不妊治療って何か難しそうだけど、どういうことをするの?
不妊治療というと、何か難しそうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
それは、病気や怪我のように何か症状を感じたり、見えたりしないことが理由のひとつかもしれませんし、自分の体のことではない別の「新しい命」に関わることだからではないかと思います。
不妊治療の内容を、大きく「検査」と「治療」に分けて考えると、理解がしやすくなります。
不妊検査と不妊治療
◆不妊検査
不妊検査は、「何か不妊症の原因になっていることがないか」ということを調べるとともに、「妊娠するために、体が整っている状態であるかどうか」ということも調べています。この後者の意味合いでは、ブライダルチェックやプレコンセプションケアといった名称で、将来妊娠を希望される女性も検査を受けることができます。
主な不妊検査としては、ホルモン値などを調べる血液検査や、排卵日を知るための超音波検査などが代表的なものとして挙げられます。目に見えない原因を、血液検査で数値化したり、超音波検査で見えるようにすることで治療することができるようになります。
◆不妊治療
こういった検査の中で、何か妊娠を妨げる原因が見つかった時に、そこを整えながら妊娠を目指していくことが「不妊治療」ということになります。
不妊治療の中で、妊娠を目指すための方法としては、「タイミング法」「人工授精」「体外受精」がありますが、基本的にはこの3つしかありません。排卵の時期を正確に見定めた上で、どの方法を選択するかということになります。
顕微授精という「ひとつの卵子にひとつの精子を受精させる方法」もありますが、これは体外受精における「受精のさせ方」であって、顕微授精も体外受精の中に含まれます。
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不妊検査や不妊治療は、まずは全体として、どういうことが行なわれているのかを知っておき、そこから、それぞれの方にとって大切な項目をよく理解していくことが大切だと思います。
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麻布モンテアールレディースクリニック・院長 山中智哉
日本産科婦人科学会/日本生殖医学会/日本卵子学会所属
不妊治療のクリニックとして、体外受精や高度な技術が求められる治療にも幅広く対応している。いずれは不妊治療だけではなく、アンチエイジングや健康医療 を軸にした分野にも着手し、様々な側面でお悩みを抱える多くの女性のトータルケアを促進できるようなクリニック、夫婦にとって信頼できるクリニックを目指している。