説を唱えました。人間が持つ欲求を5つの段階に分類し、その欲求がどのように満たされるかを示した理論です。

具体的には、生理的欲求・安全欲求・所属と愛情欲求、自尊欲求、自己実現要求という5つの欲求があると言われています。生理的欲求が最初に満たされ、次に安全欲求、所属と愛情欲求、自尊欲求、最後に自己実現欲求が満たされるとか。この理論は、マネジメントや教育などの分野でよく引用されているようです。

2:衛生理論

衛生理論は、アメリカの心理学者であるフレデリック・ハーズバーグによって提唱された理論です。ハーズバーグは、仕事に対する満足の要因と不満足の要因は独立したものであると考え、前者を動機づけ要因、後者を衛生要因と区別しました。

この理論によると、動機づけ要因(仕事の達成感、責任範囲の拡大、能力向上や自己成長など)を与えることにより、満足を高め、モチベーションを向上させることができます。一方、衛生要因(会社の方針、管理方法、労働環境、作業条件など)に対しては、手を打つことにより不満は解消することが可能。ただし、それで満足感やモチベーションが高まるとは限らないということを、フレデリック・ハーズバーグは提唱しています。

オフィスで談笑する男女
(c)Shutterstock.com

動機づけを高める方法

動機づけを高めることは、マネジメントの一つと言えるでしょう。動機づけを高める方法としては、目標設定やフィードバック、面接や研修などが挙げられますね。ここでは、動機づけを高めるいくつかの方法を解説しましょう。

1:目標設定

実現可能な範囲において具体的な数値や期限を設けることで、やる気を向上させる・達成感を見込むことが可能になります。当人の能力よりも少し上のレベルの目標を設定し、「頑張れば達成できるかもしれない」と思うことで、動機づけにつながるでしょう。

反対に、あまりにも実現可能性に乏しい目標を設定してしまうと、そこに至るまでのプロセスを描くことができなくなり、モチベーション低下につながるかもしれませんね。

2:フィードバック

当人の取り組みに対して、適切なタイミング・内容でフィードバックを行うことで、自分の成長を実感し、モチベーションを高めることができるでしょう。改善点や評価点を把握することで、次にどうすべきかがわかるようになり、動機づけにつながるわけですね。

3:成長機会の提供

成長機会を提供することで、新しいスキルや知識を習得し、それによって能力が向上。個人や職務における成長を実現することができます。その結果、当人は自己実現などの欲求を満たすことができ、仕事への主体的な取り組みを促進できるでしょう。

IT企業を例に挙げると、社内で勉強会を開催する、勤務時間中でのプログラミング言語のイベント参加を認めるといったことが考えられますね。

最後に

動機づけは個人や組織の成果につながる重要なものです。外発的動機づけと内発的動機づけを組み合わせて、いかに持続的かつ主体的な行動を引き出すかが重要になります。この記事をひとつの参考に、自他に対する動機づけの手段を身につけてみてくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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