【目次】
・そもそも「知覚過敏」とは?
・知覚過敏と虫歯の違いって?
・歯がしみる考えられる原因
・知覚過敏を誘発する要因とは
・知覚過敏を予防する方法
そもそも「知覚過敏」とは?
歯に感じる一過性の痛みのこと
知覚過敏とは一般的に、「歯に感じる一過性の痛み」のことを言います。
食べ物が触れたり、歯ブラシが触れたりしたときに感じる痛みで、「歯がしみる」ということも。
知覚過敏と虫歯の違いって?
虫歯は虫歯菌が原因で起こる
一般的に、知覚過敏は歯の表面のエナメル質が傷ついて刺激を感じるのに比べ、虫歯は虫歯菌が原因で歯が溶けてしまっている状態のことを言います。
歯科医師の野尻真里さんによれば、「歯の最表層であるエナメル質部分でとどまっている初期の虫歯が進行すると、象牙質と呼ばれる歯の2層目にまで虫歯が到達。虫歯はこの段階で痛みを感じる人が多いです。
そしてこれを知覚過敏だと思い放置する人も多く、虫歯が神経にまで到達してしまうこともあります。虫歯が神経まで到達すると、神経が炎症を起こし歯がズキズキする状態になってしまいます」(野尻さん)
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歯の状態や痛みの継続性で見分ける
歯の痛みが「虫歯」なのか「知覚過敏」なのかは、見た目や痛みの継続性で判断できると言われています。歯が虫歯になると、穴が空いたり黒くなったりすることが多いですが、知覚過敏は歯茎が下がり、根元が露出していることが多々あります。
知覚過敏か虫歯かは、まずこういった見た目に変化がないかどうかをチェックしてみてください。
また、知覚過敏は基本的に、刺激を受けたその瞬間だけ一時的に痛みを感じると言われています。虫歯の痛みは慢性的かつ持続的に感じると言われているため、痛みが長く続く場合や、とくに歯に何も触れていないのに痛む場合は、虫歯を疑った方がいいかもしれません。
歯がしみる考えられる原因
象牙質がむき出しになることでしみる
知覚過敏は一般的に、歯の内側にある「象牙質」がむき出しになることが原因。
象牙質には無数の象牙細管が通っているそうで、外部から刺激を受けると、この象牙細管を通り歯の内側の神経をも刺激してしまう可能性が。痛みとしては、瞬間的に鋭い痛みであることが多いそうです。
知覚過敏を誘発する要因とは
加齢による歯茎の後退
象牙質が露出して知覚過敏を起こしてしまう原因のひとつに、「歯茎の後退」があると言われているよう。
多くの場合は加齢によって歯茎が後退していきますが、歯周病なども歯茎の後退を進行させる原因になり得ます。
歯ぎしりによるエナメル質の摩耗
象牙質が露出してしまう原因に、歯の外側にある「エナメル質」が摩耗することも考えられます。
歯ぎしりによってエナメル質を傷つけたり、飲み物や食べ物に含まれる酸によって酸蝕歯を起こしたりすると、知覚過敏を誘発してしまうのだそうです。
電動歯ブラシによる過剰な負担
大岡歯科医院の大岡 洋院長によれば、電動歯ブラシは、歯と歯肉への過剰な負担により、歯を傷つけてしまう恐れがあるのだとか。
「各メーカーの電動歯ブラシのセールスポイントは、ほとんどが『短時間』と『超高速微振動』。『使用時間3〜5分間で歯磨き完了』などといった製品が多いかと思います。
例えば、その製品が『使用時間3分』で28本の歯への歯磨きを完了できるとします。そうすると、歯の通過時間は、歯1本あたり6秒程度、歯の表面は、1ヶ所につき長くても約2秒間で通過しなければなりません。
メーカーの発表では1分間で10,000〜30,000振動の製品が多く、1秒間だと、150〜500振動。ですから、歯の表面1ヶ所をに2秒間かけると300〜1,000振動もの負荷が歯や歯肉にかかっていきます。どんなにソフトに電動歯ブラシを握っていても、モーターが勝手に歯や歯肉に過剰な負荷をかけてしまうんですね」(大岡先生)
汚れはある程度除去はされますが、電動歯ブラシでの歯磨きを何年も続けることで、歯や歯肉を傷つけてしまい、歯肉が下がったり歯が摩耗し知覚過敏が生じたりする可能性もあるとのこと。
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ホワイトニングが原因になることも
歯の白さを取り戻せるホワイトニングですが、実は歯の表面が一時的に荒れることで、知覚過敏になりやすくなってしまいます。
とくに高濃度の薬剤を使用すると、即効性は得られますが、刺激が強く知覚過敏を誘発してしまうのだそうです。
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知覚過敏を予防する方法
知覚過敏を予防してくれる歯磨き粉を使う
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知覚過敏の予防には、しっかり口の中をケアすることが重要だと言われています。歯がしみる痛みを予防するような歯磨き粉を使用するのもひとつ。
シュミテクトは知覚過敏で歯がしみるのを防いで、歯周病や虫歯も予防してくれます。
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歯周病を予防する
知覚過敏の原因になり得る歯周病のケアには、歯磨きの仕方も重要だと言われています。
こうづま歯科医院の上妻和幸先生によると、歯周ポケットの歯周病菌をしっかりと掻き出すことが大切だそう。
「健康な歯を持つ人であっても、歯と歯茎の間には溝(歯周ポケット)があります。歯周病を予防するためには、歯の表面の汚れを剥がすだけでなく、歯周ポケットの中に停滞する歯周病菌を、歯ブラシで掻き出して洗い流すことが大切です。
歯周病予防のブラッシング方法は、歯と歯茎の境目にブラシを45度に当て、歯周ポケット内にブラシの先を入れて優しく小刻みにヨコに動かす『バス法』が適しています。
それに加えて歯というのは平面ではなく、球体に近い曲面で構成されています。球体を磨くためには、歯に対してブラシを直角に当て、細かく毛先をヨコに動かす『スクラビング法』という磨き方が有効です」(上妻先生)
他にもフロスや歯間ブラシ、ときには口腔洗浄器を使って、水流で洗い流していくことも大切なのだそうです。