ふだん、自分が口にするものをどんなふうに選んでいますか?
そう聞かれると、「なんとなく」とか「コスパのいいもの」とか「健康にいいもの」「おいしければいい」など、さまざまな意見があるかと思います。
自分や家族に直接関係することなのに、毎日当たり前のように食べているものがそもそもどうやってつくられて店頭に並んでいるのか、意外と知らないもの。
そこで、書籍『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)より、食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで解説!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします(全10回の9回目/8回目はこちら)
野菜の選び方のコツ
前回の記事にて、野菜選びで大事なのは「野菜本来の形に近いもの」ということをお伝えしました。
では、具体的にどう選べばいいのでしょうか?
正直言って、「これ!」という絶対的な正解はありません。最後は自分が何を重視するかで決めるのが一番、というのが前提ではあるのですが、その考え方の指標となるポイントをここではお伝えしていきます。
旬の野菜を選ぶ
まず、大事な要素の1つが野菜の「旬」。
スーパーではいつでも同じ野菜が売っているので感覚がわからなくなりますが、本来、野菜には旬があります。
自然というのは理にかなっていて、不思議と夏が旬の野菜には夏の気候に合った栄養素、冬野菜には冬の気候に合った食べ方ができるようになっているのです。
たとえば、夏野菜の代表であるトマトときゅうり。
トマトは、抗酸化作用のあるビタミンAとCを多く含んでいます。夏場は紫外線や暑さで活性酸素が体内に多く発生する時期ですが、これらのビタミンを摂取すると細胞の酸化を防いでくれます。
また、きゅうりは水分とカリウムが豊富で、汗をかいた身体をうるおしてくれたり、ほてった身体を冷やしてくれる効果があります。
本来、日本人は季節に合ったものを食べ、自然とともに農業をしてきたんですね。
また、野菜に限らず旬のものは経済的です。収穫量が一番多い時期が一番おいしい時期でもあり、価格も安くなります。
なるべく住んでいる地域で収穫された野菜を選ぶ
2つ目は、なるべく家から近い場所でとれた野菜を選ぶということ。
古くから伝わる食養生(しょくようじょう)の世界では「身土不二(しんどふに)」という考え方があります。
身土不二とは、直訳すると「身体と土地(環境)は切り離せない」という意味。
その土地で暮らす人は、その土地に実ったものを食べることで健康を保つことができるという考え方になります。
たとえば、南国などの暑い国では果物がよくとれますが、それは、そこで暮らす人たちがほてった身体を調節し、健康を保つために必要だから自然にできていったという考え方にのっとっています。
つまり、日本人は日本で採れるものを食べるのがいい。アメリカ人はアメリカ産のものを食べるのが、本来はいいということです。
より厳密に言えば、単に「地元で栽培されている食材がいい」というのではなく、「その土地に根づいた伝統的な食べものが身体には合っている」という考え方になりますね。
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野菜の選び方についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ書籍にてチェックしてみてくださいね。
TOP画像/(c)Adobe Stock
食の選び方大全(サンクチュアリ出版/著者:あるとむ)
あなたの体は、選んだ食べ物でできている。調味料・野菜・果物・肉・魚・加工食品… あらゆる食品の選び方を、この1冊で完全網羅!
健康的な食事をつくるのは大切ですが、それ以前に、どういう食品や調味料を選ぶかは、意外と盲点。みなさんは普段、自分が口にするものをどうやって選んでいますか?
安くてコスパのよいもの?
「国産」や「オーガニック」と書かれたもの?
なんとなく健康によさそうなもの?
そもそも、私たちは毎日あたりまえのように食べているものが、どうやってつくられて店頭に並ぶのか、意外と知らないのではないでしょうか。
たとえば、
・醤油やお味噌はどんなふうにつくられているのか?
伝統的な製法と、一般的な市販品との違いって?
・「有機野菜」や「オーガニック」という言葉は、
漠然といいイメージがあるけど、どういうものなのか?
農薬や肥料とは、いったいなんなのか?
・よく聞く「添加物」とはどんなもので、どうやって付き合えばいいのか?
こうしたことは、自分や家族に直接関係することにもかかわらず、スーパーやコンビニで買いものしているだけでは、なかなかわかりません。
この本では、そんな食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで、1冊でわかりやすくまとめています。
さらに、選び方を3段階で紹介。無理なく、自分のライフスタイルや状況に合わせて、実践することができます。