【目次】
・健康や美容に超重要! みんなの「睡眠時間」は?
・6時間? 7時間? 理想的な睡眠時間とは
・もしかして睡眠不足かも? あなたの睡眠負債度をチェック
・寝付けない…! 睡眠を改善するために実施したいこと
・疲れが取れない…! 睡眠の質を上げるための方法とは
健康や美容に超重要! みんなの「睡眠時間」は?
働く男女800人の「睡眠」事情
機能性表示食品「ネナイト」を展開するアサヒグループ食品が、20~50代の男女800人に「睡眠に関する意識と実態調査」を実施した結果によると、画像の通り、みんなの睡眠時間の平均は6.2時間でした。
どれくらい足りていないのか質問したところ、平均して2.3時間睡眠が足りないという答えが。
約8割の人が睡眠への不満を感じている
「朝目覚めたときに睡眠が足りていないと感じることがあるか」という質問に対し、「とても感じる」「やや感じる」がなんと合わせて86.9%も…!
中でも30代がもっとも睡眠への満足度が低いという結果が出たそうです。
睡眠時間は平均「6.2時間」! 睡眠が足りてないと感じる人8割以上!【働く男女800人の「睡眠」事情調査】
日本人は世界一睡眠時間が短い
医学博士・医師の梶本修身先生曰く、日本人は世界一睡眠時間が短いそうで、ここ10年で人々の睡眠時間はさらに減ってきているのだとか。
「2010年の平均睡眠時間は平日で7時間14分。1960年の8時間13分と比べると、50年で約1時間も減っていました。ここ10年くらいはスマホの影響で、さらに短くなっているはずですよ」(梶本先生)
すべての疲れの正体は〝自律神経〟の中枢が疲れることで、その自律神経の疲れは睡眠でしか回復できないと言います。睡眠に問題を抱えている人は、一刻も早く睡眠を見直した方がいいかもしれません。
6時間? 7時間? 理想的な睡眠時間とは
重要なのは睡眠の「長さ」ではない!
梶本修身先生曰く、睡眠は「長さ」だけでは十分な睡眠かどうかは判断できないのだそう。
「よく『健康のためには何時間睡眠がベストですか?』と聞かれるんですが、実はその質問はナンセンス(苦笑)。というのも、眠りは〝量×質〟が重要で、長さだけでは十分な睡眠かどうか判断できないんです。毎日6時間睡眠の人より、質がよくない睡眠を10時間とっている人のほうが寿命が短いというデータもあるんですよ」(梶本先生)
最低でも5時間は必要
睡眠の良し悪しは長さでは測れないとは言え、短すぎるのも良くはないようです。
「睡眠は浅い眠り=レム睡眠と深い眠り=ノンレム睡眠のサイクルを1時間30分ごとに繰り返しますが、少なくとも3サイクルは寝ないと十分に疲れがとれないとわかっています。寝つくまでの時間も入れて最低でも5時間はほしいですね」(梶本先生)
もしかして睡眠不足かも? あなたの睡眠負債度をチェック
3つ以上当てはまったら隠れ睡眠負債の疑いあり!
・電車でよくうたた寝をする
・ベッドに入ると、すぐに眠りに落ちる
・寝ている間、いびきをかいている
・朝は目覚まし時計で起きている
・パジャマが寝汗でびっしょりになっている
・起きてから4時間後に眠気を感じる
・休みの日は昼まで寝ている
・最近、よく風邪をひく
・ケアレスミスが多い
・やる気が出ない
以上の質問に3つ以上当てはまった場合は、できるだけ早く睡眠の見直し・改善がおすすめ。
梶本先生曰く、2〜3日の睡眠不足であれば、その後じっくり休むことで取り戻せますが、それ以上続いたり慢性的な睡眠不足があると、生理不順などホルモン異常を引き起こすこともあるのだとか。
女性の場合、自律神経の機能は30歳になると20歳のときの約3/4程度にパワーダウンするとも言われているので、とくに注意したいですね。
寝付けない…! 睡眠を改善するために実施したいこと
日常生活の習慣を改善することが何よりも大事
一般内科医の成田亜希子先生によると、睡眠の改善は「日常生活の改善」が大切だと言います。
1つは規則正しい生活を送ること。
「良質な睡眠に関与する「メラトニン」の分泌を安定させるため、起床・就寝時間を規則正しく、さらに起床時にはカーテンを開け、しっかりと日光を浴びることが重要です」(成田先生)
2つ目は食事を就寝の3時間前までに済ませること。
「就寝前に食事を摂ると、睡眠が浅くなってしまう可能性があります。また、脂肪分が多い食事は消化に時間を要するため、夕食時はほどほどにするのがベター」(成田先生)
3つ目はストレスを溜めないこと。
「ストレスは交感神経を刺激し、入眠や熟眠を妨げます。完全に排除することはできなくても、ストレス発散できるような趣味を持ったり、就寝時にアロマを炊いたりして心穏やかにする工夫をすると良いですね」(成田先生)
4つ目はスマホやパソコンを控えること。
