いつ言おう… 不妊治療を打ち明けるタイミングは?【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、不妊症と判断基準の話をお届けしました。今回は、私が周囲に不妊治療していることを公言した話。
◆本当のことが言えない… みんな仕事どうしているの?
クリニックを出て、すぐに取引先に電話を入れました。
私「直前にすみません…、ちょっと都合が悪くなってしまって」
毎週、顔を合わせているお客さんなので、快くリスケ対応をしてくれたものの、電話を切ってから、「これからもこういうことが何度も起こるかも… いや、その可能性のほうが高い…」と気が重たくなりました。先に事情を話しておくほうがいいのかな?
「私、不妊なんです」って、いきなり宣言するの、なんかハズい。いろいろ考えていたら、この日はお昼に焼肉を食べる元気すらなくなってしまいました。
世の中には自己注射したり薬飲んでいたり、もっと大変な思いしてる人もいるけれど。通院するときって、みんな仕事どうしているんだろう??
元気いっぱいだった人が急に体調不良を理由に年休を連発しだしたら、それこそいらぬ心配をさせてしまったりしないだろうか?? これ、会社員時代だったら、有給がどんどん消滅していくわけ??
フリーランスという働き方を選んだとき、仕事はやるも、断るも、自分の責任で判断できるから、気が楽だ! なんて思ったこともありました。将来、出産や子育てするときも、自分のペースで仕事量を決められる! と考えていたのに、甘かった…。妊娠前から、私はいきなり躓いている。明らかに第三の力が加わって、好きな仕事を断らねばならないかもしれない事態に陥っている。すごく宙ぶらりんな感じ、やだな。
周りの人に話すタイミングって、いつがいいのかしら??
◆男性は「妊活」とか「不妊」のこと、どう思っているんだろう…
その日、夕飯を食べながら「不妊症って言われちゃった」と、夫に報告をすると
夫「フーナーテストかぁ。その検査って、痛くないの?」
私「エコーとするのとそんなに変わらないって言っていたから大丈夫だと思う。それより取引先の人に妊活してるって言うべきか、ちょっと悩んでるんだ。毎週、打ち合わせしたいっていうお客さんもいるし、不妊治療はじめたらこうやって急に予定を変えてもらうことも増えるかもしれないと思うと、どこまで話すべきか…」
夫「そっか。僕は職場の人に話してあるけど…、フリーだと相手は同僚じゃなくてお客だもんね。悩むところだよね」
私「え? 職場の人に話したの? いつ? なんて?」
夫「妊活をはじめるんですって。言ったよ、去年の忘年会かなんかのときに。その方が休みもとりやすいしさ。だから明日のフーナーテスト、一緒にいくよ」
えー! ぜんぜん知らなかった。夫は、男性なのに会社の人とそういう話をオープンにできるなんて、羨ましいなと思いました。
私の周りの人たちは、どう思うのかな…? 男の人も、女の人も…。少し不安はあったけれど、定期的に会う取引先の担当者には「不妊治療をはじめることにしたので、お休みいただくことが増えるかもしれない…」と、正直に話しておくことしました。
◆不妊治療をしている人は身近にたくさんいた
お客さんとの打ち合わせ中、雑談のシーンを狙って、不妊治療を開始することを言ってみると、意外な反応が返ってきました。
広告代理店Aさん:男性
「うちの部のメンバー4人は、全員不妊治療して産んだんですよ。全員、奥さん40代での出産だったし、大変だったよな。リラックスしていれば大丈夫。仕事の心配はしないで」
税理士Kさん:女性
「私も不妊治療してたの。もう郊外に一軒家を買えるくらいお金使ったんだけど、誘発剤打ちすぎて、2回も死にかかって…。2回目救急搬送されちゃったとき主人から『おまえが死んだら大変だからもうやめよう』って言われて、やっとあきらめがついたんだけど…。通院やめたらいきなり自然妊娠したのよ。そういうこともあるから。女性の検査のなかには、やればやるだけに妊娠しやすくなるものもあるし、通院だって、立派な治療よ。堂々としていればいいの」
すごく身近なところに、不妊治療を経験していた人がたくさんいたことを知りました。みんな自然に出産したのかとばかり思っていた私…。ぜんぜん知らなかった。男性でも、女性でも、普通に相談できる環境だったんだ! とわかってホッとした気持ちや、情報量がグンと増えた安心感もありました。
夫みたいに、私ももっと軽い気持ちで早くから言ってみればよかった。何を身構えていたんだろう…? 気づかないうちにズシッと乗っていた肩の荷が、ちょっと軽くなった気分。
次回は、初めて受けたフーナーテストについてお届けしようと思います。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。