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2022.02.05

雛あられの意味は色によって異なる! 色ごとの意味や雛祭りに食べる理由を解説

雛あられは主に3色と4色に分かれ、色によって意味が異なります。また、関東と関西では味や形状に違いがあるのが特徴です。雛祭りを迎える前に基本的な知識をおさらいしておきましょう。今回は雛あられの意味や由来、その他の縁起がいい食べ物などを紹介します。

【目次】
雛あられの意味とは? 3色と4色の違いを解説
雛祭りに雛あられを食べるようになった由来
雛あられ以外に雛祭りで好まれる食べ物3つ
雛あられを用意して雛祭りを迎えよう

雛あられの意味とは? 3色と4色の違いを解説

(c)Shutterstock.com

雛あられは3月3日の雛祭りに食べるお菓子のことで、「女の子が健やかに育ちますように」という願いが込められています。3色のものと4色のものがあり、どの色で構成されているかによって異なる意味をもつのが特徴です。

雛あられの由来を知る前に、まずは雛あられの色がもつ意味を理解しておきましょう。ここでは、3色と4色の雛あられの意味の違いについて解説します。

3色の雛あられの意味

3色の雛あられを構成する色は緑・赤・白です。緑は新芽が広がる大地や芽吹きを連想させることから、健康や生命力・エネルギーを表します。血や命を連想させる赤は生命のエネルギー、白は雪で覆われた大地という意味です。

それら3つを合わせ、「自然のエネルギーによって女の子が健康に育ちますように」という意味合いが込められています。

4色の雛あられの意味

4色の雛あられは赤・緑・黄・白で構成されており、それぞれの色が四季を表しています。具体的には、花をイメージさせる赤=春、新芽を思わせる緑=夏、紅葉を連想させる黄=秋、雪につながる白=冬という意味です。

春夏秋冬を4色で表すことにより、「一年を通して女の子が健康に過ごせますように」という願いが込められています。

雛祭りに雛あられを食べるようになった由来

(c)Shutterstock.com

雛あられが広まったのは明治以降とされていますが、そもそもの起源は江戸時代に流行していた「雛の国見せ」に由来するといわれます。また、関東と関西で異なる雛あられが好まれているのは、お供えしていた食べ物の違いが理由とされています。

雛祭りの意味や雛あられの起源、関東と関西における雛あられの違いなどを詳しく見ていきましょう。

そもそも雛祭り(桃の節句)とは

雛祭りは桃の節句とも呼ばれますが、元々の名称は「上巳(じょうし)の節句」です。なぜ上巳なのかというと、かつては3月の初めの巳の日を指していたためです。

上巳の節句は江戸時代に五節句の一つに加えられました。男の子の節句である端午の節句と対になるように、上巳の節句が女の子の節句として定着したのです。

のちに、3月3日が桃の花のシーズンであったことや、桃には魔除けのパワーがあると考えられていたことから、桃の節句として親しまれるようになりました。なお、雛祭りと呼ばれるのは雛人形を飾ることに由来しています。

雛祭りに雛人形を飾る理由

雛人形は、「子どもが健康でいられますように」「子どもが幸せな人生を送れますように」という願いが込められたものです。雛祭りに雛人形を飾るのは、上巳の節句に行なわれていた風習が関係しています。

昔の日本では、人の形を草木や紙で作って身体をなで、厄を移してから水に流して祓う風習がありました。厄を移すものは「ひとがた」と言い、このひとがたを立体にしたものは「立ち雛」と呼ばれます。この立ち雛が雛人形の原型とされており、かつては雛人形をひとがたとして川に流していたこともあります。

時の流れとともに雛人形は豪華に飾られるようになり、厄落としのために川に流すことはなくなりました。その後、厄を水に流す代わりとして、雛人形を飾ること自体が厄落としという意味合いをもつようになったのです。

雛あられの由来は「雛の国見せ」

雛祭りに雛あられを食べるようになったのは、江戸時代に流行した「雛の国見せ」に由来するとされています。雛の国見せとは、当時広まっていた遊びのことです。

女の子の間では、部屋に飾っている雛人形を使った「ひな遊び」が人気でした。ひな遊びは家の中にとどまらず、春の野山を見せるために人形を外に連れ出す風習もありました。

この風習を「雛の国見せ」といい、人形と一緒に外に出かける際に持っていったお菓子が、菱餅を砕いた雛あられだったのです。雛の国見せをきっかけとして、雛祭りに雛あられを食べる習わしが定着したとされています。

