コロナ渦でそもそも難しいことも多かった「立ち合い出産」だけど、みんなはどうだった?
ここ数年は、コロナ渦のイレギュラーな状況の中出産を迎えた方も多く「立ち合い出産を希望していたけどコロナで無理だった…」という声もよく聞きますが、実際はどれぐらいの人が出産の際に誰かに立ち会ってもらったのでしょうか?
今回は日本トレンドリサーチと青山ラジュボークリニックが、出産をしたことがある女性293名を対象に実施した「立会い出産」についてのアンケート結果をもとに、「立ち合い出産」をした人がどれぐらいいたのか? また実際立ち会いしてもらったほうが良かった? それともなしでも良いの? など経験者の意見を覗いてみましょう。
■約7割が「立ち会い出産なし」という結果に
出産の経験がある293名を対象に、「出産時に家族などの立ち会いがあったか」について聞いたところ、「なかった」と回答したのが67.9%と約7割の人が家族の立ち会いなしという結果に。コロナ渦で難しい状況にあった人が多いとは思いますが、圧倒的に「立ち合いなし」の人が多い結果には驚きました。では、立ち合いが「あった」人は誰に立ち会ってもらったのでしょうか?
■「立ち合ってくれた人」は、「実母」?「夫」?
出産時に立ち会ってくれた人は誰なのかという質問では、「実母」と回答した人が27.7%と約3割近くいましたが、やはり「夫」が91.5%と圧倒的に多い結果に。「夫」に立ち会ってもらった人の「夫」の様子はどうだったのでしょうか?
出産に立ち会った夫の様子はどうだった?
■「ナイス」な夫たちの様子
・ずっと声をかけたり、手を握ってくれたりして、できる限り一緒に頑張っていた。
・想像していたよりかなりしっかりしていて気遣いもよくしてくれ、私の実母が感心するほどだった。
・タオルで汗を拭いてくれたり、水分補給をさせてくれたり、腰をさすってくれて、終始冷静でした。
■「ちょっと頼りない」夫たちの様子
・一緒になって、呼吸法をしていた。背中をさすってくれた
・ただ横にいた。何をするとか声をかけるとかなかった。
・慌てもせず、感動もせず、地蔵のようにじっと佇んでいた。まじで何の役にも立たなかった。
「声かけ」や「背中をさする」、「飲み物を渡す」など、終始妻に寄り添って少しでも一緒にお産を頑張ってくれる夫もいる中、やはりお産は妻の命がけのこれまでにないシチュエーション。
見たことのない光景に固まってしまい、何もできなかった頼りない夫たちもおり様々。では、「立ち合い出産」をしてみたはいいけど「こんなんだったら立ち会わないでほしかった!」と思っている方はどれぐらいいるのでしょうか?
■「立ち会わないで欲しかった!」人はたったの1割。
「立ち合い出産をした人」の中で「こんなんだったら立ち会わないでほしかった!」と思うエピソードがある人は11.7%とたったの1割。「立ち合い出産」を経験した人の9割近くは立ち合い出産をしてよかったと肯定的なことがうかがえます。
逆に「立ち合い出産」をしなかった人は「立ち合ってほしかった」?
では出産時に家族などの立ち会いが「なかった」と回答した人は「立ち会ってほしかった」と思うのでしょうか? 実際に立ち合いがなかった人に、夫に立ち会って欲しかったと思うかについて聞いたところ81.4%が「思わない」と回答。意外と終わってしまえば、多くの方が夫に立ち会って欲しかったとは思わないようです。
■立ち会わなくていいと思う理由は?
・思い通りに動いてくれるわけではないし、それに対して苛立ったりする自分も嫌になるし夫に指示を出している余裕はないのでお産に集中したいから
・自分の事で精いっぱいなので、夫の方を構う余裕はないので、立ち会わないで良いと思いました。
・初めての出産でパニックになっていて騒いでしまったので恥ずかしいと思ったので。
・苦しい顔はあまり見せたくない気もするので。
出産時は今まで体験したことのない「痛み」や「苦痛」に耐えなければいけない状況。夫に指示を出す余裕なんてないことから、「特に立ち会わなくていい」と感じている声や「苦しい顔はあまり見せたくない」など恥じらいや相手への気遣いで「立ち会いなしで良い」という声もありました。
■立ち会ってほしかった理由は?
・子供が産まれる感動を夫と共に分かち合いたいから。
・子どもを産むのは命懸けだし、生まれてくる瞬間を味わってほしかった。
・頼れるパートナーに横でサポートしてほしいから
・一人では寂しいです。それに出産がどんなに大変なことか知ってほしいし、経験すれば父親として育児に対する気持ちも変わってくると思う
・出産の大変さとこれから子育てしていく上での自覚を持ってほしいから
・大変な思いをして産んだことがわかれば、子供に対する愛情も増すと思うから。
やはり子供が生まれる瞬間は一生に一度あるかないかというほど貴重な体験。その場に立ち会ってもらい一緒に感動を分かち合いたいという声や「こんなに大変なんだからちゃんと見てほしい!」「自覚をもってもらう機会があることで愛情が増す気がするから」という声もありました。
「立ち合い出産」は自分がどうしたいか? の素直な気持ちに寄り添えば良さそう
今回の調査結果から、「立ち合い出産」を経験していない人が7割と圧倒的に多く、またそのうちの8割近くが「立ち会いがなくても良かった」と思っていることが分かりました。大変すぎてかまっている余裕がないのは確かで、経験豊富な助産師さんがいてくれる方が安心できるのも確か。
しかし、少ないながら「立ち合い出産を経験した人」からすると「しなくてよかった!」と思う人は少なく、9割近くが「立ち合い出産」へ肯定的な感想があることがうかがえる結果でもあったため、これに限っては本当に賛否両論。
「恥ずかしいから夫に必死な姿を見せたくない」「幻滅したくない」「でも不安だから夫にそばにいてほしい」「大変な思いをするんだから見ておけよ!」など色々な気持ちがあるかと思いますが、「そこにいる」だけでも安心するもの。
これから出産を迎えるけどどうしたらいいかわからない…。という人は自身の胸に聞いてみるとともに、「少しでも不安でそばにいてもらった方が安心。」と思うのであれば夫や家族などの「立ち合い出産」を希望するのが良いかも。これから出産をひかえる皆さんが無事に出産を迎えられますように。
アンケートの詳細はこちら
「立会い出産に関するアンケート」調査概要
調査主体:日本トレンドリサーチ、青山ラジュボークリニック
調査期間:2022年10月9日~10月20日
調査機関:日本トレンドリサーチ(自社調査)
集計対象:出産をしたことがある女性
有効回答:293サンプル
調査方法:インターネット調査