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「ししとう」ってどんな野菜?
栄養豊富で、ほんのり苦味のある「ししとう」。焼いて醤油をかけて食べると、甘味や青い野菜の風味、シャクシャク感が口の中で溶け合って、なんとも美味しいですよね。まれに、とっても辛い「ししとう」に当たってしまった…なんて経験もありますよね?
今回は、「ししとう」が辛くなる原因や辛い「ししとう」の見分け方、おすすめのレシピなどを紹介します。「ししとう」は好きだけど辛いのは苦手…という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「ししとう」は唐辛子の一種
「ししとう」の旬は、6月〜9月の夏の時期。主に高知県などで生産されています。実の先端が獅子の頭に似ていることから、「獅子唐辛子」と呼ばれることも。ナス科トウガラシ属の野菜で、唐辛子の一種です。唐辛子は中南米が原産で、スペインに渡り辛みの少ない品種が作られたとされています。辛みの強いハラペーニョやハバネロから、甘みのある万願寺唐辛子まで、種類はさまざまです。
「ししとう」の栄養素
「ししとう」は、免疫力アップやシミ・老化を予防するビタミンCや、皮膚や粘膜の保護効果のあるカロテンが豊富。そのほかにも、塩分や水分の排出を助けるカリウムが豊富に含まれているので、むくみ防止に効果的です。夏バテや日焼けをしやすい暑い時期に、積極的に食べたいですね。
「ししとう」が辛くなる原因とは?
「ししとう」は、トウガラシ属の中でもピーマンに近い品種なので、本来は辛くない野菜です。それでも、たまに辛いものに当たってしまうのはなぜなのでしょうか? 辛い「ししとう」が生まれる原因を見ていきましょう。
「ししとう」が辛くなる原因はストレス
辛い「ししとう」が生まれる原因は、栽培中の環境にあります。例えば、猛暑日が続く、肥料の量が少ない、土の水分量が急に変化したなどの強いストレスを受けることによって、辛い「ししとう」ができてしまうのだそう。
もともと「ししとう」は、青唐辛子から辛みを抜き、食べやすく品種改良されたもの。暑さなどのストレスがきっかけで防衛本能が働き、青唐辛子本来の辛み成分が活性化してしまうのだとか。生育環境にもよりますが、約10本に1本の確率で辛い「ししとう」が入っているそうです。
辛い「ししとう」の見分け方
辛いものが苦手な人にとっては、なるべく辛い「ししとう」に当たりたくないですよね。通常のものと辛い「ししとう」には、いくつか違いがあります。辛い「ししとう」の見分け方を紹介するので、スーパーで選ぶときにチェックしてみましょう(もちろん、100%確実というわけではありませんので悪しからず)。
いびつな形をしている
辛い「ししとう」は、通常のものと比べて形がいびつです。曲がっていたり、実が縮れて細かったり、サイズが小さいものは辛い確率が高くなります。これは、水不足などのストレスが、実の形にも影響してしまうからなのだとか。反対に、見た目がまっすぐできれいなものは辛みがないことが多いようです。
種が少ない
種が少ない「ししとう」も、辛いものが多いとされています。これもストレスにより成長が妨害され、種の数が減ってしまうことが原因だとか。種の量は中身を切ってみるまでわかりませんが、実の真ん中がへこんでねじれているものは、辛い可能性が高いかもしれません。
光沢がなくシワが少ない
辛い「ししとう」には、ツヤがないという特徴もあります。肥料などの栄養が足りていないことから、不健康な見た目をしているようです。また、表面にシワが少ないものも辛い可能性が。一般的に野菜はシワがないものの方がいいとされていますが、「ししとう」はシワがあるものの方が辛くない傾向があるのです。見た目のシワの少なさや光沢感は、確認しやすいポイントなので、スーパーで選ぶ際の参考にしてみてください。
「ししとう」の辛みを抑える方法とは?
「ししとう」を購入したものの、辛くないかどうか心配な場合は、辛みを抑える方法を知っておくと安心。ここでは、辛みを抑える調理法や、辛い「ししとう」を食べてしまったときの対処法をお伝えします。
種とヘタをとる
どうしても「ししとう」の辛さが気になる場合は、調理するときに種とヘタを取り除きましょう。種とヘタには、辛い成分であるカプサイシンが特に多く含まれています。事前に辛い部分は取っておくことで、苦手な人でも食べやすくなりますよ。
種の取り方は、まな板の上で「ししとう」を転がし、ヘタを切って先端を指で弾くだけ。それでも取れない場合は、爪楊枝などで丁寧に取り除きましょう。
乳製品を食べる
牛乳などの乳製品には、辛さを和らげる効果が。食事の前に牛乳を飲んだり、料理にヨーグルトを加えることで辛みを感じにくくなります。また、万が一辛い「ししとう」に当たってしまった場合は、水ではなく牛乳を飲みましょう。牛乳には辛み成分のカプサイシンを吸収する効果があるので、口の中の辛さを和らげてくれますよ。
おすすめの「ししとう」レシピ
「ししとう」の辛みを抑えるポイントは、油や酸味を加えること。ごま油などの香りのある油で炒めたり、隠し味にお酢を加えることで、「ししとう」がもっている辛み成分が抑制されるそう。暑い日の晩酌レシピとして、自宅で作ってみてはいかがでしょうか?
「ししとう」の佃煮
醤油や砂糖で煮詰めた「ししとう」は、ごはんに合いますよね。種を取り、くたくたに煮込むことで辛みも気にならなくなりますよ。
【材料(2人分)】
・ししとう:15本程度
・鰹節:お好みの量
・ごま油:小さじ1
・砂糖:大さじ1
・酒:大さじ2分の1
・醤油:大さじ1
【作り方】
1. ししとうのヘタをとります。火が通りやすくなるように、爪楊枝で穴をあけておきましょう。
2. フライパンにごま油を入れて熱します。ししとうを入れてサッと炒め、調味料を加えます。
3. 弱火にして、汁気がなくなってくるまで煮詰めます。
4. ししとうに味が染み込んで、少しくたっとしたら火を止めます。
5. 鰹節をあえて器に盛ったら完成です。
「ししとう」と豚肉の甘辛炒め
苦味がありさっぱりとした「ししとう」と豚肉の相性は抜群。豚肉は、疲労回復ビタミンとも呼ばれるビタミンB群が豊富に含まれています。夏バテ気味で元気が出ないときにぴったりのレシピです。
【材料】
・ししとう:15本
・豚こまぎれ肉:200g
・片栗粉:小さじ2
・ごま油:適量
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・酒:大さじ2
・砂糖:小さじ2
・醤油:大さじ1
【作り方】
1. 豚肉に片栗粉をまぶしておく。
2. ししとうはヘタをとり、爪楊枝で3カ所ほど穴をあけておく。
3. フライパンを中火で熱してごま油をしき、豚肉を炒める。火が通ったら、ししとうを加える。
4. ししとうがしんなりとしてきたら、[A]の調味料を加えて強火で炒める。
5. 調味料がなじんだら、火を止めて器に盛り、完成。
最後に
「ししとう」の辛い原因が、生育環境で受けるストレスにあったなんて初めて知った!という人もいるのでは? 「ししとう」にはビタミンやカロテンなどの栄養が豊富に含まれているため、体が疲れやすい猛暑の時期は特に積極的に摂りたい野菜です。辛い「ししとう」の見分け方やレシピなど、ぜひ日常生活で試してみてくださいね。
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