雛あられが広まったのは明治以降

雛あられが食べられるようになったのは明治以降です。そもそも雛祭りが女の子の健康を願うお祝いとして定着したのは、江戸時代とされています。この頃には、雛人形の衣装などが立派になったり、小道具が本物そっくりに作られたりして、雛祭りに用いる飾りがどんどん華やかになりました。

明治時代になると、現在でもよく見かける3段や5段の雛飾りが日本中に広まり始めます。そして、同じく明治時代に雛あられを食べるのが一般的となったとされています。

関東と関西の雛あられが異なる理由

関東と関西で雛あられが異なるのは、それぞれの地域でお供えしていたものが違っていたことが理由です。まずは関東と関西の雛あられの違いを見ていきましょう。

関東で親しまれている雛あられは、いわゆるポン菓子と呼ばれるものです。大きさは米粒ほどのものが多く、砂糖のコーティングによって甘い味付けとなっているのが特徴です。関西の雛あられは対照的で、塩味や醤油味など塩気のある味付けが主流。見た目は直径1cmほどのおかきで、味のバリエーションが豊富です。

関東でポン菓子が雛あられとして広まったのは、江戸時代に流行していた「はぜ」が関係しています。はぜはもち米を煎ったお菓子で、江戸では豊作を願って自宅にはぜをお供えするのが一般的でした。はぜがポン菓子のもととなり、のちに雛あられとして食べるようになったとされています。

一方、関西の雛あられの由来は、あるお坊さんが山にこもって修行する際に、お供えされた餅で作ったお菓子を持っていったことだといわれています。また、お釈迦様が亡くなった日の法要におかきをお供えしていたことも、関西の雛あられの由来とされる説の一つです。

雛あられ以外に雛祭りで好まれる食べ物3つ

(c)Shutterstock.com

雛祭りでは、雛あられ以外にも好まれる食べ物が3つあります。

1. 菱餅
2. ちらし寿司
3. はまぐりのお吸い物

それぞれ縁起の良い食べ物とされており、雛祭りに食べることで健康や良縁につながると考えられています。雛あられと一緒に用意すれば、雛祭りをより楽しめるでしょう。

ここでは、それぞれの食べ物の意味について解説します。

1. 菱餅

菱餅は「女の子の健康を祈る」という意味をもつ食べ物で、雛あられと一緒にひな壇に飾るのが基本です。雛あられは菱餅を砕いたものに由来すると考えられており、その名残りとして2つをセットで飾るようになったとされています。

なお、菱餅は中国から伝わった「草餅」を起源として食べられるようになった食べ物です。赤・緑・白の3色で構成され、赤は邪気を払うもの、緑は健康や長寿、白は清浄を表します。

2. ちらし寿司

雛祭りに好まれる食べ物として、ちらし寿司も挙げられます。ちらし寿司の起源となったのは、平安時代に親しまれていた「なれ寿司」です。なれ寿司に彩りとして具材を加え、見栄えを良くしたものが現在のちらし寿司とされています。

雛祭りに食べる際は、縁起の良い具材をのせるのが特徴です。例えば、長寿の意味をもつ海老や健康に働くことを意味する豆、「見通しが立つように」という願いを込めたレンコンなどをのせます。

3. はまぐりのお吸い物

はまぐりのお吸い物も、雛祭りで好まれる食べ物の一つです。「夫婦が仲良くいられますように」という願いが込められており、雛祭りでは女の子の良縁を祈る食べ物として親しまれています。

はまぐりが仲の良い夫婦の象徴とされるのは、対の貝でなければ合わない二枚貝であるためです。ぴったりと貝が合わさる様子を夫婦になぞらえ、「女の子が永遠に一緒に過ごせる相手と出会えますように」という意味合いで食べられるようになりました。

雛あられを用意して雛祭りを迎えよう

(c)Shutterstock.com

雛あられは雛祭りに食べるお菓子のことで、3色のものや4色のものがあります。それぞれの色に意味があり、主に「女の子が健康でいられますように」という願いが込められています。

雛あられは江戸時代に流行していた雛の国見せに由来するとされますが、広く親しまれるようになったのは明治以降です。なお、菱餅やちらし寿司、はまぐりのお吸い物など、雛あられ以外にも雛祭りに好まれる食べ物はいくつかあります。

雛あられや雛祭りの意味を理解し、次の雛祭りに向けて雛あられを用意してみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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