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2022.11.03

<30代の不妊治療 最終回>体外受精移植後と、3年以上の経験から見るターニングポイントは…

妊活歴が3年目に突入した主婦ライター・34歳クロサワキコの不妊治療体験レポ Vol.121(最終回)。夫の精索静脈瘤の手術や人工授精、体外受精とステップアップを重ねていくなかで感じてきたリアルな本音をお届け。今回は、体外受精の移植後、判定日までの話。

フライドポテトに渡り蟹のパスタ… 移植後のジンクスに興味深々【30代からの不妊治療】

妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。

前回は、体外受精の移植が終わった後の話をお届けしました。今回は、体外受精の移植後、判定日までの話。

フライドポテト
(c)Shutterstock.com

不妊治療中、私が参考にしていたのがTwitterです。ステップアップをしたり新しい薬を使ったりする時に、ほかの人はどんな気持ちで過ごしているのか、どんな様子で何に備えていたか、など当事者の経験談をチェックする感じで使っていました。

ただ、不安な気持ちが強い時はその検索の手を止められなくなってしまうので、お休み周期の時からは、なるべく他の人の話は見ないようにしていたのですが、無事に移植まで終わってあとは判定待ち! となったこのタイミングで「一緒の時期に採卵を頑張ったフォロワーさんたち、どうしているかな?」と気になり、またまた調べてしまいました。

すると、かなり高い割合で皆さん陽性判定をもらい、不妊治療アカウントを卒業し、マタニティアカウントに移行していたのです。あの時のみんな、もう妊婦さんになったんだ! と、自分のことのように喜びがこみ上げてきました。そして、皆さんの判定待ちだった頃の様子をさかのぼって読んでみると、あることに気が付きました。

無事にマックに駆け込みました」とフライドポテトの写真をアップしている人や、「事前に調べておいたイタリアンで渡り蟹のパスタを注文!」と美味しそうな食事の様子を紹介している人。どうやらコレ、全部“着床する”とSNS界隈ではすごく有名なジンクスのようです。しかも、結構みんなちゃんとやってる!

なにか医学的な根拠があるわけではないのですが、こういうおまじないを信じてやっていた人たちが、しっかり妊娠してマタニティアカウントにいるという現実に直面。私は移植翌日にこれらのジンクスの存在を知ったわけですが、まだ間に合う! と謎の自信で、大急ぎでマックへ向かいポテトを食べ、渡り蟹のパスタはスーパーでレトルトソースを見つけて自分で作りました。

いつもの夫なら「ジンクスでしょ?」と、呆れてるのですが、「あとで後悔しないためにできることは全部やっておこう」と大真面目に付き合ってくれました。

フライング検査はする? 病院での判定日待ちの日々

妊娠検査薬
(c)Shutterstock.com

移植後、翌日以降もびっくりするほど、体調に変化はありませんでした。病院での判定を待たず、先に妊娠検査薬を買ってきて調べることもできたのですが、夫と話し合ってそれはやめることに。

理由は、もしも陽性が出たとしても病院で違う判定だった時にショックが大きいし、陰性が出た場合にショックで心身が乱れて、(検査薬が偽陰性で)本当は陽性かも知れないのに、さらに可能性がしぼんでしまうのではないかと思ったためです。早く知りたいという気持ちはありましたが、私たちにはメリットが少ないという結論になりました。

移植の時、あの白い光を見た瞬間から——。私のなかで人生の優先順位が変わりました。私の人生も、私の体も、私だけのものではない、うまく言えないけれどそんな感じです。

それまで正直に言うと、子どもは欲しいけれど、自分が暗闇に落ちるくらいなら… とも思っていて。子どもを持つ人生も持たない人生も、どちらの人生も正解、でも夫は子どもが欲しそう。

一番大切な人の願いを叶えてあげたいという気持ちや、フーナーテストの夜にみた夢のなかの赤ちゃんが不妊治療を頑張るモチベーションになっていました。こんな風に一生懸命レポートを書いてていても、本音では逃げたい気持ちが半分くらいはあったのです。

けれど、移植から判定日までの間で、お母さんになりたい。諦めたくない。赤ちゃんに会いたい。子どもを授かりたいという思いが、100%の確実なものに変わって、気が付けば夫よりも強くなっていました。

