不妊治療、妊活… 働きながら上手に両立するには?
将来、子供が欲しいと考えている人も、今まさにトライしている人も、知っておくと安心。働きながら妊娠を目指すと、仕事や生活にはどんな影響があるの? 上手にやりくりするには…? 今回は、仕事との両立やキャリアアップについて、専門家のアドバイスや経験者の声をお届けします。
教えてくれたのは…

不妊治療の経験者

Q. 不妊治療は、何が大変?
読者アンケートでは… (複数回答)

結果が出ないまま治療が長期化することで蓄積するメンタルの疲れと、予定が立てづらい治療と仕事との両立が、2大悩み。人によっては「採卵後に吐き気がひどくて、何日も飲まず食わずだった」(35歳・マスコミ)といった体調不良が起こる場合も。
不妊治療経験者の声
「仕事が休みにくくて受診のタイミングを調整しにくい」(Dさん)
「夫との温度差」(Bさん)
「友人の妊娠・出産報告や同僚のママトークでメンタルがズタボロに」(Fさん)
Q. 治療と仕事を両立するコツは?
A. 仕事は前倒しで終わらせる。治療のスケジュールも把握して
笛吹さん:余裕をもって仕事を進めておき、「明日、急に通院!」となってもあわてないように。また、業務の進捗を共有フォルダに入れておくなど、いざというとき同僚にフォローしてもらいやすい体制を整えておく。細かい工夫の積み重ねで、職場への気兼ねはだいぶ減らせます。
田所さん:治療の内容やスケジュールをきちんと理解できるまでクリニックに確認し、仕事とやりくりする見通しを立てておくことも大事。
不妊治療経験者の声
「会議はできるだけ日程をまとめて設定。その他の日を通院に充てるように」(Fさん)
「繁忙期は病院の待合室で仕事をしていました」(Bさん)
ワークスペースのあるクリニックも!

Q. どれくらいの頻度で通院するの?
A. 多いときは月5回以上。仕事との調整はマスト
西岡さん:月経周期によって治療スケジュールが決まるため、急な通院が発生することも。あらかじめ医師にNG日を伝えておくと、多少の調整はできます。
田所さん:クリニックの治療方針によって通院頻度やスケジュールは異なります。公式サイトではわからない詳しい情報を得るために、クリニックの説明会に参加して確認するのがおすすめ。
不妊治療経験者の声
「日時を動かせない仕事と採卵が重ならないか、ヒヤヒヤしていました」(Aさん)
Q. 職場には伝えるべき?
A. 上司に限らず理解者がいると心強い
田所さん:基本的には伝えたほうが、仕事の調整はしやすいです。通院のタイミングや所要時間、1〜2日ずれる可能性があることも明確に伝えておくほうが、「急に休まれて困る」という心証を与えずに済みます。
戸田さん:「仕事の成果を出すつもりはある」という気持ちもアピールして。上長に伝えづらければ人事・労務などに相談するのも手。
不妊治療経験者の声
「上司と同僚に伝えて、通院で不在中のフォローをお願いしました」(Aさん)
「リモート&フルフレックスの職場なので、伝えなくてもなんとかなりました」(Fさん)

Q. 妊活しながらのキャリアアップや転職は難しい?
A. むしろチャレンジして!
田所さん:妊娠が自分の意思でコントロールできない一方で、キャリアはある程度「がんばれば成果が出る」もの。仕事に集中して実績をつくることは、メンタルの安定にもつながります。また、妊活しやすい≒育児と両立しやすい職場への転職も検討の価値あり。妊活のために仕事をセーブした結果「やりがいを失ってつらい」という人もいるので、慎重に考えて。
不妊治療経験者の声
「転職後、仕事にも集中したいけれど後悔しないよう4か月目から妊活を再開」(Bさん)
2025年Oggi10月号「働きながらの妊活2025」より
イラスト/三平悠太 構成/酒井亜希子・渋谷遥夏(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
Oggi.jp



