私って不妊症じゃ? 早めに受けておきたいプレコンセプションケア
不妊症という言葉を聞くと、「もしかしたら自分もそうなのかも」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、不妊症というのは、「妊娠を目指しているのに妊娠しない状態」だから、妊娠を目指していない時には、不妊症なのかどうか分からないですよね。
そういった将来の妊娠に対する不安に対して、「プレコンセプションケア」は役にたつものかもしれません。英語で、「コンセプション」とは妊娠を指します。
プレコンセプションケアは、「妊娠前の女性やカップルに医学的な面などからサポートをおこなうこと」をいいます。結婚前に検査を受ける「ブライダルチェック」という言葉もありますが、それもプレコンセプションケアに含まれます。プレコンセプションケアは妊娠の可能性のある女性あるいはカップルすべてを対象に考えられています。
プレコンセプションケアでは何する?
プレコンセプションケアでは、具体的には、子宮がん検診や超音波検査などによる婦人科疾患の早期発見や治療、血液検査やホルモン検査など妊娠に適した体の状態かどうかを調べることになります。
また、食生活や運動といった生活習慣を整えたり、禁煙指導など、医療的な介入だけではなく、行動習慣にも目を向けています。一方で、妊娠を考えていない時に望まない妊娠を防ぐという避妊もプレコンセプションケアの一部になります。
つまり、プレコンセプションケアとは、妊娠という女性にとって重要なライフイベントを中心に、人生そのものを包括的にサポートしていくという考え方になります。
若い時には将来の妊娠や病気のことなど意識していないこともあります。病気でない時に病院やクリニックを受診するのは、何か敷居が高い感じもするかもしれませんが、少し自分やパートナーの健康にも意識を向けて、検査を受けてみることがより充実した生活につながるものではないかと思います。
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麻布モンテアールレディースクリニック・院長 山中智哉
日本産科婦人科学会/日本生殖医学会/日本卵子学会所属
不妊治療のクリニックとして、体外受精や高度な技術が求められる治療にも幅広く対応している。いずれは不妊治療だけではなく、アンチエイジングや健康医療 を軸にした分野にも着手し、様々な側面でお悩みを抱える多くの女性のトータルケアを促進できるようなクリニック、夫婦にとって信頼できるクリニックを目指している。