* * *

突然ですが、私の不妊治療の体験談はここでおしまいにしようと思います。

一から十まで、個人的なことしか書いていない連載でしたが、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報を届けたいという思いで、包み隠さず、結構恥ずかしいお話も披露してきました。そんななかで、だんだんと私たち夫婦の最終的な判定結果やその後のお話は必要ないのではないかなという思いに至りました。

ここから先、妊娠・出産へこぎつけられる道、また採卵や移植をする道、不妊治療をやめる道…、それぞれのフェーズでいろんな分岐が訪れます。答えのない問いの連続に、私はその都度めそめそ悩んだりするのですが、今までと変わらずしっかり前を向いて生きていこうと思っています。

3年超えの不妊治療。ターニングポイントはココだった

最後に、ここまで3年を超えてこじらせてしまった不妊治療を振り返って、特に大事だったなと思う出来事をピックアップして紹介します。

【1】早めに不妊治療をすることを仕事関係者に伝えていた

不妊治療は、仕事のスケジュール調整が必要不可欠です。うちの場合は、特に夫がかなり早い段階で職場の人に不妊治療をしていることを伝えて、休みをとりやすい環境を整えてくれていたことがすごく助かりました。私自身も、もっと早く周囲の人に話しておけばよかったと後悔したほど。

参考▶︎不妊治療を公言するタイミングは? 周りの反応は?<30代の不妊治療vol.12>

【2】自分たちに合う病院、医師に出会えた

同じ「不妊治療専門」と掲げている医療機関でも、雰囲気はまったく違います。今になって思えば、もっと初めの段階で、自分たちの考えとなるべく近い病院や先生をしっかり調べて探すことに時間や手間を費やせばよかったと思っています。私の夫はセカンドオピニオンをもらうつもりで受診した総合病院で、グレード3の精索静脈瘤が発見されました。

参考▶︎精子が活発に動くタイミングを知るためには? 病院選びの重要性<30代の不妊治療vol.18>

【3】不妊カウンセリングで薬への抵抗感が薄れた

特にステップアップが進むと、治療方法選び=病院選びになりかねません。わからないことはあやふやにせず、事前のカウンセリングを夫婦で受けてビジョンを明確にしておくことが大事だと思います。当初、私はホルモン剤に対して強い恐怖感がありましたが、不妊カウンセリングを受けた時に「採卵を何度も繰り返したくない」という思いが強まり、ゴナールの使用に踏み切ることになりました。

参考▶︎体外受精の採卵法どうする問題… 私はゴナールにトライすることに<30代の不妊治療vol.58>

優しい世界でありますように…

夫が男性不妊の原因かもしれない精索静脈瘤の手術をしたり、私自身はステップアップに何度も躊躇してしまったがばかりに妊娠・出産に不利な30代後半へと年齢が差し掛かってしまったり、結果的にいいこともつらいことも含め、大変な苦労をフルコースで味わうハメになってしまいました。

不妊治療は、時間との戦いになるわけですが、それをきちんと自覚したのは、コロナ禍で体外受精を始めてから。いろいろ遅かったです…。だけど、これも私の人生なんだ! と受け止めています。

と、書いてみたものの、本当は気持ちの整理をつけるのにだいぶ長い時間がかかりました。特に、仕事面では失ったものが多くあります。私はフリーランスなので、仕事の調整はしやすい反面ダイレクトに収入減に見舞われていましたし、会社員の夫も、もしかしたら社内での評価や昇進に影響が出ていたのかもしれません(家庭に仕事の話を持ち込まない人なので、向こうの会社事情は正直よくわからないのですが、こんなに休んで大丈夫なのかといつも心配していました)。

もし普通に子どもを授かれていたら… と考えてしまうことは何度もありました。不妊治療はこの連載の間に保険適用になり、金銭的な負担こそだいぶ軽くはなりましたが、働き盛りの30代にとって治療そのものの環境は過酷なまま。だからこそ、今まさに頑張っている人が、悩んだりくじけそうになった時に、こんな人もいるんだなと少しでも参考にしていただけたら本望です。

最後になりましたが、不妊治療をとりまく世間のまなざしが、もっともっと優しいものになるよう、強く強く願っています。それでは、長い間、不妊治療のレポートをお読みいただきありがとうございました。

これまでの記事▶︎不妊治療体験レポ

TOP画像/(c)Shutterstock.com

※この記事は2020年の内容です。最新情報は厚生労働省HPをご確認ください。

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クロサワキコ

34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。


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