そもそも「中イキ」とは?
「イク」ってどういうこと?
一般的に「イク」というのは、性行為中の筋肉の収縮によって起こる快感のこと。これは性反応のひとつで、簡単にいうと「絶頂感」ともいわれます。
婦人科系美容外科医 喜田直江先生に、この「イク」こと、つまり「オーガズム」とはどういう仕組みのことなのか教えてもらいました。
喜田先生によると、実はこのオーガズム、完全に解明されているわけではなく、オーガズムがなんのためにあるのかすらわかっていないと言います。
「オーガズムに達することで膣の奥が広がり筋肉が収縮、精子を吸い上げやすくなったり子宮口が下がってパタンと開いたりすることはわかっています。そのためオーガズムはおそらく「生殖活動」だろう、といわれています。
また、Gスポットやポルチオという性感帯についても医学的には証明されていません。
基本的に腟内や子宮は、神経が少ないところなので痛みを感じにくく、腟のまわりにクリトリスの奥の器官が伸びているから快感を感じられるのであり、腟の内壁に神経はほとんどありません」(喜田先生)
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中イキと外イキの違いとは
喜田先生に「中イキ」と「外イキ」の違いについて聞いたところ、医学的には「中イキも外イキも同じ」なのだそう…! 実は同じ器官で快感を得ているといいます。
多くの人はクリトリスは先の出ている部分だけだと思っていますが、実はクリトリスは、先ほどの通り、体の奥まで繋がっていて広い部分で快感を得ることができるそう。
外側に見えているクリトリスの先端部分でイク場合が“外イキ”、奥側の体内に入っている部分でイクのが“中イキ”。どちらも同じ器官で快感を感じているので、医学的には外イキと中イキの区別はなく、どの場所で刺激を得たかだけの違いです。
さらに、外イキよりも中イキのほうが深いオーガズムが得られるという話をよく聞きますが、実際は基本的に差はないと喜田先生は言います。
とはいえ、「外に少しだけ出ている陰核亀頭よりも、陰核脚部のほうが刺激できる面積がより広いため、もしかしたらその違いはあるかもしれない」とのことです。
【医師監修】中イキと外イキの違いって? オーガズムについて専門医に聞いてみたら…
みんなの中イキ事情を徹底調査
オーガズムに達したことがある人は60%超え
irohaが1200名の女性を対象に「みんなのオーガズム事情」についてアンケートを実施したところ、オーガズムに達したことのある人は1200人中734名という結果が!
つまり全体の61.2%の女性が、「オーガズムに達したことがある」と答えました。
中イキを経験したことがある人は50%ほど
ではそのうち、どの部分への刺激でオーガズムに達したのでしょう?
アンケートによると、クリトリスなどの女性器外側への刺激で達した人が51.8%、膣内への刺激で達した人が10.1%、どちらも経験したことがあると答えた人が38.1%という結果に!
つまり中イキを経験したことのある女性は、約半数の48.2%(353名)でした。
中イキを経験してみたいと思う人は90%超え!
最後に「クリトリスなど、外側への刺激でオーガズムに達したことがある」という人に、中イキしてみたいかどうかを質問したところ、なんと92.6%の人が「経験してみたい」と回答。
腟内への刺激によるオーガズム、いわゆる「中イキ」は、多くの女性が憧れているようですね。
「中でイク」を経験している女性は○%? 1200人のリアルなベッド事情で判明…
中イキするための方法って?
