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半身浴でも全身浴でも“入浴”はとても大事
美容にも健康にも良さそうなイメージの半身浴。では、全身浴は体によくないのでしょうか? それぞれのメリットや注意点を確認し、自分の体に合った方法でバスタイムを楽しみましょう。
〈POINT〉
・“キレイ”を目指す入浴の仕方
・半身浴はどんな人におすすめ?
・汗をダラダラかきたい時の入浴法は?
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メリット|半身浴にはどんな効果が期待できる?
そもそもメリットの多い「入浴」ですが、半身浴にはどんなメリットがあるのかを確認していきましょう。
冷え改善効果
入浴には冷えを改善する効果が期待できます。
冷えは手足が冷たいだけでなく、内臓も冷えていたり関節痛を引き起こしたり、夜眠れなくなったりすることも。
正しい入浴法で血流を改善すると、冷えが改善され体の不調もやわらぐという、好循環へと向かいます。
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免疫力アップ効果
教えてくれたのは… 杉山力一先生
[杉山産婦人科勤務。女性向けアプリ「eggs LAB」監修]
入浴習慣ができると免疫力がアップします。
身体が芯から温まって血液の循環がよくなると、血液中に存在している免疫細胞が活性化し、免疫力の向上や健康的な体質に変わる効果が期待できます。
また、体温が1度でも下がると免疫力は5~6倍も低下。シャワーだけでなく、バスタブに浸かる入浴習慣がベストな方法です。
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持病のある人にも取り入れやすい
半身浴は、心不全の症状や血圧が高い人でも入りやすい入浴法です。
教えてくれたのは… 鳥海弥寿雄先生
[東京慈恵会医科大学乳腺・甲状腺・内分泌外科特任教授]
お風呂の水位が心臓より下に位置する半身浴。圧力など体に大きな負担をかけないため、持病のある人・心臓の悪い人におすすめです。脱水症状にならないよう、浴室に飲みものを持ち込みましょう。
「水圧がとても負担に感じるからお風呂が苦手」という人は、体が本能的に危険を察知しているのかも知れません。
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やり方|効果的な半身浴の方法とは
効果的に半身浴をするための手順を解説します。正しく入浴できなければ、せっかくのメリットも軽減。効果を妨げないため、次の点をチェックしていきましょう。
そもそも半身浴とは
半身浴とは肩まで浸かる全身浴とは違い、水量を減らし胸(みぞおちあたり)から下だけ浸かる入浴方法です。
湯温はぬるめに設定し、じっくり体を温めていく入浴方法です。
就寝の90分前に入浴する
就寝の90分前が入浴のゴールデンタイムと呼ばれています。
お風呂に入り身体が温まりすぎると、実は眠りにつくことができません。眠るときには程よく体温が下がっているのが理想。
就寝の90分前に入浴することで、リラックスした状態で入眠ができ、質のよい睡眠がとれるのです。
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38〜40度のお湯に15分浸かる
お湯の温度は38〜40度くらいのぬるめが推奨されています。ここに15分ほどゆっくりと浸かりましょう。
身体の内側までしっかりと温め、深部体温が上がってきたらOK。高温すぎると身体が目を覚まし、寝つきが悪くなるので逆効果です。
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照明を暗くするとリラックス効果が高まる
湯船に浸かる際、ぜひ電気を消してみましょう。照明を暗くすると眼精疲労回復の効果が期待でき、より深くリラックスできます。
また、浴槽に浸かりながら歌うことで呼吸が深くなります。湯気を吸い込み気道が整って、呼吸筋の筋トレにもなるので効果的です。
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代謝促進効果をさらに上げたい人は運動+半身浴
入浴するだけでも代謝は促進されますが、さらにこの作用を高めたい人は入浴前に軽い筋トレや運動をしてみましょう。
運動と入浴を組み合わせることで、痩せやすい体づくりが可能です。
注意点|半身浴する際に気をつけること
注意点も確認します。せっかく身体によいとされる半身浴も、入り方を間違えたりリスクを理解していなかったりすると、逆効果に。重要なのでぜひしっかり目を通してくださいね。
入浴前後は必ず水分補給を
「入浴による発汗は、血液の粘度が高まることで血液がドロドロに。お風呂の前後はコップ1杯以上の水または白湯を飲んで、このリスクを最小限に抑えましょう」(杉山力一先生)
※体を冷やさないよう水は常温で。
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飲酒直後の半身浴はNG
飲酒後すぐに半身浴をしてしまうと、血圧がグンと下がり脳に十分な血液を送れなくなります。これが原因で意識を失ってしまう危険性が…。
もし飲酒をした場合はアルコールが分解されるまで待ってから入浴しましょう。
ヒートショックを起こさない対策を
ヒートショックとは、急激な体温変化が身体に及ぼす影響のことを言います。
暖かいところから寒いところに移動すると、急激に血管が縮み血圧が上昇。そのままお湯に浸かることで血圧が下がり、心臓に大きな負担がかかることで心筋梗塞や脳卒中につながってしまう場合があるのです。
以下の簡易テストで、自分がヒートショック予備軍に当てはならないかどうかをチェックしてみましょう。
5個以上当てはまったら要注意。1つでも当てはまるのなら、対策をはじめてくださいね。
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違い|全身浴と半身浴はどう使い分ける?
半身浴と全身浴はどう違うのでしょうか。あなたに合った方法で使い分けてみましょう。
全身浴のほうが発汗量は多くなる
発汗量を増やしたい人、短時間でしっかり体を温めたい人には、半身浴よりも全身浴のほうがおすすめされています。
「半身浴は身体が湯船に浸かっている面積が狭い分温まりにくく、全身浴の方が発汗量が多くなります」(早坂信哉先生)
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関節痛を和らげるなら全身浴が◎
筋肉や関節の負担を和らげたい人は、浮力作用が強い全身浴のほうがおすすめ。浮力作用とは、お湯に浸かることで得られる重力からの解放です。
この場合は肩までしっかり浸かれる量のお湯を目安に入浴しましょう。
お湯に長く浸かれない人は半身浴を
入浴のメリットは得たいけれど、お湯に長く浸かるのが苦手… という方は、半身浴が◎
15分程度でも身体はポカポカと温まります。
また、ゆっくりお湯に浸かれる時間がない方は、身体を洗っている間に足湯をするだけでも温熱効果が得られます。
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最後に
美容効果を高めてくれそうな「半身浴」「全身浴」の入浴方法について、それぞれのメリットや期待できる効果などを紹介しました。入浴という毎日の習慣にちょっと“イイコト”を取り入れれば、身体の変化も期待できそうですよね。入浴方法は、季節や体調に合わせて調整するのも◎ 半身浴・全身浴の特徴を忘れずに入浴してみてください。
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