「ブルーライトは脳を活性化させ入眠を妨げる作用があるので、就寝前は控えるべきだ」(成田先生)
決まった時刻に寝て決まった時刻に起きる
規則正しい生活に整えていくことが、睡眠の改善にはとても大切だとお伝えしましたが、中でも「同じ時刻に寝て同じ時刻に起きる」という睡眠のリズムを整えることが重要なよう。
東京睡眠医学センター長の遠藤拓郎先生によれば、これによりホルモンや体温の調整のリズムが決まった時刻に合うように調整され、結果的に睡眠の質も上がります。
室内の温度は27〜29°Cに設定
遠藤先生によると、暑くて眠れない時期は室内の温度を27〜29°Cくらいに設定すると良いとのこと。
「快適な睡眠は、布団内の温度を33°Cくらいに保つのがベスト。室温を保つためには、エアコンをつけたまま寝ても問題はないそうです」(遠藤先生)
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朝にバナナを食べる
睡眠コンサルタントの友野なお先生によれば、良質な睡眠には「メラトニン」「セロトニン」「トリプトファン」が必要なのだそう。
「メラトニンは別名「睡眠ホルモン」。このメラトニンの分泌を促すのが「セロトニン」で、さらにこれを生み出すのが「トリプトファン」という必須アミノ酸です。
つまりこのトリプトファンの摂取が「睡眠」にとって重要です」(友野先生)
「ただしトリプトファンは体内で合成することができず、食べ物から摂取する必要があります。
そして「トリプトファンを多く含む食材を摂取すればいい」というわけでもなく、トリプトファンのほかに「炭水化物」、「ビタミンB6」を組み合わせることが重要です」(友野先生)
「この3つをバランスよく摂取できるのが「バナナ」。さらに、効率よく摂取するには「朝」食べることが重要です。良質な睡眠には、トリプトファンを摂取するタイミングも重要。
朝にトリプトファンを摂取することで昼間の意欲的な活動が後押しされ、メラトニン分泌という側面だけでなく、日中を活動的に過ごせて上手に疲れることができるという点からも、快適な眠りが後押しされます」(友野先生)
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漢方を取り入れる
成田亜希子先生によれば、不眠を引き起こす体質を改善することで結果として、不眠の解消へ導く〝漢方薬〟も効果が期待できると言います。
「直接的に睡眠を誘う作用はないので即効性は期待できないですが、服用を続けることで少しずつ体質が改善され、より自然な睡眠に導いてくれる可能性があります」(成田先生)
精神的な不安を感じやすい人には「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」、ストレスや気分が高まって眠れないときには「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」がおすすめ。
ただし、もともと体調が思わしくない、もしくは低下を自覚している人には、以下の漢方が良いそう。
心の不調による不眠にお悩みの人は「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、気持ちが落ち着かず寝つきが悪い人は「抑肝散(よくかんさん)」がおすすめです。
睡眠薬は最終手段
「不眠の治療は現在、眠気を誘う脳内物質を調整する睡眠薬や不安などを和らげる抗不安薬などを用いた薬物療法が主体になっています。
これらは薬の作用によって人為的に眠気を引き起こしたり、心の乱れをストップさせたりすることで睡眠の改善を目指していますが、依存性や副作用が心配されているのも事実です」(成田先生)
まずは生活習慣の改善を行いつつ、漢方薬を服用するなどし、それでもダメならクリニックなどで相談し、適切に服用するのが良いかもしれませんね。
疲れが取れない…! 睡眠の質を上げるための方法とは
ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを応用したアプリもおすすめ
成田亜希子先生によれば、ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルをうまく応用したアプリも注目されているのだそう。
「ノンレム睡眠はぐっすり眠っている状態のため睡眠中の胎動は少ないですが、眠りの浅いレム睡眠中は寝返りなどが多くなります。『睡眠の質』を高めるためのアプリは目覚まし時計として使われるもので、睡眠中の体動を検知して睡眠サイクルの状態を割り出し、すっきりした目覚めが可能になるレム睡眠期にアラームを鳴らす機能が備わっています。朝の目覚めが悪い人は、睡眠リズムの乱れが原因の可能性もありますので試してみましょう」(成田先生)