中イキは外イキよりも時間がかかる
喜田先生によると、外イキはクリトリスの場所もわかりやすく刺激を感じやすい分、オーガズムに達しやすいですが、膣内は外に比べ時間がかかるのだそう。
「通常、5分10分でオーガズムに達することは難しい」と言います。
また、多くの男性がアダルトビデオのSEXをお手本とて、女性がすぐにオーガズムに達せるものだと勘違いしていることが多いので、前戯を短時間で済ませてしまうことにも問題。
女性の身体はそんなに単純にはできておらず、しっかりと刺激をしてからの挿入でなければ、中イキは難しいようです。
男性の勘違いも? 女性がオーガズムが得られるようにしたいこと【医師監修】
頭を空っぽにして時間をかけて刺激してあげることが大事
喜田先生によると、中イキするためにはまずテクニックうんぬんの前に「集中力を高めること」が大切だと言います。
「快感を感じることに罪悪感を持つ人が少なからずいますが、それでは完全に意識を開放して性交渉できず、どこかで自分にストップをかけてしまうこともあります。
まずは気持ちよさに集中することが大切。また、中イキのためには時間をかけて気持ちとカラダのアイドリングをかけることも大切です」(喜田先生)
オーガズムに達するまでの流れは以下。
※縦軸:興奮度合 横軸:時間
・プラトー期:刺激を続けてこのゾーンに入れば、刺激をやめても興奮は冷めずオーガズムに達する。
・回復期:オーガズムに達してからの興奮の下がり方は人それぞれ。下がらず繰り返すこともある。
・興奮期:オーガズムにかかる時間は人それぞれだが、AVのように5分程度ではまずオーガズムに達さない。それを知らず短時間で刺激をやめてしまうと、興奮が下がる。
オーガズムを迎える直前まで気持ちよさが高まると、刺激を途中で止めてもそのままオーガズムに達してしまう段階がありますが、イケないという人の多くは、このもっと前のまだ元に戻れる段階のところで男性が刺激をやめてしまうこともあります。
オーガズムに達するまでの時間には個人差があるとはいえ、体の興奮が抑えられない状態に達するまで時間をかけて刺激してあげることが大事ですね!
中でイクことができない悩み… 解決するにはテクニックよりアレがマスト♡【医師監修】
思い込みを捨てて焦らずじっくり快感を楽しむ
性感セラピスト 右京さんにお話を聞いたところ、「こうしないとイケない」などというこだわりを捨てることも、より快感を得るためには必要なのだそう。
「女性の中には『こうしないと私、イケないの』と、自分の中の『型』みたいな強いこだわりを持っている方が多くいらっしゃいます。特に多いこだわりは『足をピンと伸ばした状態でしないとイケない』というもの。みなさんの中にも通称『足ピンオ●ニー』をしている方はいませんか?」(右京さん)
右京さんによると、足ピンした状態でのひとりエッチはとてもイキやすいのだそう。しかしこれに慣れてしまうと、この体勢でしかイケなくなってしまうといいます。
「なぜこの体勢でしかイケなくなってしまうと問題なのでしょうか。それはひとりでする分にはいいのですが、2人でするエッチのとき、足をピンと伸ばす体勢はほぼないため、オ●ニーでイケても、エッチではイキにくくなるという現象を生んでしまうからです。
また、足ピンは体の極度の緊張から短期間で到達するために、非常に効率的に快楽を生み出す方法ではありますが、やはり2人でするラブライフでは、効率的すぎてちょっと寂しくもあります。私個人的にも、体がリラックスした状態から、ゆっくり快楽という名の緊張に到達する過程そのものを楽しんでいただきたいと思っています。
なのでまずは『足ピン以外ではイケない』という思い込みを捨てるところから始めてみませんか? 私の持論ですが『足ピン以外ではイケない』、そんなことは絶対にありません」(右京さん)
また、どうしても「イキたい」という思いが強すぎると、焦りが生じてしまうと右京さんはいいます。でも「イク」ことだけが快楽ではないので、ゆっくりジワジワと快楽に到達できるようリラックスする訓練をしてみるとよいそう。
「少し時間がかかったとしても、ゆっくりジワジワ快楽に到達できる方法もあります。まずは足をピンと伸ばさずにリラックス、たとえばふくらはぎの力を弱めてみたり、慣れてくればM字開脚にしてみたりと、体の力みをとる訓練をゆっくり始めてみましょう。
それにより、今までの焦りや思い込みが捨て去られ、より深いレベルでの快楽が得られるようになっていくと思います。可能であればパートナーにも時間をかけて愛撫してもらうようお願いできれば万全ですね」(右京さん)
【セルフプレジャー】ひとりでするとき足ピンイキをやめるほうがいい? 理由は…
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