無理せず毎日ちょっとの工夫で健康的に美しく
前回の記事では睡眠不足になることで、免疫力・代謝・集中力が低下したり、太りやすくなることをお伝えしました。これらの弊害が起こることで、病気のリスクが高まったり肌が荒れたりとカラダに負担をかけてしまうことがわかりましたね。
今回は、そんなリスクを回避するために習慣づけたい、良質な睡眠をとるための方法を紹介します。
良質な睡眠のための寝る前の習慣
1. 睡眠時間の確保
睡眠でまず大事なのは、睡眠時間をきちんと確保し、体内リズムを整えることです。日中眠くなることが多かったり、仕事や学校のない休日に朝遅くまで寝てしまっていたりする場合は、日ごろ睡眠時間が足りていない可能性があります。
寝つきが悪い、不眠の経験があると早めに寝床に入ろうとしてしまいがちですが、眠くないのに無理に寝ようとするとかえって逆効果になります。寝床に入る時間がずれても眠くなってから寝床に入り、起きる時間をずらさないようにすることで徐々に入眠時間が安定してきます。
2. 寝る環境を整える
人の体温は眠りの深さによって変動します。眠りが深いときには体温が低くなり、眠りが浅くなって覚醒に近づくと体温は高まります。その仕組みを理解して、冷暖房を利用するなどして心地よいと感じるように部屋の温度設定を行いましょう。
寝室をリラックスできる空間に整えることも良質の睡眠には必要不可欠。部屋の明るさも睡眠の質に影響するため、寝る前にブルーライトや蛍光灯のような強い光を浴びると、脳が覚醒して寝つきが悪くなります。調光できるなら、ブルーライトを多く含む青白い蛍光灯ではなく電球色に変え、光の量も落とすと自然な眠気がもたらされます。
就寝前にスマホやパソコンを見るのも避けましょう。マットレス、枕、掛けふとんなど、快適さを感じる安眠できる寝具にもこだわると良いです。
3. 寝る前には強度の高い運動はしない
交感神経の働きが高まり、覚醒モードになってしまうため、寝る直前は筋トレなどの強度の高い運動は避け、運動するなら眠りたい時間から2~3時間前までにすませましょう。寝る前でもリラクゼーション効果のあるヨガやストレッチなどのゆったりした運動はおすすめです。
4. 寝る前、アルコールやカフェインの摂取を避ける
カフェイン入り飲料やお酒が好きな方は、飲む時間に注意が必要です。カフェインには覚醒作用があるため、体質によっては寝つきが悪くなってしまいます。コーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、栄養ドリンクにもカフェインが含まれているため、就寝3~4時間前は避けましょう。
また、カフェインは血液中の鉄分の吸収を妨げる成分が入っているので、貧血気味の人は特に要注意です。「お酒を飲めばよく眠れるから」と、寝る前に飲酒を行なう人もいます。アルコールは入眠を一時的に促す作用は確かにありますが、深い睡眠になかなか入れず、夜中に目が覚めることが増え、眠りが浅くなります。
5. 夕食は寝る3時間前までにすませる
食事の時間にも気をつけましょう。就寝する前に食事をとってしまうと、睡眠中に食べ物を消化することになり、内臓が活動状態にあるために、睡眠が浅くなり成長ホルモンの分泌も低下します。
成長ホルモンはカラダの修復だけでなく脂肪の分解を促し、脂肪をエネルギーにとして使いやすくするホルモンなので、脂肪を燃焼する力も落ち太りやすくなってしまいます。
残業などで夜の食事が遅くなる場合は、夕方におにぎりやサンドイッチなどを食べておき、帰宅後の食事はスープなど軽いものにすると良いでしょう。
6. 寝る1~2時間前にぬるめのお風呂にゆっくりつかる
お風呂に入ってカラダを温めるのも効果的です。人のカラダは、体温が下がる際に眠気を誘発するといわれています。お風呂に入って体温を一時的に上げて、ゆっくりと下げていくことで入眠しやすくなります。
眠りたい時間の1~2時間前に、38~40℃のぬるめのお湯に15分ほどゆっくりつかりましょう。体の内側までしっかり温まり、深部体温が上がります。高温のお風呂は体を目覚めさせてしまうので逆効果です。
7. 朝日を浴びる
睡眠の質を高めるために、目が覚めたらすぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びることを習慣化しましょう。朝の光を浴びておくと、夜になって入眠を促すホルモン「メラトニン」の生成が増えて、寝つきやすくなります。メラトニンは、眠る15〜16時間くらい前に朝の光を浴びることで分泌されます。
例えば、夜0時に就寝したいなら、朝8時頃までに朝日を浴びれば、その日の夜0時頃には自然に眠気が訪れやすくなります。時間は最低でも30分。朝のウォーキング時でも良いですし、室内であれば窓際で新聞を読むなども良いでしょう。
起きる時間が毎日バラバラだったり、睡眠時間が日ごとに違ったりするなど不規則な睡眠習慣では、メラトニンの分泌が低下してしまいます。
食事・運動・睡眠のバランスはとても大切です。食事制限でダイエットに励んだり、高い美容液に頼ったりする前に、食事にプラス一品野菜を足してみたり、エスカレーターを登るのを階段にしてみたり、夜のネットサーフィンをやめてみたり、少しずつ意識を持つことが大切です。熟睡感のある睡眠をしっかりとることを目指しましょう。
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ダイエットカウンセラー 及川美由紀
NPO法人日本痩身医学協会認定講師、おいかわ整骨院ダイエットカウンセラー。
日本痩身医学協会では、健康的なダイエットの学術研究と生活習慣病の改善を目的とし全国に1100人以上の会員を有している。
看護師として15年以上病院勤務。生活習慣と健康の関係がより密接であることを感じ、ダイエットアドバイザーとして1000人以上のお客様のダイエットをサポートし成功に導いている。