【目次】
・半身浴でも全身浴でも“入浴”はとても大事
・【効果的な入浴習慣】ダイエットにもいい?
・【半身浴】こんな人におすすめ
・【全身浴】こんな人におすすめ
・最後に
半身浴でも全身浴でも“入浴”はとても大事
美容にも健康にも良さそうなイメージの半身浴。では、全身浴は体によくないのでしょうか? それぞれのメリットや注意点を確認し、自分の体に合った方法でバスタイムを楽しみましょう。
〈POINT〉
・“キレイ”を目指す入浴の仕方
・半身浴はどんな人におすすめ?
・汗をダラダラかきたい時の入浴法は?
【効果的な入浴習慣】ダイエットにもいい?
汗をかく入浴は体にもダイエットにもいいって本当? 体にやさしく&正しく入浴することで、より効果が期待できるポイントからチェックしましょう。
【1】入浴習慣で免疫力アップ
女性の健康的なカラダとココロの要となるのが免疫力。免疫力を高めるために押さえておきたい、入浴時のポイントとは?
教えてくれたのは… 杉山力一先生
[杉山産婦人科勤務。女性向けアプリ「eggs LAB」監修]
入浴時の免疫力を高める効果を妨げないために、次の点をチェックしましょう。
・お風呂場を清潔に保つ
・シャワーのみで済ませるのは夏場でも避ける
・朝風呂は、体温とお風呂の温度差に気をつける

カラダが芯から温まって血液の循環がよくなると、血液中に存在している免疫細胞が活性化し、免疫力の向上や健康的な体質に変わる効果が期待できます。
また、体温が1度でも下がると免疫力は5~6倍も低下。シャワーだけでなく、バスタブに浸かる入浴習慣がベストな方法です。
【2】入浴前後に水分補給をしっかりと行う

「入浴による発汗は、血液の粘度が高まることで血液がドロドロに。お風呂の前後はコップ1杯以上の水または白湯を飲んで、このリスクを最小限に抑えましょう」(杉山力一先生)
※体を冷やさないよう水は常温で。
免疫力アップする入浴法! 意外とNGなお風呂の入り方してるかも…
【3】冷え性の場合の入浴
冷え性の人は要注意です。特に秋冬の半身浴は、発汗させるだけで体力を消耗して、逆に体を冷やす原因になってしまうことも。長時間の半身浴は避けるようにしましょう。
【4】42℃を超えるお湯は危険!
教えてくれたのは… 早坂信哉先生
[東京都市大学人間科学部教授。温泉療法専門医。医学博士]
42℃を超えるお湯に浸かると交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇します。また、血液の粘度が上がるため、血栓ができやすくなるなどヒートショックを起こしてしまう危険性も。
40℃の温度で10分を超える入浴は体温が上がりすぎ、冬でも浴室熱中症になる危険がありますが、ぬるめの温度は副交感神経が刺激され、血圧が下がり、心身ともにリラックスさせる効果があります。
【5】汗をダラダラかけばダイエットできる?

「熱いお風呂に浸かって汗をだらだらと流すと、かなりのダイエット効果があるように思うかもしれません。しかし、脂肪を燃焼させて汗をかく運動と違って、お風呂の場合はお湯から熱を受け取り体温が上がることで汗をかきます。
つまり、運動とは汗の出る仕組みが違うため、お風呂で汗をかいてもダイエット効果はあまりありません」(早坂信哉先生)
【半身浴】こんな人におすすめ
半身浴とは肩まで浸かる全身浴とは違い、水量を減らし胸(みぞおちあたり)から下だけ浸かる入浴方法です。湯温はぬるめに設定し、じっくり体を温めていきます。
【1】心不全の症状や血圧の高い人
教えてくれたのは… 鳥海弥寿雄先生
[東京慈恵会医科大学乳腺・甲状腺・内分泌外科特任教授]

お風呂の水位が心臓より下に位置する半身浴。圧力など体に大きな負担をかけないため、持病のある人・心臓の悪い人におすすめです。脱水症状にならないよう、浴室に飲みものを持ち込みましょう。
「水圧がとても負担に感じるからお風呂が苦手」という人は、体が本能的に危険を察知しているのかも知れません。
【2】ワキガの臭いが気になる人
ワキガの臭いを抑えるには、日中も脇部分を清潔に保つことが大切です。
教えてくれたのは… 成田亜希子先生
[一般内科医。日本内科学会・日本感染症学会・日本公衆衛生学会所属]
夜は汚れを落としてゆっくりと半身浴をし、毛穴を開かせてアポクリン腺の中に溜まった汚れの排出を促すのも有効。
【3】筋肉痛の緩和

「半身浴は、血行を改善し筋肉の繊維修復を促すので、筋肉痛があるときにもおすすめです。ただし痛みがひどく熱感を伴う場合は、幹部を冷やしたり足を上げて血流を促すなどの処置を優先しましょう」(成田亜希子先生)
【4】二日酔いの日に
「お風呂で汗をかくとアルコールが排泄されて二日酔いが早く治る」これは大きな間違い!

「入浴による多量の発汗が二日酔いの脱水状態を助長し、急激に血行がよくなることで吐き気や頭痛などの症状が悪化することも少なくありません。脱水が加速し、めまいが生じて思わぬケガを引き起こす可能性も。
しかし、外出などでどうしても入浴したい場合は、40度以下のお湯に設定した半身浴がおすすめです。入浴前から水分をたっぷりとりながら、汗をかかない程度の湯温に浸かるのがポイント。
ただし、途中で気分が悪くなったときはすぐに入浴を中止しましょう。二日酔いの場合は無理をせず、シャワー浴にすることも大切です」(成田亜希子先生)
【二日酔いの治し方】寝る? 薬を飲む? 吐く? どれがいちばん効果ある?
【5】汗腺の働きを高めたい人
サラサラでにおわない、美容にいい汗。汗腺の働きが弱いな… と感じている人は、“手足高温浴”を試してみて!
【手足高温浴のやり方】
1. 熱めのお湯(43~44℃)に手足だけを10~15分程度つける
2. お湯を足して36℃程度のぬるめのお湯で半身浴をする
すると、自律神経が調整されて汗腺機能がアップ。ポイントは自然な発汗を促すこと。
【全身浴】こんな人におすすめ
40度のお湯に10分ほど全身浸かるのが全身浴。熱すぎない湯温で10分以内に済ませるのが、身体に負担をかけないポイントです。
【1】汗をダラダラかきたい人

「半身浴は身体が湯船に浸かっている面積が狭い分温まりにくく、全身浴の方が発汗量が多くなります」(早坂信哉先生)
【2】体のむくみが気になる人
血流が良くなるため冷えの改善におすすめなのは全身浴。お湯の量が多く深いことで、その分水圧も強くなって、足のむくみの解消などにも期待できます。
肩こりなどの痛みも、半身浴より全身浴の方が効果的という研究結果もあるほどです。
最後に
美容効果を高めてくれそうな「半身浴」「全身浴」の入浴方法について、それぞれのメリットや期待できる効果などを紹介しました。入浴という毎日の習慣にちょっと“イイコト”を取り入れれば、身体の変化も期待できそうですよね。入浴方法は、季節や体調に合わせて調整するのも◎。半身浴・全身浴の特徴を忘れずに入浴してみてください。
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